見出し画像

パリ1日1話〜9 パンはお漬物?の話〜

みなさん、パンは好きですか?わたしもパンは大好きですが、今はあまり食べません。家では一週間に一度食べると多いほう。あとはレストランで食べるくらいです。せっかくパンの美味しい国にいるのになぜ食べないのかというと、美味しすぎて食べ過ぎるからです。そして、パンはバターやジャムなどがセット。なんならヌテラ(フランス人が大好きなヘーゼルナッツとチョコレートのペースト)もセット。カロリーが一気に、こう、バーンと上がってしまうので、運動がいまいち苦手な人間としては節制する努力は一応しているのです。

さて、パンはフランス人の日常にとってなくてはならないものです。そんなの知ってるよっていわれそうですが、多分想像以上かと思います。街角のそこここに東京の街のコンビニ並の密度でパン屋(ブランジュリー)があり、朝夕には焼き立ての香りが漂ってきます(この香りとは日々戦わなくてはいけない)。フランス人にとってパンの代名詞といえばバゲット。人によるでしょうが、おそらくバゲットなしには生きられない人も多いでしょう。昼ごろや夕方になると家族分のバゲットを買い求めるひとでパン屋はにぎわいます。5本も6本も買ってるひともいて、どんだけ食べるねん、と思いますが大家族なのかもしれません。バゲットにうるさいひとも多いです。買うときに「よく焼けたやつ」「あまり焼け目がついてないやつ」など細かい注文をするのも普通です。日本人がお米の炊き加減にこだわるのに似ています。

ここまで書くと、米と同じようにパンはフランス人の主食だろうと思われますが、パンは主食ではありません。もちろん朝はパンが主食ですし、お昼だってサンドイッチですませる場合はパンが主食です。だけど、なんだか概念的にはパンは主食ではないのです。むしろ主食の概念がないと言ってもいいでしょう。肉や魚のメインおかずが彼らの主食であり、パンはどっちかというとおまけ的なものだからです。なんだか話がややこしいですが、簡単にいうと「パンは必須だけども主食じゃない」なのです。

ある日、夫(在仏14年の料理人、日本人)と話していたときに、じゃあパンのこの位置づけを日本のひとに上手に伝えるには何に例えればベストなのかという話題になったのです。そこで、満場一致(ふたりだけども)で出たのが「フランス人のパンはお漬物説」。その理由は、「なくても食事は成立するがないとさみしい」「パンの量は食事に含まれないノーカン(カロリーも)」「好み、こだわりががある」といったところです。この説、どれだけのひとが賛成してくれるのかな。とりあえず、まだフランス人の友人には怖くて話せてません。説明が通じるかも微妙だけど。みなさん、どう思われますか?

写真はクリスマスに食べたトーストしたバゲットと、夫が作ったフォアグラのテリーヌ。こんな組み合わせで、あっと言う間にペロリですよ。ほら、やっぱりパンは危ない!危険だ!

さて、パリ1日1話、今日はここまで。




サポートいただければ、次の本へのリサーチに使わせていただきます!よろしくお願いいたします。