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見せても意味がないもの(No.210)

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、新しい年を迎えられたことは
おめでたいですが、
元日夕方には能登半島地震
が起きてしまいました。

テレビも災害報道に切り替わり
やがて気象庁の担当官の解説が
始まると、私の中で
“ああ、また始まった”という思い
がわきあがりました。

担当官は
「見えにくいとは思いますが…」
とモニターに映ったスライドの
中の2つの表の説明を始めました。

会見に集まった、その場にいる
記者からも見えなかったと
思いますが、モニターを映した
テレビ視聴者には一切見えません。

黄色の枠内が全く読めない表2点(テレビ画面をスマホで撮影したもの)

”自分でも見えにくいと思っているなら
どうにかしろ”と心の中で毒づく私。

どうせ見えないのならモニターに
映す必要があるでしょうか。

もしかしたら発表する人、一人しか
認識できない表なのかもしれませんね。

これは気象庁の説明(プレゼン)
に限ったことではなく、ほかの
官公庁、そして多くの方にも
言えることです。

誰にも見えず、認識されない
“何か”(表や文章など)が
レイアウトされている資料の
なんと多いことか。

認識されない情報は背景や柄の
ような扱いになっています。

今回の地震の解説スライドを例に
とると、いくつかの改善策が
考えられます。

(1) 1ページに1表だけに
2つの表を一気に説明はできない
ので、2つの表は2枚のスライド
に振り分ける。

(2) 表をグラフに
線と数字なので遠くから認識
できないので、棒グラフなどの
グラフィックに変える。

(3) 見せない
表示しても認識できないような
情報なら最初からスライドに
載せない。

緊急時にグラフ化するのは無理
と思われるかもしれませんが、
Excelのデータはクリック1つで
3秒もあればグラフになります。

普段から災害時にはこの表を
使ってグラフ化するという素材を
準備しておけば問題ありません。

緊急時のプレゼンこそ、命に
関わる重要なものです。

その場にいる人にも、
その向こう側にいる人にも、
確実に伝わる情報を提供して
いきましょう。


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