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教えてよ。

ちょっと泣いてた。

ひとりでちょっとだけ。

大好きなあなたを思って。


後ろ姿があなたに似てる人に会ったよ。あなたより少し背が高かった。あなたじゃないのにドキッとした。あなたじゃないかを確かめた。

あなたじゃなかった。

やっぱり違った。

似てるだけで、あなたじゃなかった。

寂しいよ。

またあなたに会いたい。


ねぇ、私のこと、思い出してくれてる? あのときたくさん愛してくれたあなたはもういない?

私はまだずっとあなたを忘れてないよ。

朝、カーテンを開けるとき、歯を磨くとき、パンを焼くとき、道を歩いてても映画を見てても、どんなときでもあなたが私の心に現れるんだよ。

好きで好きで好きでどうしようもなかったあなたのことが、いまもまだ好きで、どうにもならない。


つらいな。

もうこの先、あなた以上に好きな人はできないと思うんだ。

あなたもそんなこと思っててくれないかな。


そんなはずはないよね。だって、あなたが結婚したって風の便りで聞いたんだ。あなたはほかの人のものになっちゃった。

私はいまもあなただけのものなのにね。


私も、探さなきゃ。

思い出の場所で泣いてる場合じゃないんだよね。

分かってる。分かってるけど、心からあなたをどうやって消せばいいかを誰も教えてくれない。


あなたはどうやってあなたの心から私を消したの?

あんなに愛してくれたのにね。


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