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痛いのに,体を動かすメリットってあるの???

腰や首,膝が痛いときに「運動した方が良いよ」と言われたこと,もしくは言っているのを耳にしたことありませんか?

これは,半分当たってて,半分は間違っていると思うんです。

今回は,私が考える”痛みと運動”について紹介したいと思います。


痛みに対する運動は良いことなの?


他の記事でも紹介していますが,痛みに対して運動することは基本的に良いとされています。

日本だけでなく,世界でも「ずっと続く痛み」に対してどのような治療をすべきか悩んでいる状況ですが,その中でも「運動は最良の治療薬」という認識が広まりつつあります。

厚生労働省からの報告でも,「1日あたり40分の運動をすることが推奨される」とされています。
運動習慣がない方は,「+10(プラステン)」と言って,10分程度の運動から始めて,無理のない運動から始めましょうとも言われています。

すなわち,専門家の間でも,国の機関でも「運動することはメリットが多い」という認識なのです。

それでは,どんな痛みに対しても運動することが吉なのでしょうか…?

関節が痛む場合は要注意!!!



私が考えるに,膝や股関節など”関節が痛い場合”は要注意と考えています。
あとは,腰であっても背骨がある真ん中に痛みが集中している場合も注意が必要です。

なぜ,関節の痛みに気を付ける必要があるのか?それは…


関節は骨が原因で痛んでいる可能性があるから


仮に骨が原因で痛いのに我慢して運動した場合ですが,おそらく痛みは楽にはならず,むしろ痛みが増す可能性があります

関節が痛む原因は様々あります。

1.骨が痛んでいる
2.筋肉と骨を繋いでいる筋が痛んでいる
3.関節を守るために存在している脂肪が痛んでいる etc…

余談ですが…
よく「軟骨が減ってるから痛いんですよ」と言われますが,実際に軟骨には痛みを感じる神経が行き届いていませんので,厳密にいうと軟骨の厚みが減っているだけで痛みが出るというのは考えにくいことなんです。

話は戻りますが,関節が痛む時というのは「その関節に痛みが出てしまうような動き方の悪い癖」があることが多いです。

その癖を放置したまま運動すると,悪い癖のまま動くことになるので痛みが楽になるというのは期待しにくいです…


関節痛の場合,運動しても無駄なのか??

関節が痛いという人は救いようがないのかというと,そういうわけでもありません。

最も良いのは,私が生業としている理学療法士とかトレーナーさんのように運動するときに体の負担を考慮しながら教えてくれる人の話を聞いてみるというのが1番確実だと思います。

理学療法士の先生方は,地域のクリニックや病院で働いていますし,トレーナーさんもジムやフィットネスクラブなどで働いています。

「こんなことでクリニックに行っても良いのかな?」と思う方もいると思います。

確かに,ハードルは高く感じると思います…
理学療法士の先生に教えてもらう前に,診察をしている先生との話し合いがありますからね…

こればかりは,先生の考え方によるので「絶対大丈夫!」とは言えませんが,「ここが痛いんですけど,運動をした方が良いと言われたので運動の方法や注意点を教えてもらいたいのですが…」ということを診察してくれる先生と,理学療法士の先生に伝えてもらえれば邪険にされることはあまりないと思います。

それよりも,トレーナーさんに教えてもらう方が敷居は低く感じるかもしれません。
その場合は,トレーナーさんに教えてもらいましょう♪

自分で判断する場合は?



中には,「自分で判断したい」という方もいらっしゃると思います。

そんな時は,これだけを念頭に置いて運動の方法を模索してみてください。

「運動中,運動後に痛くない」

前にも書きましたが,「動きの悪い癖」が痛みを引き起こす要因となっていることが多いです。

つまり,痛みがない動きは「そこまで悪い癖がない範囲の運動」とも言えるのです。

もし,スクワットをすると膝が痛いという人は,そこまでお尻を落とさない程度のスクワットに切り替えてみてください。

それで痛みなくできるのであれば,そのお尻の落とし具合から始めましょう♪

そして,厄介なのが運動後,少し時間をおいて痛みが出るパターンです。

こればかりは,予測が難しいのでやってみないとわかりません。
なので,運動して1日経っても関節に痛みが出ない場合は「大丈夫な運動」と判断して良いと思います!

もし,関節ではなく太ももやふくらはぎなど関節ではない場所が痛む場合は,
筋肉痛の可能性があるので,むしろ良い運動ができている証です(運動センスが良い証拠)!


まとめ


ここまで,運動しても大丈夫な痛みについて紹介してきました。

専門家の方に教わっても,自分で判断するにしてもこれだけは言えます。
それは…


痛みを我慢してまで運動を頑張るとあまり良い結果は望めない


「これだけ頑張ってるのに…」
「どれだけ頑張れば良いの?」

少し話は逸れてしまいますが,膝の前十字靭帯という大事な部分が切れてしまったものを修復する手術があります。

その手術後はリハビリがあるわけですが,そこで言われているのは…

痛みを感じながらのトレーニングは筋力が強くならない

痛みを感じると気持ちは頑張ってても,脳みそが無意識に筋肉に対して「あまり頑張るな」とブレーキをかけてしまうのだそうです。

これは,手術を受けていない一般の方にも当てはまると思っています。


動きの悪い癖は「痛みを感じないように工夫した結果」かもしれません


最初から動きの悪い癖がついている人はあまりいません。
仕事をしていて感じるのは,痛みをいかに感じないようにするか…という結果が悪い癖に繋がっているということです。

これを無視すると,痛い → 痛くないように動く → 悪い癖がつく → 痛い → 痛くないように動く…という負のサイクルに進んでしまいます。

このサイクルに陥らないためにも,まずは「痛くない範囲の運動から始める」ということが鉄則です!

運動は,単発ではほぼ意味はなく”習慣化”することで初めて意味を成してきます。

「嫌だな…」と感じながらやるよりは,続けやすいものからやった方が断然良いと思います。
それで,体が慣れてきたり痛みなくできることは増えてきたら運動の種類や時間を増やしていけば良いのです!

私が直接的に関われるのは目の前にきた患者さんだけですが,それ以外の方々にもこれらの記事を通して応援しております。

無理なく,程よく,がんばりましょう♪

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