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仲本ウガンダ本戦記

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『アフリカで、バッグの会社はじめました――“寄り道多め”仲本千津の進んできた道』の制作工程や裏話、イベント報告をアップします。
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記事一覧

【23】「立体物」としての本の楽しみを味わわせてくれるブックデザイン――本書のデザイナーさんに取材してきた

本書の発売から約2カ月。いただくご感想を拝見していると、これまでわたしが書いた本の中でダントツに、デザインに言及される方が多いことに気づきました。イラストのよさはもちろん、「カバーの色、いいですね!」「しおりひもの色が好き」などなど。 (主に出版業界の人から)ここはどうしてこうしたの?と聞かれることもあるのですが、著者のわたしはデザイナーさんと直接やりとりしないので、一つ一つの意図は知らないまま今にいたっていました。 そこで、お礼かたがた取材に行ってまいりました。本書の編

【22】『アフリカで、バッグの会社はじめました』試し読み

この本、自分で言うのもなんですが、すごく読書感想文向きの本だと思います。 大学生のレポートや、大人の方の自主的な「私の夏の感想文」の課題図書にもおすすめです。児童書として書かれているので、実は文字数は一般の本の半分ぐらい。気軽に手に取ってみてください。 でも、本ってぱらぱらめくってみないと、自分に合うかどうかわかりませんよね。そこで、目次と、本文のイントロダクションと、第1章を丸ごと公開します。5-10分で読み切れます。試し読みにどうぞ。 アフリカで、バッグの会社はじめ

【21】「安住紳一郎の日曜天国」放送後記(ゲスト編)

2023年7月23日のTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」ゲストコーナーにお招きいただきました。今回が5回目。こんなに長いおつきあいをさせていただけるとは……ありがたいことです。 落ち着いてる? あわててる? 毎回、放送後には多くの方から「落ち着いてしゃべってたよ」とフィードバックをいただくのですが、本人としてはあたふたわちゃわちゃで頭の中は大騒ぎです。もともとのメンタルが低温すぎるから、ちょっと興奮したぐらいが「平熱よりちょっと低め」に落ち着く、ということなのでしょう。

【20】発刊当日インスタライブ、発刊翌日twitterスペース開催!

「仲本ウガンダ本戦記」、前回のプロセスはこちら。 いよいよ、発刊の日を迎えました。『アフリカで、バッグの会社はじめました――“寄り道多め”仲本千津の進んできた道』、全国の書店の店頭に並びます! 発刊記念に、毎週金曜恒例RICCI EVERYDAYインスタライブにわたしがお邪魔して、仲本千津さんとわたしで本書についておしゃべりすることになりました。そしてその翌日にはtwitterスペースも開催。 インスタライブはゲストなのに緊張 インスタライブってめっちゃ緊張しますね。

【19】見本ができた! サイン本を作る

「仲本ウガンダ本戦記」、前回のプロセスはこちら。 トークイベントにギリギリすべりこみ…を期したものの、本の完成は惜しくも間に合わず。しかしその数日後には仲本千津さんのウガンダ出発が控えています。 さて、間に合うか? 間に合うのか? とぞわぞわしながら日々を過ごします。 幸い、予定通りに見本の書籍(といっても流通するものと同じ製品)ができあがったとの連絡がはいりました。よっしゃ、崖っぷちまで追い込まれてのぎりぎりセーフ。 できた本を持つ手が震える 出版社さんに出向き、

【18】発刊前トークイベントで気づいた、仲本さんの「同じ方を向く」構図づくり

6月17日は、『アフリカで、バッグの会社はじめました――“寄り道多め”仲本千津の進んできた道』の主人公である仲本さんの拠点「RICCI EVERYDAY the hill」で、本書の発刊記念トークイベントでした。 まだ影も形もない本の発刊記念 といっても、本はまだ絶賛、印刷・製本中。お客様に買っていただける本がないどころか、出版社の人も、わたしも仲本さんも、完成した本は見ていない。あ、トップ画像で仲本さんが手にしているのは、カバーの色校正を別の本に巻いた「ダミー」です。

【17】後ろ髪を引かれつつ、本文からも、カバーからも手を離します

書名が決まり、カバーデザインが上がった「仲本ウガンダ本」。でもまだ、責了までにはやらなくてはいけないことがたくさんあります。 責了(せきりょう)とは? 出版業界の専門用語です。「これで直しは全部終わり!」という宣言のようなもの。 いま、どんな工程かというと、責了の一歩手前。本文のゲラ(モノクロの試し刷り)や、写真満載の口絵のカンプ(フルカラーの簡易な試し刷り)、カバーや表紙などの色校正(色を確認するための、印刷機で印刷した本格的な試し刷り)を確認しています。 ここで、

【16】カバーデザイン完成!

とうとうできました、本書のカバーデザインが。 どうです? 力強くて、かわいくて、「良い顔」の本になった。と、わたしは思う。編集者さんとイラストレーターさんとデザイナーさんに心からの感謝を捧げます。 ウガンダは緑豊かな国です。地色からも、文字のフォントからもアフリカらしさ、ウガンダらしさが感じられてうれしい。デザインは「アルビレオ」さんです。 仲本さんにお見せしたら、「わああああああああ!!!!最高ですね!!!」と、文字なのに画面の向こうから聴こえるほどの歓声が。グリーン

【15】書名が決まった!

今日は「戦記」ではなく、めでたいお知らせを。 コードネーム「仲本ウガンダ本」の正式な書名が決まりました~! 『アフリカで、バッグの会社はじめました ――“寄り道多め”仲本千津の進んできた道』 (江口絵理 著/さ・え・ら書房 刊) 発売予定は6月下旬です。定価は1,500円(税別)。 メインタイトルは「あふりかで ばっぐのかいしゃ はじめました」の五・七・五。突拍子もないことをあっさり言う感じがすごく気に入ってます。サブタイトルの「寄り道多め」も大好きです。 いよいよ

【14】「ゲラ」の段階で、関係者に確認してもらう

前回の「仲本ウガンダ本」執筆プロセスはこちら(↓)。 ゲラが上がってきました。ゲラとは、本番の本とほぼ同じレイアウトで原稿を組んだ「校正用の試し刷り」のこと。昔はこの工程で人が活字を拾ってページとして組み、印刷機で刷ってましたが、いまはDTP(組版)ソフトで作ったデータをpdfにするだけです。 実際のレイアウトで、ルビや行の折り返しを確認する だったら文字はWord原稿と同じじゃん、わざわざ出す意味あるの?と思うかもしれませんが、Wordファイルのテキストデータ以外の情

【13】プリントアウトの体裁を変えると視界が変わる

前回の「仲本ウガンダ本」執筆プロセスはこちら(↓)。 最初から最後まで赤字を入れ終わったら、プリントアウトします。画面での推敲には限界があります。まるごと一冊分ならなおさら。 紙に印刷すると、画面で見えなかったものが見えてくる 一度読めば読み返すことはほとんどない「情報を得るための本」や、さらっと読むことが前提のSNSやnoteのような場所に書く文章ならそこまでしない人も多いかもしれません。わたしもnoteに書いた記事をプリントアウトすることはないです。 でも、児童書

【12】推敲中に、修正履歴は表示しない

前回の「仲本ウガンダ本」執筆プロセスはこちら(↓)。 仲本さんへの追加取材でわかったことを踏まえ、原稿を調整しています。そこで今回は、推敲のしかた編 Part1「修正履歴とのつきあい方」を。 書くことを仕事にしている人なら誰でも、自分なりの推敲のコツがあると思いますが、これは江口絵理流「推敲のコツ」です。書籍の編集者だったので、noteの書き手の皆さんにも役に立つポイントがあるかもしれません。 必要なのは、修正履歴ではなくタイムマシン 仲本ウガンダ本原稿のオリジナルは

【11】主人公に、原稿上で「追加取材」

前回の「仲本ウガンダ本」執筆プロセスはこちら(↓)。 原稿をベースに、ディテールを再取材 ダメ出しの悪魔(詳しくはこちら)に足をとられつつも、ざっくり直して大きな粗をつぶしたり、全体のトーンや構成がだいたい定まってきたところで、本書の主人公である仲本千津さんに原稿を共有することにしました。 読者が知らず知らずのうちに読み進められるような臨場感を出すためには、できるだけビビッドな情景や会話を再現したい。 とはいえ、書く前の取材で人生の全エピソードの詳細を聞けるわけではあ

【10】ダメ出しの悪魔

一カ月ぶりにnoteに戻ってきました。このひと月は、タイトルにある「ダメ出しの悪魔」にメタメタにやられていました。悪魔の攻撃をしのいで生き延びるだけで精一杯で、ここで何かを話せる状態じゃなかったんです。今日はその話を。 前回の「仲本ウガンダ本」執筆プロセスはこちら(↓)。 一通り最初から最後まで書き上げた第一稿に、編集者さんから山盛りのフィードバックをいただき、訂正や調整を進める段階に入りました。自分で何度も読み返していて気にならなかった文章でも、編集者さんの目から見て気