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村上春樹×川上未映子 春のみみずく朗読会

2024年3月1日、早稲田大学大隈記念講堂で開催された、「早稲田大学国際文学館主催 村上春樹ライブラリー募金イベント Authors Alive!~作家に会おう~特別編 『村上春樹×川上未映子 春のみみずく朗読会』に行ってきた。

イベントの開催について友達が教えてくれて、速攻申し込み。というか、詳細を知らないままサイトにアクセスしたら、早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリーへ寄付して、その返礼品として朗読会のチケットが送られてくる、という趣旨だった。
寄附金15000円。いっ意外に高いね...と思ったが、これはちゃんと寄附の領収書が早稲田大学から送られてくるので(既に来ている)、来年の確定申告時に使用可能。

17時開場。18:30開演。随分バッファあるね、と思ったが、大隈講堂のエントランスにスペースが殆どなく、入り口でチケット確認するのに時間がかかるという前提で余裕を持たせたのかな、と。早めに行ったが、ホワイエが狭いので(記念品、お土産品の販売などもしていたが、階段の方にずらっと列が出来ていたよ)、基本ずっと席に座っていたら、終演時には尻が痛かった…古いホールで椅子が硬めだからねぇ。

構成としては
文学部長挨拶及び諸注意
川上未映子・村上春樹登壇
川上未映子 短編「青かける青」(『春のこわいもの』所収)朗読
村治佳織登壇 ギター曲5曲続けて演奏(「花は咲く」「イエスタデイ」「ミッシェル」「ディア・ハンター」奈良薬師寺の委嘱曲)
村上春樹 新作短編の前半朗読
休憩
小澤征悦登壇 川上未映子「ヘヴン」と村上春樹『風の歌を聴け』(部分)朗読、村治佳織のBGM演奏つき。
川上未映子 新作短編朗読
村上春樹 新作短編(後半)朗読
川上・村上・村治・小澤クロストーク、最後に川上未映子が『ノルウェイの森』の後半部分の直子がワタナベ宛に書いた手紙を朗読。
4人の撮影タイム
ロバート・キャンベル(文学館長)の挨拶

というものだった。
川上、村上の新作については拡散不可、とのことだったので、タイトル含め書くことは出来ないが、2019年に「冬のみみずく朗読会」をやったときにはやはり新作朗読ということで、村上は「品川猿の告白」(『一人称単数』所収)を読んだとのことなので、今回の新作もいずれ公表されることだろう。というか、朗読会のために新作短編を書いてみたら長くなりすぎたので削り、それでも長かったので、朗読会の前半と後半に半分ずつ読んだと言っていた。
出版されるときにはもっと長いバージョンになっているかも?

村治佳織が言っていたが、通常、目から活字で入ってくる小説を、耳から(しかも作者の声で)、初めて受け取る、というのは得難い経験であり、今後、活字で読む機会が来ても、先に耳から入っていた物語は、他の小説とは違った気持ちで接することになるだろう。
朗読会は初めての体験だったし、オーディブル等で本の情報を吸収するという習慣もないので、小説を、耳から味わう、というのはわたしにとっては稀有の体験であり、それも、何十年も追いかけてきた小説家が自分の声で語り掛けてくれるというのは、本当に至福の体験であった。

あとはとりとめもない感想。
・今週まで、NHKで朝ドラ「さくら」(2002年)の再放送をしていて、その中で桂木先生役を演じていた小澤征悦が突然22歳も年をとって登場! もう50なんでちょっと老眼鏡ないと読めなくて、って眼鏡をかけたので、桂木先生…とつぶやいてしまった。
・クロストークの冒頭で、村上春樹が、やや無茶ぶり的に小澤征爾との思い出を語る。あんまりオチはなし。
・村治佳織は前半と後半で衣装替えあり。クラシックギターの演奏を聴くのは久々で、しみじみ心に沁みる。
・川上未映子の顔ちっさ! 可憐な雰囲気で、でも、朗読する小説の不穏さに心震える。
・小澤が『風の歌を聴け』を読んだことに、村上が「45年前に初めて書いた小説と、最新の小説が同じ場で読まれて感慨が」的なコメントをして、よんんじゅうごねん…とつぶやいてしまった。わたしが村上春樹を読むようになったのが1983年だったので、それからでもにじゅういちねんですよ...。
・旧作を朗読すると「僕そんなこと書いたっけなぁ」とコメントする村上。昔書いたものはどんどん忘れていくようにしているらしい。川上が「村上さん、いつもそうおっしゃる...」と言っていた。確かに、『みみずくは黄昏に飛び立つ』の中でも何回もそう語っていた記憶が。
・『ノルウェイの森』の直子の手紙は、朗読するのを聞きながら、次はこう書いてあった、そう、次はこう言っていた、と先取りして記憶が蘇って自分でも驚いた。

最後、撮影可能だった4人の写真など。なかなか4人のポーズとスマホのシャッターが合わず間抜けな写真ばかり。

会場の様子も少々。

最後のリンクは小澤さんが読んだオーディブル版『職業としての小説家』です。

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