なぜ小学校の体育の指導は難しいのか___1_

担任の先生が、全て教えなければならない。【なぜ小学校の体育の指導は難しいのか?#1】

いままで我々が行った学校現場でのヒアリングやアンケートの中で、「他の教科は自信を持って授業ができるのに、体育の授業には自信が無い」といった声を多く聞きました。

なぜ小学校の体育の指導は難しいのか
その理由をこれから何度かに分けて分析していきたいと思います。 

小学校は「担任の先生」が体育を指導する。

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日本ではほとんどの公立小学校は「学級担任制」であり、1人の学級担任教師が、その学級の学習指導(教科指導)や生徒指導の全部か大部分を担任しています。

よって体育も担任の先生が指導をする必要があります。 
※一部地域の学校では体育の「専科教員」を配置している学校もあります。
※中学校はどの教科も「教科担任制」ですので、体育は専科教員が始動します。

国語や算数の主要教科であれば、教職課程でしっかり指導法を学んでいますし、またそもそも自分自身が小学生時代に習い、ある程度出来るようになった事がほとんどですので、「何をどう教えれば良いのか」分からなくなることは少ないです。

しかし、体育の場合、自分が「出来ないこと」「苦手なこと」「やったことがないこと」も教えなければならない、といった状況が発生します。最近では小学校の教員採用試験で体育の実技が免除されることも増えてきています。

例えば、5・6年生は「身体づくり運動」「器械運動」「陸上」「水泳」「ボール運動」「表現運動」の領域がありますが、体育を専門としていない一般の先生が、これら全ての領域に関して指導内容・指導方法を理解し、多様な子どもたちをマネジメントしながら、授業を実践することは容易ではありません。

「それなら体育は専科の教員や外部講師に任せれば良いじゃないか」という声もあるかと思いますが、体育に理解があり、且つ財政的にも余裕のある自治体は多くありません。

また、体育の授業では様々な子どもとの関わりが自然に生まれる為、「学級経営に関わるので、担任が教えるべき」という意見もあり、ここに小学校における体育の難しさと可能性の両面があります。

このような状況の中で、体育には指導の拠り所になる検定教科書もありません。

次回は「体育には教科書が無い」ことに関してお伝えしていきます。

学校という船で、 未来への航海に出よう。 (1)

<ENGINEの1st Action>
ENGINEは活動の第一歩として、「小学校の体育」に向けたサービスの開発を目指しています。

特に「体育の指導に苦手意識のある先生でも、自信を持って体育を教えられる」、そして「子どもたち一人一人が、運動の楽しさや成長する喜びを味わえる」、そんな未来を実現していきたいと思っています。


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