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エトと多肉植物

伸びてきたアロマティカスを切って、水挿しで増やそうと試みている。

アロマティカス

こうして水に挿しておくと、根が出てくるそう。

切り落とした葉はハーブティーにして頂いた。

アロマティカス・ティー


すっかりどっぷり多肉植物の虜だ。

最初に衝動買いした多肉の桜吹雪はダメにしてしまったけれど、徐々に種類を増やして、今年に入って火が着いたようにお迎えして、棚からあふれるほどになった。


なんたって可愛い。可愛いったらない。
こんなに愛しく思うなんて。

多肉に出会う前の私も、それなりに植物は好きだったけど、育てたいというほどの愛は無かった。

愛に目覚めた。
と言うとキレイだけど。

森絵都さんの小説『異国のおじさんを伴う』の一文を思い出す。

人間、意識的に何かを愛そうとしなければ無意識に何かを憎んでしまうものでしょう

森絵都『異国のおじさんを伴う』

最初に読んだ時は、そうなのかな?とあまりわからなかったけど、30代半ばの今ならわかる気がする。


私は子供のいない人生を送ると思う。

できることなら結婚して子供もいた方がいいかもしれないけど、結婚も子供も不可能だという意識が強い。

結婚したいのか、子供がほしいのか、私の意思はどうなんだろう。
はっきりしない。

前まで子供に関しては、自分の遺伝子を残しちゃいけないと本気で考えていた。

旧優生保護法の考え方と一緒。
人にそう思ったことは無いけど、精神障がい者である自分への蔑みが度を超えていた。

私は自分を愛したいし、また、何かを憎む前に何かを愛したいんだと思う。

それがたまたま多肉植物に向かった。

そんな年齢になったんだ。


『異国のおじさんを伴う』には、こうもある。

何かを得れば何かを失う、ただそれだけのことではないか。そして――。
好むと好まざるとにかかわらず、このゼロ地点から私の旅が始まるのだ。

森絵都『異国のおじさんを伴う』

大人になるほど、得ては増やしていけると思っていた。
でもそうじゃないみたい。

得ては失いを繰り返すなかで、諦めもきっと必要だ。


明治安田生命のCMの曲が、ずっと頭から離れない。

時を越えて君を愛せるか
ほんとうに君を守れるか
空を見て考えてた
君のために今何ができるか

小田和正『たしかなこと』

それは単にこの曲がいい曲だからで、別に意味は無いだろう。



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