”YASU”

”百聞は一画像にしかず” 報道写真家 航空祭中心のnoteに再構成しました。

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マガジン

  • 航空祭2023

    航空祭に出かけた様子をまとめました。

  • 偵察航空隊 最後の百里基地航空祭

    百里基地に拠点を置く偵察航空隊を取材しました。2019年度でRFと共におよそ60年の歴史に幕を下ろします。航空祭、そして航空祭に先立って整備隊、第501飛行隊、情報処理隊に話をうかがいました。

  • 思えば・・・

    深い意味はありませんが思うところ・・・。

最近の記事

陸・海・空の機体混在の基地と沖縄らしさ。那覇基地で美ら島エアーフェスタ2023

2023年12月、航空自衛隊那覇基地で美ら島エアーフェスタが開催された。 HPによればこの基地は南西防衛区域における唯一の航空基地として 重要な役割を果たしているという。一言で南西防衛区域といっても、 沖縄本島から尖閣諸島や与那国島といった南西諸島、その先は台湾、さらに台湾海峡と、防衛区域がそのまま国際情勢に接しているだけに事あるごとに緊張が走るといっても過言ではない。 さらに島しょ部がほとんどとあって、防衛任務では、孤立無援になる危険性も排除できない。そうしたことを反映して

    • ブルーインパルス大歓迎のもみくちゃ状態エアーフェスタ浜松2023

      2023年10月、浜松基地で開かれた航空祭エアフェスタ浜松には発表によるとおよそ8万人が詰めかけたそうだ。当日は来場者がどんどん増えていくのがよくわかったし、快晴も手伝ってか、ブルーインパルスの駐機場所周辺は最初から場所取り合戦の様な様相だった。航空自衛隊発祥の地とされる浜松基地ではパイロットや整備員などの教育機関としての役割も大きい。そうした意味では先輩後輩が集うという点も特色と言えそうだ。 オープニングフライトはご存知T-4、T-400の大編隊による航過飛行で、「T」を

      • 観客騒然の三沢基地航空祭2023。思わず”雲め!”そしてトリは最後にやってきた。

        2023年9月、三沢基地航空祭前日、午前中から土砂降りだった。雨男なのか、また雨に祟られた。空港近くに立つ航空科学館に向かうと、多くの航空ファンが、雨上がりの予行実施を待っていた。  だが、雨こそ止んだものの雲がそんな期待を封じ込めてしまう。ブルーインパルスが滑走路に整列、離陸かと思いきや、5番機が天候調査で離陸、そのまま中止となってしまった。  この日の予行は全てキャンセルされるのか?そう思っていると、外来機らしき機影が着陸してきた。期待は15時過ぎから予定されている米太平

        • 大雨を”また”吹き飛ばし観客の期待に応えた松島基地航空祭2023

          2023年8月。また雨だった。航空祭を前に未明から雨が降り出した。朝になって雨は止んだものの、開場時には駐機場に水溜りが出来ていた。雨で展示飛行が相次いで中止された2022年の松島基地航空祭が脳裏をよぎる。  このまま大雨になるか、晴れ渡るか、両極端な予想も告げられたが、無事にオープニングフライトからプログラムが始まった。 続いて第21飛行隊F-2の機動飛行が行われたが、この日は、訓練も含めF-2の飛行は3回予定されていて、松島基地を母基地にしているのはブルーインパルスだ

        陸・海・空の機体混在の基地と沖縄らしさ。那覇基地で美ら島エアーフェスタ2023

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          4本
        • 偵察航空隊 最後の百里基地航空祭
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        記事

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(12)最後の飛行訓練:詳細版

          2020年3月9日、偵察航空隊およそ60年の歴史で最後となる飛行訓練が行われた。部隊廃止が決まっている中での最後の飛行訓練、なにもなければRFのフライトも、搭乗するのも最後となる。百里基地のホームページによると、午前中に3機、午後に3機が飛行訓練にのぞんだそうだ。 最後となる午後の飛行では洋上迷彩の901(きゅうまるいち)号機に第501(ごまるいち)飛行隊の岡田隊長を編隊長におよそ1時間の飛行をおこない、最後の最後に着陸した。岡田隊長は以前のインタビューで「RFは操縦が難し

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(12)最後の飛行訓練:詳細版

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(11)動画編:最後の飛行訓練終了「最後まで油断の無いように」

          およそ60年にわたり航空偵察を専門としてきた航空自衛隊の部隊が、今月いっぱいで廃止となります。廃止の日を間近に控えた今月9日、最後の飛行訓練が行われました。  航空自衛隊の偵察航空隊は今月9日、拠点としている茨城県の百里基地で最後の飛行訓練を行いました。訓練終了の報告を受けた隊司令は、この日を迎えられたこと、そして残る日々に向けて訓示しました。  「偵察航空隊として100%の稼働率を維持したまま飛行訓練を終えることができました。ありがとう。ただし、錬成は終了しても偵察航空

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(11)動画編:最後の飛行訓練終了「最後まで油断の無いように」

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(10)最後の飛行訓練、そして・・・姿勢を正し誇らしく

          百里基地のツイッターによると、2020年3月9日月曜日、日本で唯一の航空偵察を専門とする偵察航空隊が、最後の飛行訓練を無事に終了した。ツイッターには4枚の写真が掲載されている。離陸する洋上迷彩のRF、機体に御神酒を捧げる隊員、水を掛けあう隊員、そしてRFをバックに姿勢を正し記念撮影する偵察航空隊、の4枚だ。そしてツイッターには「本日午後の #百里基地。午前中の曇天が一転、輝く青空の下、#偵察航空隊 #501SQ 最後の飛行訓練が行われました。#RFー4 を導入し、百里で運用を

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(10)最後の飛行訓練、そして・・・姿勢を正し誇らしく

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(9)編集後記+追記:西日本豪雨写真

          「事」の始まりは、宮城県の松島基地でのことだった。バリバリという音を立てて急上昇する機体を見て「あ、ファントム、音がでかいな」と声を上げたところ、横にいた方が「あれはRF、百里から来ていますよ」と語りかけてくれたことだった。偶然隣り合わせになったご家族で、母親は大きなレンズを付けたカメラでバシバシ写真をとり、父親はブルーインパルスの模型を手にしたお子さんと一緒に飛行機が飛び交う空を眺めていた。さらに説明を続けてくれた。(↓松島基地にて) 「あれは偵察機です。もうすぐ引退する

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(9)編集後記+追記:西日本豪雨写真

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(8)RF・F-4@百里基地航空祭2019 Last Movie

          偵察航空隊を取材するため百里基地を訪れました。航空祭のアナウンスでは、偵察航空隊の第501飛行隊は今年度で、そして第301飛行隊も来年度で、運用しているファントムが用途廃止されます。いずれも百里基地航空祭としては最後の展示飛行となりました。そこでRF&F-4だけの動画をまとめてみました。百里基地には生産ライン最後のファントムが存在しています。こうしたことからラスト・ファントム、そして今年をファイナル・イヤーと呼んでいるようです。↓そのファントムの展示飛行だけをまとめました。下

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(8)RF・F-4@百里基地航空祭2019 Last Movie

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(7)近づく”終幕”

          「ウッドペッカーはどうなるのでしょう?」隊のシンボルについて岡田隊長にこう聞いてしまった。不注意にもほどがある。「キツツキですよ。キツツキ。」岡田隊長から教育的指導を受けた次第である。日本の自衛隊の機体にアメリカのキャラクターが描かれるはずはない。そんなことになれば自衛隊の飛行機ではなくなるだろう。隊長の話では前述の通り、キツツキのマークは「無くなると思います」と言うことになる。RFの引退と共に偵察航空隊がおよそ60年の歴史に幕を下ろす日も近づいている。RFの引退について

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(7)近づく”終幕”

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(6)偵察情報処理隊長に聞く

          飛行隊が持ち帰った情報(フィルム)を処理・分析するのは偵察情報処理隊だ。分析までには多くの手順がある。 アナログの写真をモザイク・デジタル画像に接合上記が一連の流れを表したもので、取り出されたフィルムは隊員が走って現像室に届けていた。現像機にはライトボックスが取り付けられていて、現像済みのフィルムがはき出されると、そのままライトボックスで現像処理の確認をしていた。 そこから更に建物の中を走って、判読する。私達が取材したときはモノクロ/カラーの両方が持ち込まれる訓練だったが

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(6)偵察情報処理隊長に聞く

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(5)第501飛行隊”復興の一助”と信じて

          今回の取材では災害派遣で撮影された様々な被災地の航空写真を目の当たりにすることが出来た。その中に、福島第一原発の写真もあった。311東日本大震災でも偵察航空隊は連日、情報収集を続けた。3機態勢でそれぞれが要求のあった地域を撮影していたのだ。あの日、第501飛行隊のRFで同じ機体に乗り込んでいたパイロットとナビゲーターが百里基地にいた。多くは異動ですでに百里基地から離れているが、現在も百里基地で任務に就いている同飛行隊の2人に話を聞くことが出来た。 聞いたことのない声で「うわ

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(5)第501飛行隊”復興の一助”と信じて

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(4)被災地へ

          偵察という言葉では想像つかない災害派遣実績偵察・索敵というと有事の際の任務だがこれまでにも多くの被災地を早期の段階で情報収集している。自治体からの災害派遣要請を受けた上位の部隊からの要請を受けて、要求された情報を収集する。偵察航空隊の資料によると、主な派遣実績として平成23年3月の東日本大震災を始め、平成27年には口之永良部島の噴火、北関東東北豪雨、平成28年には4月に2度、熊本地震被災地へ、平成30年には草津白根山、西日本豪雨、口永良部島、北海道胆振東部地震、そして令和元年

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(4)被災地へ

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(3)第501飛行隊長に聞く

          RF用途廃止の直接的理由とは偵察航空隊で実際に偵察飛行を行うのが第501飛行隊。その飛行隊長を務める岡田智光2等空佐に話を聞いた。まず、飛行隊が運用しているRFは登場が古いだけで、機体そのものが古いわけではないが、用途廃止になる理由はなにか。ソファでカメラの前に座った岡田隊長、最初はすこしはにかんだ表情だったが、ゆっくりと話し始めた。 「RF偵察機、最初に買った偵察機ですが、これ昭和50年に運用を開始しましたが、大きな改造せずに今に至っているんですけれども、直接の理由はそれ

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(3)第501飛行隊長に聞く

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(2)Behind the Wing

          取材当日、ブリーフィングのあとに、まず向かったのが、RFの格納庫。当然ではあるが、油くさいような感じは全くない。広々とした場所に置かれたRFは「大きい」というのが第一印象。全長11.20m全幅11.71m。機体は光沢のない塗装が施されていて、金属っぽさが全くといって良いほどない。その流れでエグゾーストを見ると、そこだけは銀色で金属が剥き出しになっていて、隠しきれなかった「本性」が見えた様な気持ちになる。 整備隊が「古いまま」にはしておかない。日が昇ってくると、光が差し込み始

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(2)Behind the Wing

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(1)概要

          航空自衛隊・偵察航空隊。これまでお伝えしたとおり、日本で唯一、航空偵察を専門にする部隊だ。1961年12月松島基地に新編され、RF-86Fという機体を運用、1962年8月に埼玉県の入間基地に移ったあと1975年10月から今回の取材地となった茨城県の百里基地に拠点を構えている。 偵察航空隊には隊司令、副司令、隊本部、そして実際の偵察に関わる偵察整備隊、第501飛行隊、偵察情報処理隊で構成されている。整備隊が調えた機体を第501飛行隊が使ってフィルム撮影、さらにここで現像した上

          WEB特集「今年度かぎり”見敵必撮”偵察航空隊に密着」(1)概要