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リヴァイ・アッカーマン

エルヴィン・スミスの相方と言えるリヴァイ・アッカーマンは口数は少ないが、文武に非常に優れたアッカーマン一族の生き残りの1人である。

彼もまた英断を下せる人物であった。団長エルヴィン・スミスを誰よりも信頼していて、彼の命令なら無茶も平気でやるのは、エルヴィンの優れた英断的判断能力に対して、一切の疑いを持たなかあったからであった。

彼は誰よりも約束を大事にしていた。それは信念とも言えるほど強いものでもあった。エルヴィンに死んでくれと頼み、獣の巨人は俺が倒すと彼と約束した。エルヴィンの死後も、彼は獣の巨人を倒す事諦める事無く最後は殺した。

英断とは誰にも出来ないような事を即断して決行に移すものであり、人物に例えると、海外ドラマのゲーム・オブ・スローンズの北部の主であったエダート・スターク、通称ネッドがそれに当たる。

彼は財政難な状況の中、王が更に散財する事に対して即座に意見した。他の誰もが意見しなかった為に、王家は破産していた。王は誰にも意見されないまま今まできたのに対して、ネッドはそれを止めようとして、一時は王の怒りを買うが、自分に意見する者こそ一番信頼に値すると言って、彼に遺言書を書きとめるように頼んだ。部屋から他の人たちを全て出して、彼の最後も看取った。

彼はその時、既に予測していた事があった。跡継ぎは正式な息子では無く、ラニスター家の兄妹の子であると言う事実を確認済みだった為、ロバート王の言葉では、跡継ぎはジョフリーとすると言う言葉を変えて、正当な跡継ぎとすると書き換えた。

そして彼はロバートが死んだ後、必ず争いになると考え、味方を増やして何とかロバートの意志を貫こうとしたが、裏切りにも合い、剣を持って戦うが敗れて牢獄に入れられる。今まで意見せずに来た者も、牢獄にいる彼に会いに行き、「貴方は誰よりも立派で高潔な人だ」と言った。

彼は正しい英断を即断して、正式な跡継ぎでは無いラニスター家と対立し、
負けはしたものの、自分の意志とロバート王の願いを果たす為、命を懸けて戦った。

ロバートの家臣たちのように、状況や物事の変化に対応するのではなく、正しい道を貫く事は当然、容易では無い。しかしそれが出来る人こそが時代の節目に登場する。これは現実でも同様である。

リヴァイはもうこのまま死ぬ事を覚悟していたが、エルヴィンにはまだ勝つ為の方法があった。リヴァイはそれを聞き、時間が経つほどそれは不可能になる作戦だと理解して、エルヴィンに死んでくれと頼み、新兵たちを地獄に導けと頼んだ。

通常の人であれば、それは出来ない事だ。日本でも電車や事件で直ぐにパニックを起こすのは、進撃の巨人で言えば壁の中でしか生きていないのが現実であり、危険に慣れて無さすぎる為、多少の事で大パニックへと発展する。

過去には米不足の時や水不足の時にも、パニック近い状態になった。英断を下す人間はパニックには決して陥《おちい》らない。しっかりと物事を見て判断する能力にも長けている為、状況把握能力が非常に高いのだ。

最高の友に死んでくれと頼む事も当然、言い難いものではあるが、それしか道が無いと判断し、リヴァイはエルヴィンに死ぬように頼んだ。エルヴィン自身もそれしか道が無かった為、士気を高める役目も最後まで果たした。誰よりも先頭をきって馬を疾駆させた。

リヴァイは非常に優しすぎる性格をしていた。最初の方で部下が死ぬ間際に役に立ったかと聞かれ、彼は彼の手を取り、死を前にしてもお前のおかげだと言わんばかりに話しかけた。

厳しいのと優しいは別であって、甘いだけでは人間的には成長しない。
厳しい言葉や体験を経て、それを受け入れられる者こそが、更なる高みへと挑戦できる。私はリヴァイやエルヴィンには好感は持てるが、彼らは役目を果たしただけに過ぎない。自分の立場で出来る事をしただけに過ぎないが、
カッコよく見えるのであれば、それはまだ理解には達していないと言えるだろう。進撃の巨人はそう言った意味でも、大人が読むべき漫画と言えるだろう。


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