天野暢子

ひと言も話さず決めた案件多数の「プレゼン・コンシェルジュ」。ビジュアルによって秒速で伝…

天野暢子

ひと言も話さず決めた案件多数の「プレゼン・コンシェルジュ」。ビジュアルによって秒速で伝える「情報デザイナー」。「話さず決める!プレゼン」など著作は日本のほか、台湾、中国、韓国で発刊され20冊以上。広島修道大学非常勤講師(プレゼンテーション論)。

最近の記事

日本のお家芸「換算」で伝えよう(No.218)

情報を伝える時、ぜひ使って いただきたいのは数字です。 たとえば「3」(さん)という数字 は国によって「スリー」や「トロワ」 と読みますが、それはすなわち「●●●」。 「●●●●」と認識する人はいません。 性別や年齢を超えて瞬時に伝わる 万国共通の言語です。 「パンをたくさん食べました」 ではなく 「パンを13個食べました」 と伝えるほうが、どれくらい たくさんなのか理解できます。 ただ、その数字が極端に大きい あるいは小さいとイメージが できません。 たとえば、

    • マイクロソフトのAIでプレゼン(No.217)

      近年、”AI、エーアイ”と騒がしい ですが、コロナが明けた2023年 から利用が本格化した感があります。 AI(人工知能)のツールで 最も有名なのはChatGPT (チャット・ジーピーティー)でしょう。 普段話しているような言葉で 質問するとその回答が返ってくる というものです。 その文章を使っていろいろな ものに加工していくわけですが、 別のソフトに移すプロセスが ありました。 ところが、マイクロソフト社は ワードやエクセル、パワーポイント等で AI機能が使える「C

      • 話す姿をパワポに埋め込む(No.216)

        従来、PowerPoint(パワポ)を 使ったプレゼンテーションは 対面が基本でしたが、コロナ禍 以降、オンラインが主流になり ました。 ZoomやTeamsなどの オンライン会議システムにパワポ を画面共有して説明していくという パターンです。 大学院時代、“どうせ顔は見えない から…”と画面下部の「ノート」 という部分にセリフを書き、 読み上げて進行している人を 見かけました。 いくら本人の声でも、棒読みと 自分の言葉で話すのとでは伝わり方 が全く違います。 顔も

        • プレゼンはピッチに学べ!(No.215)

          最近ピッチという言葉を耳に することはありませんか。 20年ほど前から聞く 「エレベーター・ピッチ」の ピッチです。 シリコンバレーなど、新しく 起業した会社のトップが投資家と 同じエレベーターに乗り、 自社への投資を願い出る1-2分の 短いプレゼンテーションを 指していました。 起業して間もない会社、 中でもDXやGXのようにX の付く業界、EDTech (エドテック)のように ○○テックと付く新しい技術の 若い企業のことをスタートアップ と呼ぶことが多いです。 主

        日本のお家芸「換算」で伝えよう(No.218)

          心を打たれる職歴書とは?(No.214)

          今年はうるう年で5週目もあるので、臨時増刊号です。 毎日書いているブログで、 「心を打たれた職歴書」という 記事を書きました。 https://ameblo.jp/e-presen/entry-12841984168.html 結構な年齢になっても、職務経歴書 の提出を求められることはあります。 最近も、応募条件から全くはずれて いるのに、エントリーしたい案件 があり、ダメでもともと書類を 提出してみたのです。 そこで担当者から「心を打たれた」 「条件外だが上司に相談

          心を打たれる職歴書とは?(No.214)

          TikTokは頭の1秒が勝負(No.213)

          ある時、日曜の情報番組の 「シューイチ」で、動画SNS TikTokのフォロワー数、日本一の方の インタビューが紹介されていました。 TikTok(ティクトック)とは スマホ視聴に合わせて、 画面が縦型で、短い秒数の動画 を投稿するプラットフォーム。 最もメジャーな動画サイトの YouTubeは横位置で、 15分とか30分のコンテンツも あるので全く違います。 テレビではその男性が制作過程 とともに紹介されていました。 その方は「とにかく、最初の1秒 でつかまないとい

          TikTokは頭の1秒が勝負(No.213)

          パワポには比率が2種類ある(No.212)

          先日のこと、 「PowerPoint(パワポ)で 完成した資料を昨年のひな型 に移そうとしたらレイアウトが ガタガタになってしまった」 という問い合わせをいただきました。 すぐに旧データと新データを 1ぺージだけ送ってもらったところ、 原因はすぐにわかりました。 旧データは標準、新データは ワイド画面になっていました。 標準は横対縦の比率が4:3、 ワイドは16:9です。 テレビを思い出していただくと 昔の厚みがあるブラウン管テレビ が4:3で、今の薄型テレビや パソ

          パワポには比率が2種類ある(No.212)

          読み上げられるように書く(No.211)

          遅ればせながら2024年になって 私が初めて挑戦したことがあります。 それは、文字(テキスト)の 読み上げ機能。 昨今のウェブサイトはさまざまな 障害がある方々のために、 アクセシビリティ=利用のしやすさ が求められています。 義務ではありませんが、官公庁や 自治体、公共系の団体は アクセシビリティの担保が 厳しく求められているので、 応じる必要があるのです。 聴覚障害の方には文字の大きさや フォント、認識しやすい色などを 配慮します。 視覚障害の方向けには、そこに

          読み上げられるように書く(No.211)

          見せても意味がないもの(No.210)

          明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いします。 さて、新しい年を迎えられたことは おめでたいですが、 元日夕方には能登半島地震 が起きてしまいました。 テレビも災害報道に切り替わり やがて気象庁の担当官の解説が 始まると、私の中で “ああ、また始まった”という思い がわきあがりました。 担当官は 「見えにくいとは思いますが…」 とモニターに映ったスライドの 中の2つの表の説明を始めました。 会見に集まった、その場にいる 記者からも見えなかったと

          見せても意味がないもの(No.210)

          一人の質問は全員に返す(No.209)

          今回は最近、若手社員さんとの やりとりで気づいたことをご紹介 したいと思います。 仕事の関係で20代の方に ある質問をさせていただきました。 調べて丁寧に回答をくださった のですが、答えるのは私一人だけ。 同じ立場の方々への連絡は ありませんでした。 尋ねた人に向けて答える。 それは間違っていませんが、 目の前に起きていることを 考えてみましょう。 仮にイベント開催で 「当日は何時集合ですか?」 という質問があったら、 “あっ、関係者に集合時間を 伝えてなかった“

          一人の質問は全員に返す(No.209)

          そのプレゼンターは車いす(No.208)

          11月、夫に誘われて上智大学 で開催された国際シンポジウム に参加してきました。 「インドの取り組みから考える 障がい者の支援と自立」 というテーマで、障害者の職業訓練に マジックを取り入れたインドの 取り組みが紹介されました。 後半は関係者数人の講演も ありましたが、ある社長のプレゼン は素晴らしいものでした。 株式会社ミライロの社長、 垣内俊哉さんは生まれつきの障害があり、 車いす生活ですが、 その経験からユニバーサルデザイン の会社を起業。 現在は企業などにユニ

          そのプレゼンターは車いす(No.208)

          おもちゃのカンヅメと東京藝大(No.207)

          先日、出版プロデューサーの 木暮太一さんのYouTubeで おもちゃのカンヅメの当て方を 拝見しました。 おもちゃの缶詰とは森永製菓の 「チョコボール」の紙箱で “当たり”が出るともらえる景品で、 おもちゃのセットです。 紙箱の取り出し口(くちばし)が 金色なら1枚、銀色なら5枚で 景品に交換できるというもの。 https://www.morinaga.co.jp/kyorochan/ 木暮さんは幼い時に、当たりの 箱は特別な印刷、製函なのでは ないかと推理し、そこか

          おもちゃのカンヅメと東京藝大(No.207)

          庭園ガイドさんのプレゼン(No.206)

          コロナが明けた今年の秋、私は 山梨方面の日帰りバスツアーに 参加してきました。 滝の鑑賞や松茸の和風膳ランチ、 りんご狩りの後に立ち寄ったのは ハーブ庭園でした。 一般名詞で”ハーブの庭園”かと 思ったら、そういう名称の テーマパークだったのです。 観光バスが着くごとに、 1台に1人のガイドさんが 付いて園内を案内します。 昔からバスガイドさんとは 案内上手の説明上手でしたが、 テーマパークのガイドさんの プレゼンもなかなかのもの。 ハーブ庭園はハーブを使った 基礎

          庭園ガイドさんのプレゼン(No.206)

          あなたの背ネーム(No.205)

          コロナが5類に移行して半年。 今年は4年ぶりの行事が 目白押しです。 その一つが学園祭。 特に高校で目立つのが校内を お揃いで歩くクラスTシャツと ネームボードのようです。 私の高校時代もクラスユニホーム はありましたが、本来は何かの スポーツのユニホームに名入れ しただけものでした。 最近は前から見ると野球の ユニホームに見えるTシャツで、 前にチーム名、後ろは背番号と 背ネームが入っているのが主流。 ネームボードは 「みっきー」「あゆ」のような 名前やニックネーム

          あなたの背ネーム(No.205)

          メールで人を操る極意(No.204)

          仕事もプライベートも連絡は LINE(ライン)が主流になって いますが、ビジネスでの公式な 連絡はまだまだメールです。 実はそのメールもプレゼンテーション の一種なんですよ。 ●情報を伝えて ●相手に行動してもらう のですから。 「5日の会議は13時から第1会議室です」 とメールに書いてあるから、 皆、そこに集まれるわけですね。 最近はメールでちょっとした事件 がありました。 私には業務上、毎月受け取るメールが 2種類あります。 いずれも、「毎月の○○の書類を △

          メールで人を操る極意(No.204)

          1秒で合否が決まっている(No.203)

          このnoteのサブタイトルは “秒速で直感!”。 ものごとの「いい・悪い」 「好き・嫌い」は秒速で判断 されているのです。 セミナーなどでは繰り返し話して きたことですが、私が働いていた テレビ局では「3秒で伝えろ。 3 秒で伝わらなければチャンネル を変えられるぞ」と言われてきた ものです。 その後通った大学院では、建築家 の隈研吾先生が特別講師で来て 「デザインコンペの審査では 残すかどうか、2秒で決めている」と、 審査の様子を再現してくださいました。 そしてここ

          1秒で合否が決まっている(No.203)