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和包丁の魅力


1.するどい切れ味

まず、あげられるのが、日本の包丁の切れ味です。西洋の包丁が「押して切る」のに対し、日本の包丁は「引いて切る」という違いがあります。

あまり力を使うことなく、すっと鋭利な刃先を引くことにより、食材の繊維をつぶさず、鮮やかな断面で切ることができます。

この切れ味が何に由来するかというと、日本刀です。日本刀の伝統的な技術が利用されています。

また、戦後、ステンレスで鋼を作る技術革新が進みました。鋼と異種材を熱間圧延などで接合した「利器材」、これを包丁の形に打ち抜くことで「抜刃物(ぬきはもの)」の製法が確立しました。

刀を硬くする焼き入れ・焼き戻し、研削や研磨を繰り返す刀付けなど伝統的な工法を踏襲し、技術革新を進めることで、切れ味が良く安定した品質の包丁が生産されているのです。 


2.種類の豊富さ
海外の料理人が驚くのは、なんといっても日本の包丁の多様さです。素材に応じて適切な包丁を選べるので、素材を生かしつつ、繊細な造形を施せることも魅力の1つといわれています。

まず伝統的な和包丁のうち主なものは、3つあります。

・刺身包丁
細身で刀身が長いことから柳葉包丁ともいわれます。一気に引き切るため、食材の組織細胞をつぶさず、切り口が美しいのが特徴です。

・出刃包丁
切っ先は鋭くて薄く、魚の三枚おろしなどに使われます。刀元が厚いため、肉を骨ごと切ることもできます。

・菜切り包丁
その名の通り、野菜用の包丁です。両面に刃があり、野菜の面取り、皮むきなどに重宝します。

このほか和包丁には、タコ切り、鮭切り、モチ切りなど、素材や用途別にさまざまなものがあります。

3.海外の有名シェフも日本の包丁を愛用
パリの著名なシェフたちは、1960年代後半には日本の包丁を使っていたそうです。繊細で華やかな料理を作るのに日本の包丁が寄与した、といえそうです。

近年は、ニューヨークの高級レストランのシェフたちも、繊細な和食の影響を受け、日本の包丁を愛用しているそうです。


以上

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