見出し画像

#21 純粋な状態

今回のスリランカでのアーユルヴェーダ体験では、たくさんの「目からうろこ」な体験をした。

自分の本質=「純粋な状態での自分」を知る

その中でも1番は、自分のもともとの体質(プラクリティ)がわかったことかもしれない。

アーユルヴェーダでよく聞くヴァータ、ピッタ、カパという分類(ヴァータは風と空、ピッタは火と水、カパは水と地のエネルギーを持つ)、これはもともとの体質(プラクリティ)のバランスを言うこともあるし、現在のドーシャのバランス(ヴァクリティ)を表すのに使うこともある。

今までも本やネットなどにあるアーユルヴェーダ体質セルフチェックをしたことは何回かあるけれど、もともとの体質はよく分からなかった。

小さいときの体型や髪質、肌質は明確には覚えていないし、行動パターンや性質も40年生きてくる中で体験した様々なことによって影響を受けたり学習して身につけたものが多い。

セルフチェックでなんとなく見えてくるものは、生まれつきのものよりも、生活習慣や環境、食生活によって優勢となったドーシャのバランス状態なのだと思う。

そしてアーユルヴェーダで目指すところはこのズレた状態を本来の純粋な状態に近づけていくことなので、何が過剰になっているかを知ることはとても大事だし、そのためにはやはり元の体質を知ることも大切になってくる。

こちらでは経験豊富なドクターの脈診と問診によって、もともとのプラクリティと現在の状態のドーシャバランスが分かる。

世界遺産Galleにて

私のプラクリティ

自分ではカパはあるだろうと思いつつ、ヴァータも強いと思っていた。

ヴァータの特徴である、自由人、気が変わりやすい、新しいことを覚えるのが早いが忘れるのも早い、好奇心旺盛だが、長続きしない、肌が乾燥気味といった項目が当てはまるからである。

カパの特徴としては髪が黒くて多い、体型はがっちり型、食に興味が強く食に多くお金を使う、よく寝る、などは当てはまるものの、それほど動きや喋り方がゆったりしている自覚はなかったし、なにより持続継続が苦手なのであまりピンとはこない。

ピッタに関しては、ピッタの特徴である「熱さ」「鋭さ」はあまりないなぁと思っており、特に目標達成に向かって計画的に突き進んでいくというピッタの特徴は微塵もない(と思っている)ことや、暑さに強いなどもあり、違うだろうなと予測していた。

それが実際出てきたプラクリティは「カパ・ピッタ」(とはいえヴァータ30%、ピッタ32%、カパ38% なのでヴァータだけが少ないわけではない。

あまり当てはまらないと思っていたピッタもしっかり持ち合わせていて、実はその要素も結構あるのかもというのは発見であった。

日々変化するヴァクリティのドーシャと違い、このプラクリティのバランスは一生変わらないのだという。

つまりこのバランスに近い状態である時、体は健康で、そして心身ともに調和した生きやすい状態でいられるのだ。

バランスをとる

薬膳では、気血水のバランスが取れている状態が健康であるとしていて、それぞれの不足や過剰を補ったり取り除いたりすることでバランスを整えていくけれど、アーユルヴェーダの場合は減少することはなく(よほどの慢性病などで生命力が低下しない限り)食や生活習慣、ストレスなどでドーシャが増える(憎悪)するとバランスが崩れると考える。

なので、基本的に補法(補う)ではなく瀉法(取り除く)ことをメインとするようである。瀉法としてはパンチャカルマという専門家のもとで行うもの、そして憎悪しているドーシャと逆の性質をもつ食べ物やハーブなどで憎悪しているものを沈静化させる方法がある。

今回は特にピッタが次いでカパが憎悪していたので、それらを減らしていくプランが立てられた。

より瞑想やヨガなどを取り入れ、心を落ち着けてピッタを下げること。考えすぎもピッタを上げるのでなるだけリラックスすること。

食事でもピッタを下げるために酸味や辛味を控え、ピッタを増やす食材を下げつつ、パンチャカルマで体に溜まったアーマ(毒素ともなってしまう不要物)を排出するプログラムを行う。

ドーシャのバランスが整ってくると食べたいと思うものが変わって(酸っぱいものが好き、刺激物(ジンジャーや胡椒、シナモンなどやコーヒーやチョコレート)それほど欲しなくなったり、朝起きるのが辛かったのが、すっと5時頃に目が覚めるようになる。

ファスティングなどのデトックスでも出てくる効果だけれど、やはり本来の自分の状態でない時に望むものや欲するものは、本当に欲しているものではないのだというのを改めて実感する。

食も大切な要素。バランスを崩しもし、整えもする。

薬膳でも「体の声を聞く」ことを大切にするが、そもそもその「体の声」が本当に自分のものなのか、乱れた状態で発せられているものなのかの判斷がなかなかに難しい。

アーユルヴェーダでも同種のものが引き合うという考え方があり、憎悪しているドーシャがあれば、さらにそれを増やす味覚や食物、行動を欲してしまうようになるらしい。

例えば仕事を忙しくバリバリとこなしピッタが高まっているのに、サウナや熱いお風呂で「整う」なあと感じる人。

カパが高まってしまっていて、くよくよ思い悩み落ち込む感覚を甘いものを食べてまぎらわせる人。

心の赴くままに行動するのが好きで、動き回ってヴァータが増えている状態の人はさらに軽い質のものや変化を求めたりする。

そして憎悪しているものが更に増えてしまい、バランスを乱し、本来の自分から離れていってしまう。

純粋性を取り戻すための手放し

だから、自分が本来求めているもの、必要なもの、自分のバランスを整えてくれるものを知るには、余分なものを手放す必要がある。

これは体でも心でも同じだなと思うし、そのためには一旦立ち止まって観察したり、専門家のサポートを受けるのも必要なのだ。

体験してみて分かること。
本来のバランスに近づいたときの体感覚を一度感じることができれば、その後はずれた時にも自分で気づくことが出来るようになる。

あ、今これが食べたいと思っているけど、これはさらに乱れを促進するな。。。とか

これが目標だと思っているけど、焦りや不安があるからもしかすると違うかもしれないな。。。とか

本来の自分である時、体は健康で心も平和で落ち着いている。

不安、焦り、いらだち、悲しみ、怒り。。。

ネガティブな感情は悪いことではないけれど、それに振り回されると本来の自分から遠ざかることになる。

アーユルヴェーダに限らず、純粋な自分のバランスを取り戻す方法は、いろいろある。

でも、体からアプローチをし、心身ともに整えていくツールとしてアーユルヴェーダはすごくいいなと、今回実感したし、環境が全く違う場所で自分を見つめる時間をとることが出来て本当によかったとしみじみ思う。

なんとなくの違和感、なんとなくの不調。
滞りを感じているならば、そしてこれを読んで、何か感じるものがあったなら、一度体験してみることをぜひおすすめしたい。

10/29/2022 ジャーナル

*こちらで述べていることはあくまでも自分の体験談と私見である。専門的な知識や見解は書籍や専門家を当たっていただきたい。

今回滞在したアーユルヴェーダの診断とトリートメントを受けられる施設


Tagiru. Ayurveda Resort

908 Habakkala
Maha Induruwa
Sri Lanka 80510

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?