【詩】『無題』

十センチメートルしか開かないガラス戸を開ける
隙間からは深夜一時の凍てつく息吹
どこにいても孤独な私の隣 
風が腰掛けた
冷たさと抱擁を交わす
それは私の存在への受容
しかし何も言えないままで
冷たい故に与えられた痛みはしずかな裂傷になる
睡魔とともに肉体はリネンに沈む
どこまでも 
これでいい
このまま痛みとひとつになって

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