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#95 カレーじゃなくてカリー

全く、先日「カレーか、餃子か。」のBRUTUSムック本を手に入れてからというもの、餃子とカレーへの関心が高くてしょうがない。

今回は、カレーだ。いや、カリー。


ビルの5階。

ひっそりとしたところに隠れ家のように佇む無国籍バー。

無国籍バー というのは初めてだ。どういうこと?と思いながらも廊下を進んでいくと、本当に隠れ家のように奥まったドアがあった。そのドアは、なんとなく「ハウルの動く城」のハウルの部屋がその先に広がっていそうな雰囲気を漂わせていた。

そこを開けてみると、薄暗い光に包まれたカウンターとテーブル。カウンターには常連と思われる一人客。ここで、「マスター、いつもの」とド定番のような台詞を言ってみたい と自然に思ってしまったから、さすがバーだ。

店主がカレーの道を歩んでさまざまな国に足を運んだことがあることが伝わる写真、絶対に現地で手に入れたであろうアルパカの置物、壁に飾られたギターとウクレレのちょうど真ん中のような楽器、

お洒落なカフェも好きなのだが、最近こういった”自分の好きの詰め合わせ”を体現しているお店に一層魅力を感じるようになった。そこがとてつもなく好き!という熱量密度の高い人が集まってきてしまうようなお店。

さて。

カレーというと、あの、ご飯とルーがちょうど半分で分かれている、THE カレー を思い浮かべる。でもここは違うのだ。無国籍バーのカリーなのだ。

真ん中にコメがあって、周りを複数種類のルーやトッピングで囲んで(まるでディズニーランドのパーク地図のように)いたりする、わたしたちの給食では出てこなかったような、これは、

カレーではなく、カリーと呼ぶのが絶対にふさわしい。


チキンカリーとマテ茶を頼んだ。ちなみにメニュー表記は「チキンカレー」だった。もしかしてカリーと思っているのは私だけかもしれないが、断固としてカリーと思い続ける。「チキンカリー」を注文した。


このカリーを目指して来ました

タイ米を初めて食べた。ご飯のようにもちもちはしておらず、パラパラだ。団体ではなく個人競技のようなタイプのコメだ。

ルーの方は、味が追いかけてくる、という表現がしっくりくる。そのくらいスパイスが何種類も使われていて、鼻から抜ける香りが印象的だった。

見た目がディズニーランドのパーク地図のようだと先ほど述べたが、驚いたことに味もディズニーランドのようだ。こうなるとディズニーランドそのものなのではないかという疑惑が出てしまってもおかしくない。

厳密にいうと、ルーの味が追いかけてくること、数種類の副菜と複数のルーと煮干しそのものという異なる味の豊富さ、そしてそれぞれを混ぜながら食べることによって何通りも楽しめてしまうこと。

全体としてみてもきらびやかであるのに、それぞれのパークとしても役割を全うしていて、キャラクターがコラボしてなお盛り上がりを見せる

というようなところがディズニーなのではないかと思うのだ。中でもそれぞれの主張が派手だと勝手に感じたので、ランドの方だと思ったのだ。


マテ茶。私はペットボトル飲料の「太陽のマテ茶」を飲んだか飲んでいないかくらいのマテ茶初心者だった。しかしそんな私でも明らかに違いがわかった。漢方のような苦味が強い。

調べたところ、マテ茶は「飲むサラダ」と言われるほどに栄養を含んでいるそう。

マテ茶は主に南米大陸南東部地区(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ)で生産されている飲料で、モチノキ科の潅木(かんぼく)の葉や枝を乾燥し、粉砕、精製したものに熱湯を加えて飲用します。パラグアイのグァラニ族が、活力を与える不思議な木として飲用を始めたことが起源とされていて、ミネラル、特に鉄分とカルシウムの含有量が高く、ビタミンはAとBを多く含んでいます。葉緑素も豊富に含むことから、通称「飲むサラダ」と言われています。

私は「茶」が飲み物の中で一番好きだ。だからさまざまな茶を知っていると思っていたが、本物のマテ茶の味を今回初めて知った。茶知識が増えて嬉しい。



日本にいながら異国を感じることができる。カレーとカリー。

「スパイスカレーを自分で作ってみたい」という欲望がリストに追加された。






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