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見ていてくれる人はいる、という話

私は、見ていてくれる人がいると感じられることで、力が湧いてくるそんな経験をしました。今回は、私の大学時代の話を書いていきます。

ひたむきに練習に取り組む

大学2年生になった私は、「どんな試合でもいいからユニフォームを着て試合に出る」という目標を掲げて、練習に取り組んでいた。

この目標は前年の1年生のシーズンで、実力が足りず片手で数えられるほどしか試合に出場できなかった悔しさと、試合会場に応援に来る父親の横に座り、同期の応援をするという情けない思いをした経験から立てた、私個人の目標である。

2年生の春シーズンは、走り勝つことをテーマにフィットネスを中心とした練習メニューが多く、前年度の比にならないほど走らされた。フィットネスの中には、そのメニューがあることを知った途端に恐怖から憂鬱な気持ちになることもしばしば。正直逃げ出したい、走りたくないという気持ちもたくさん湧き出てきたのだが、フィットネスは自分自身の課題でもあったため、逃げることなく一番上のレベルに食らいついていった。
全体練習後は個人練習に時間をかけて取り組んだ。主なトレーニングは、パスなどのスキル向上や背中・下半身の筋トレ。そういった練習の日々を続け、チームは春シーズンの初戦を迎えた。私はCチームの後半40分間に出場することが決まり、約8カ月ぶりにユニフォームを着ることができた。

少しずつ結果へ

その初戦から、試合に出られるようになり、少しづつ出場する試合のレベルも上がっていった。シーズン後半はBチームのスタートで出られることができるようになっていた。試合に出られることで、新たな課題が見つかり練習に取り入れた。
春シーズンが終了すると、夏合宿を乗り越えて公式戦が始まる秋シーズンに突入していく。私は、シーズン開幕戦のJr戦(Bチームの公式戦)で先発出場することが決まった。目指していたところに立つことができ、嬉しかったことと、結果を出すために自分のできることを精一杯やろうと決意した。

声をかけてくれた人

開幕戦は、相手チームのグランドで行われるためバスで移動した。試合会場が近づくにつれ、試合時間が近づくにつれ、緊張は大きくなっていった。初めての公式戦と開幕戦が重なったことによる重圧から不安な気持になっていった。
そんな時、試合会場内のトイレの前で私に声をかけてくれた人がいた。

「春から頑張ってるな、試合頑張れよ」

全く知らない方であった。部員やコーチ、父親以外に声をかけてもらったのは初めてだった。
正直驚いたが嬉しくもあった。その嬉しさはじわじわと大きくなっていった。

見ていてくれたんだ。春からずっと。

無名で長いこと試合にも出られず、自信を失くしていた私は、自分を見ていてくれる人がいるなんて思ってもみなかった。
試合前にものすごい勇気づけをしてもらった。
話しかけてくれた人は、2個上の先輩のお父さんであることを後々知った。

私の恩人

それからは、試合に見に来てもらったときには、挨拶に行き、話をしたり、外から見た試合の感想などを聴かせてもらった。
私が3年生、4年生になった後も連絡を取り合ったり、試合を見に来てくれたり、気にかけてくれた。

卒業し就職してからは、私が誘い2人でお酒を呑みにいったとこもある。初めて会ったときの話をして、自分が感じた気持ちと感謝を伝えることができた。

胸を張って再会するために

見ていてくれたと分かったとき、気にかけてくれている人がいると知り、気持ちが安心した。その人が喜びや安心を私に与えてくれる。
あのときもらった勇気づけが、今も感謝という形で残っていて、その恩を返すことができるように、自分の道を進む強いモチベーションになっている。またいつか、胸を張って再会するために。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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