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自分Version 2.0を目指すのは今


第4次産業革命の真っ只中、世の中はものすごいスピードで変化している。今あたりまえにある「仕事」は来年には自動化されているかもしれない。

S-Curve of Innovationというのを聞いたことがあるだろう。ある時期テクノロジーの進化はものすごく速いが、その後多くの人が知恵を絞っても進歩できなくなる。あとは価格競争だ。身を削るようなコスト削減に取り組むことになる。これをいつまでもやりつづけていると、やがて利益は出なくなり、事業から撤退するしかなくなる。そうなってしまう前に、次のS-Curveに賭けて投資することが大切だ。

電話のS-Curveを図で示した。固定電話から携帯できる電話。携帯電話から、スマートに簡単に使えるスマートフォンだ。新しいS-Curveが立ち上がったころには、前のS-Curve上の商品の価値がほぼなくなったのはご存知の通りだ。

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これと同じことが私たち個人にも言える。つまりあなたの市場価値のことだ。あなたのスキルセットを考えた時、あなたはどのS-Curveのどの位置にいるであろうか?

S-Curveの最初に活躍するのは、まだ見えない市場のニーズを見つけ、そこにビジネスを生み出す起業家だ。

そのビジネスが軌道に乗り、多数の競合相手が市場に参入してくる。そうなると新しい機能や便利さ、洗練されたデザイン、小型軽量化、あるいは派生商品などが勝負となる。ここで活躍するのがクリエイティブで応用力のある人たちだ。

やがて市場は飽和してくる。イノベーションのアイデアも尽きてくる。すると価格競争がメインになる。ここで活躍するのは細かい作業や綿密な計算、計画を素早く実行できるタイプだ。

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もし自分がS-Curveの急勾配のところが得意ならば、最後のフラットな部分の仕事は面白くないかもしれないし、必要なスキルを持っていないかもしれない。そうなると、あなたはそこでは不要な存在になってしまう。

S-Curveの最後のフラットの部分が得意で、そこで安心していると、オートメーションに仕事を奪われるのは時間の問題だ。その業界や商品のカテゴリーそのものが市場から淘汰されることだってあることが電話の例からもわかる。

S-Curveの立ち上げが得意だが、その後のフォローが好きでも得意でもない人もいる。いわゆるシリアル・エントラプルナーだ。彼らはある程度ビジネスを成長させたら売却してしまう。その収益で次のビジネスを立ち上げる。

マネージャーとして活躍し、周囲より早く昇進している人だって安心はしていられない。コミュニケーションテクノロジーのおかげで中間管理職が不要になるのは時間の問題だ。アメリカのイラク侵攻を指揮したGeneral Stanley McChrystalは、巨大な組織をフラットにしたほうが優れていることを、イラクで対峙するテロリスト組織から学び応用し、Team of Teamsという組織論として大企業にも導入している。

誰にとっても、次のS-Curveが何なのか、常にアンテナを張り巡らしておくことが大切だ。どうすれば先を見通せるのだろうか。またまたS-Curveを使って説明しよう。

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自分のスキルセットがブルーのラインだ。スキルセットとは、ある特定の技術かもしれないし、マネージメント能力かもしれない。あるいは自分が編み出した、自分にしかできないセールスの方法かもしれない。自分は会社の中でも業界の中でも、そのスキルセットでトップレベルだと自負しているのなら気をつけるべきだ。その価値がいつまで続くかわからないS-Curveの最終段階にあるかもしれないからだ。高い視点から世の中を観察してみることをおすすめする。

何か新しいスキルセットを習得しなければいけないと思うのなら即実行。その時に大事なのが、初心に返ること。全く新しいスキルを習得するのだから、これまでの社会的地位とかは関係ない。新しいスキルを習得しはじめれば、それまでの自分のスキルセットとの間で相乗効果がいずれ出てくるはずだ。これが「自分version 2.0」だ。

今は第4次産業革命の真っ只中。ものすごい勢いで世の中が変わりつつある。今まで当たり前にあった仕事が来年には不要になる。これまで考えもしなかったような仕事に多くの人が必要となる。先行きが読めないからこそ、世の中を俯瞰することが大切になる。

次のS-Curveはなんだろうか。「自分Version2.0」はどんなものだろうか。

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第4次産業革命についてはこちらを参照ください。


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