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福岡伸一『生物と無生物の間』、『世界は分けてもわからない』、『動的平衡』(毎日読書メモ(437))

しばらく前に朝日新聞で連載されていた福岡伸一『新ドリトル先生物語 ドリトル先生ガラパゴスを救う』(朝日新聞出版)、展開にやや乱暴なところがあったり、ドリトル先生やスタビンズ君に話しかけてくれる生物たちがあまりに理路整然と俯瞰的に語ってご都合主義きわまれり、とは思ったが、数十年ぶりにドリトル先生の新しい冒険を読んだようで、予想以上に愉しかった。ゾウガメとアタワルパの涙のつくり話はある意味抱腹絶倒。
福岡伸一さんは、フェルメール・センター銀座という福岡さん企画のリ・クリエイト作品の展覧会でお姿を見かけたことがある。結構楽しかったので、また、開催しないかしらん。

さて、13年くらい前に初めて福岡伸一の本を読んだ時の読書メモ。ウイルスは生物と無生物の中間的な立場、って学んだのは福岡さんの本を読んだ時だった、と新型コロナウィルス感染症拡大時に思い出した。

『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書):面白かった! 知らなかったことがいっぱい! しかし生物学の研究って精緻な作業ばっかりで大変...。学者の在り方についても問うている、興味深い本。(2009年3月の読書メモより)

『世界は分けてもわからない』(講談社現代新書):わかりにくいタイトルだけど、実は前作『生物と無生物のあいだ』よりは内容に忠実かも。(^^;) 雑誌連載なので、章ごとに話がぽんぽん飛び(これは前作でも似た傾向があったが)タイトルのところに来るまでの迂回が長かったよ...。話題の引き出しを沢山持っていて、読ませる文章も書けるひとだけど、それらをつなげるのが下手? ひとつひとつの話が唐突すぎ。リン酸化カスケードの話は難しかったが、スペクターの話によって、また研究者として生きるということについて、考えさせられた。(2009年8月の読書メモ)

『動的平衡』(木楽舎、現在は新版が小学館新書から刊行):たとえば「精神」って身体の中のどこにあるんだろう、とか、ダイエットの話とか狂牛病(ってもう呼ばないか)とか、色々な話題について、生物学者の視点から平易に語ってくれています。これまでに読んだ『生物と無生物のあいだ』『世界は分けてもわからない』とかぶる部分もあり、生物学素人相手に、深く突っ込まないで先に進んでいる部分も多く、もどかしく読む人もいるんだろうけれどわたしには大変興味深かった。『ランゲルハンス島の午後』について、あらためて思いをいたしたり。(2009年11月の読書メモより)

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