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「ラストツーリスト」を観て

 Twitterでのプロモーションが気になり、
早速、視聴した「ラストツーリスト」が久々にドキュメント映画で衝撃を受けた。

Twitterのポストから作品の中身を紹介すると

「押し寄せる観光客、大量のごみ、労働力の搾取、動物虐待、孤児院ボランティアツアーなどの貧困の見世物化……コロナの収束以降、世界中で再び懸念されている“観光公害”(オーバーツーリズム)の実態に迫るドキュメンタリー映画「ラスト・ツーリスト」【日本初公開】配信中!」

https://twitter.com/asiandocs.../status/1698559383637315723

(単品購入だと495円で観れます。僕はサブスク登録しましたが。)

 そもそもこの「観光公害」という概念があること自体が知らなかった。昔から、ガラパゴスや小笠原諸島には入場制限があり、イタリアの世界遺産では落書きがされたり、最近では東京の町中をマリオカートが走り、騒音で迷惑しているなど観光客を巡る問題の種の存在は知っていた。

 がしかし、今回の映画を以て一部の人間の問題のレベルではないことを痛感させられる。事例に上がるものがどれもがひどい。先にある動物虐待、孤児院ボランティアツアー、豪華クルーズ船の地元に金を落とさない観光客。特に象の調教シーンは白眉であった。取材者の立場で考えると象を虐待しているところをよく撮影許可が下りたと驚くばかりだが、モラルと言う面では目をふさぎたくなるほどの劣悪さだ。しかし、客は動物と触れ合いたい、一緒に写真を撮ることにお金を費やす。さらにカンボジアの孤児院へのボランティアへ向かう人々のターゲットにした「孤児院ツアービジネス」も醜悪だ。特にボランティアに向かう人の一見、善意のような振る舞いが動物と触れたい人々と同じであるという論に僕は唸り、自らの無知を恥じ、せめてこの映画を誰かに伝えないという気持ちにさせる。何より、この映画を観ていかなかったら、僕も加害者の一人だったのでは?という気にさせられる。虎の赤ちゃんを抱っこ出来るよと言われたらホイホイ、抱っこして写真を撮っていたかもしれない。すべて動物の触れ合いが悪いわけじゃないだろうが背後を知らないとこの映画に出てくる観光客と僕も大差がない。ことに気づけたのが救いだ。

アジアンドキュメンタリーズ。

サブスク登録したのでこれからドキュメント三昧楽しみだ。

私が運営するYouTubeチャンネル、Planet of Foodの最新作はこちら。

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初めての方はこちらもどうぞ。200回記念SPです。

執筆者:島津秀泰(放送作家)
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