見出し画像

わかりにくい仕事、だからこそ#3



 えぽっく代表の若松です!


 年末年始が近づいていますが、皆さんはどのように過ごされるのでしょうか?昨年に比べると、帰省する人なども増えるのかなと思います。


 長期の休暇に、漫画や小説、映画などをまとめて楽しむ人もいるかもしれません。こうした娯楽から学ぶことって、意外とあるんじゃないかと思います。


 今回の記事は、そんな娯楽…僕も好きな漫画の話から、えぽっくの行動指針まで、一年の締めくくりに相応しく(?笑)、僕が思う【プロ】について掘り下げて書いてみたいと思います!



■プロって何だろう?


 最近漫画アプリで、以前に読んだ漫画を偶然見つけ、読んでいました。とても好きな漫画なのですが、甲斐谷忍先生の『ONE OUTS』(ワンナウツ)という野球漫画です。簡単にあらすじを紹介すると、賭野球で無敗を誇るピッチャーが、万年最下位のプロ野球チームにスカウトされ、優勝を目指していくというストーリーです。

 1999年、プレーオフシーズン。長年に渡ってプロ野球チーム「埼京彩珠リカオンズ」に所属する天才打者・児島弘道は、一度も優勝経験がなく、優勝に必要な何かを探すため沖縄で自主トレーニングに励んでいた。そこで児島は、賭野球「ワンナウト」で無敗を誇るピッチャーであり、天才勝負師の渡久地東亜と出会う。1度目は完敗したものの、リベンジのワンナウト勝負の末、ルールを逆手にとった捨て身の戦法で勝利をもぎ取った児島は渡久地にリカオンズ優勝を要求し、彼は敗者としてこれを引き受ける。

 万年Bクラスの弱小球団であるリカオンズに入団した渡久地は、オーナーの彩川恒雄に、完全出来高制の年俸契約「ワンナウツ契約」を提示する。チームの勝利に全く興味がなく密かに計画している球団売却のために黒字幅を大きくしたい彩川は、明らかに投手側に不利な契約を快く引き受ける。しかし、彩川の予想とは裏腹に渡久地は類稀なる勝負勘と制球力で、三振の山を築き、億単位の推定年俸を稼いでいく。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


 主人公は、一対一で勝負をする賭野球では無敗ですが、野球経験はありません。しかし、“勝負に勝つこと” においては超一流で、相手の心理状態などを見ながら上手くボールを制球し、勝利を収めていきます。

 漫画の中で、チームのミーティングに参加しない主人公が、『どうしてミーティングに参加しないのか?』と問われるシーンがあります。この質問に対し主人公は、以下のように答えます。

他の連中は
今日もクソ真面目に練習してるんだろーが
あいつら毎日毎日練習を重ね
一生懸命プレーしてれば
試合で負けても許されると思っている
野球のプロは… 野球するのが仕事じゃない
勝つのが仕事だ

出典:漫画『ONE OUTS』


 プロと呼ばれる人たちは、毎日練習をする。それは当たり前だと本人たちも思っている。でも、練習だけしっかりしていれば、負けるのは許される(勝負事の世界なのだから負けることもある、仕方がない)と思っているとしたら、それは違う。僕はこの主人公の台詞に、なるほどと妙に納得したのです。

 仕事は、相手の期待に 120% 応えられるかどうかが勝負なのであって、『その120% に応えるためにはどうすればいいのか?』という考え方を常に持つことは、とても重要です。


 これは、社会人になった頃から意識にはあったのですが、その重要性を痛感したのは、起業した後でした。


 会社というのは起業したてでない限り、それまでにずっと仕事をしてきた歴史があるわけで、多かれ少なかれ実績があります。特定の取引先であれば付き合いの長さや、あるいは仕事内容が簡単であればあるほど、特に仕事を頼む理由を吟味されるわけでもなく、『あれを頼むなら、ここの会社がやってくれる』と、 “実績を持った会社” というだけで仕事をお願いしてもらえることが少なくないわけです。(簡単にいうと、『いつも頼んでいるから、来月もお願いする』など。)

 当然起業すると、後ろ楯のようになっていた “実績を持った会社” という存在が無くなります。その瞬間…”仕事をいただく” こと自体が、大変になるわけです(笑)

 なぜなら、これまで別の会社に頼んでいたところを僕の会社に変えていただくか、『これまでにそのサービスを利用したことはないけど、頼んでみようかな』という会社を探して新規で仕事をいただくか、どちらかでしか仕事は入ってきません。


 書くのは簡単ですが、結構ハードルが高いわけです。このハードルを超えるためには、頼む側の立場になって、『ここにお願いしたら、自分が期待した以上のものを返してくれる』と、思ってもらう必要があります。


 この経験が僕の中で、“相手の期待に 120% 応えられるかどうかが勝負” に繋がっています。


 先ほどの漫画の台詞に “プロ” というワードが出てきましたが、えぽっくの行動指針の中にも、 “プロ” の言葉を記しています。

プロとして意識、行動し、成果にこだわる。
お金をもらうということは、プロです。
相手に貢献し、価値を提供しなければいけません。
頑張った、一生懸命やったは当たり前。
アウトプットに自信と責任を持ちましょう。

(えぽっくの行動指針から一部を抜粋)



 僕の考えるプロ意識とは、常により良いものをアウトプットするために、改良や改善を惜しまない、良い意味で満足しない心を持つこと。


 ”満足しない” という書き方をすると、自分に厳しく、ストイックに思われるかもしれませんが(笑)、プロとして仕事を受けるのなら、相手の期待に 100% 応えるのは当たり前。その上で期待に 120% 応えようと、 残り 20% の成果を付加する努力を惜しまない、というような意味です。


 (一方で、えぽっくでは実験(とりあえずやってみる!)も大切にしているので、挑戦してみたら 100% 応えられない時も、もちろんあります…。その際はめちゃくちゃ謝ります(!笑)が、できないことがいけないわけではないので、実験をしてみて、たとえ結果が思っていたのと違ったとしても、すべて成長の糧と捉えています!)

 しかし、これを実践しようとするとき、誰しも一度くらい感じたことがあるであろう、ある “感覚” に阻まれることがあります。

 その感覚とは、『この金額の仕事だったら、これくらい稼働していれば(働けば)妥当だろう』という、報酬に見合う仕事量を経験値から見積もってしまう、あの感覚です。別の言葉で表現すると、『出し惜しみ』とも言えると思います。もちろん、すべての人がこの感覚で仕事をしているとは思いませんし、そうせざるを得ない時もあるかもしれませんが、残念ながらこの感覚で仕事をしているうちは、いつまで経っても相手の期待に 120% 応えることはできないのです。


 起業したてのころ、『ああ、この感覚で仕事をしているからダメなんだ』と、幾度となく思いました(苦笑)。やはり何かを始めたばかりのときほど、自分のスキルアップのためにも、出し惜しみせずに常に 120% を意識して行動することは大事だと思います。おかげで、行動指針に記すほど大事なことだと気づくことができましたし、えぽっくとして大事にしていきたいと思っていることの一つです。







■一人で頑張る必要はない



 先ほども書きましたが、初めのうちは自分のスキルアップのためだったり、あるいは仕事の全体像をきちんと掴むという意味でも、何でも万遍なく、且つ自分の力を出し惜しみせずに、ある程度一人で仕事に取り組んでみることは大事だと思います。


 そういった修行のような時期は、誰にでも必要ではあるのですが、ずっと一人で頑張る必要はありません。
 

 以前、別の地域で活躍しているコーディネーターの方に、サッカーを観ながら教わったことがあります。それは、『「個の力」と「集の力」、どちらも持っていないと強くなれない』ということ。

 個人レベルで技術が低ければ、ボールは相手チームに簡単に取られてしまう。だから個人でもある程度強くなければならない。一方で、個人レベルでだけ強くても、チームプレーとしての連携が取れなければ、試合には勝てない。サッカーでいえば、個人レベルの技術は、足が速い、パスの精度が高い、ドリブルが上手い…などがあり、さらにはポジションによる役割を果たすことなどが、「個の力」といえるでしょう。


 「個の力」を磨くという意味では、得意なことや長所を伸ばす、という考え方がありますが、僕は『短所は見ない。でも欠点は直す』、という考え方も持っています。

 欠点とは、それがあることによって、その人の評価が明らかに著しく下がってしまうもののことです。

 わかりやすい例を挙げると、何をどうやっても、絶対に納期を守らない!などです(笑)。周りに『あの人以外に、この仕事は頼めない!』と思わせるほど、ものすごく良い仕事をするのに、何があっても絶対に納期は守らない人がいるとします。遅延の原因というのは、任せられた本人だけの責任ではない場合ももちろんありますが、許容範囲を超えて情状酌量の余地がないほど印象を悪くするなど、明らかな不利益を被るのであれば、それは短所ではなく欠点です(そんな人、そうそういないと信じたいですが…(笑))。

 逆に、ある人の困ったところを見て、『彼の〇〇なところは確かに困るときもある。でも彼には、△△という良いところがあるから大丈夫』と思える(多くの人が大目に見ることができる)のなら、それは短所です。


 人間なので、誰しも間違えることや失敗することがあります。しかし、どんなに良い仕事をしても、それがあることによって毎回、評価が下がってしまうほど致命的な欠点は、直した方がいい。


 欠点があれば最低でも短所と思えるところまで直し、長所も伸ばす。そうやって「個の力」を総合的に高めながら、自分に与えられた領域での役割を全うし、且つ、『自分は全体の一部なんだ』という意識を持って周りと上手く連携する「集の力」が、プロとしてより良い仕事をするためには、必要不可欠です。


 自分が提供できるのが、出したい成果の 80% だとしても、何か他の力を借りることによって 120% の成果になるなら、その力を借りた方が良い。それは、自分の業務範囲の苦手な部分を仲間に手伝ってもらうことかもしれませんし、何か別のサービスを利用してみることで補うことかもしれません。


 自分の力だけで、相手の期待に 120% 応えられるのなら、それに越したことはありません。しかし、そんなことはきっと、稀なことです。だから、自分の知識や経験、人やモノ、外部のサービス…あらゆるリソースを使って、相手の 120% の成果にコミットしていくことも、プロとして仕事をする上で、意識しておきたいところです。




 最後になりましたが、今年も、えぽっくに関わってくださったみなさん、大変お世話になりました!2022年は面白い人たちとたくさん出会えたらいいなと思っています(すごく漠然とですが(笑))。


 良い意味で満足しない心を持ちながら、相手が満足する成果を出し続ける。
せっかく仕事をするのですから、来年もプロらしく良い仕事をたくさんして、面白い人たちと面白い試合(仕事)をし続け、湧かせたい。


 そんな2022年になることを、楽しみにしています。来年もどうぞ、よろしくお願いいたします!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?