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春から高校生になる君へ

「将来の目標を決めないとダメだ!」

こんなことを言う大人に問いたい。

「あなたは15歳の時から今の姿を思い描いてきたの?」

はっきり言うと、高校1年から将来の自分像を持っているなんて、面白みのない人だと思う。人生にレールを自ら引いて、その上に乗っているだけの超現実志向だろうか。

いやいや、世の15歳の中には明確に医師を志す者もいるから、一概には言えないか……。こういう高尚な目標を持っている人はぜひとも夢を叶えてもらいたい。

しかし、大部分の15歳には将来の職業なんて有耶無耶にしかわからないだろ?でも、先生は言うんだ。
「将来の目標を持て」
なんて無責任なんだ。こんなに広い世界で、どんな未来があるとも知らずに、職業なんて初めから選べるのか?

自分はこう思うんだ。

たった一度の人生、どう転んでも自分の経験になるから、とりあえずいろいろやってみな。

ただ、自分はどうありたいのか、どう生きたいのかは考えておけ。

例えば、「困っている人の助けになりたい」「できるだけ多くの人と仲良くなりたい」「できるだけ多くの文献を読み、歴史を糧にこれからの世界を見据えたい」「身近にいる人だけでも守りたい」

どんなに漠然としててもいい。自分の生き方のスタンスを決めよう。そうすれば自ずとどの分野にでも自分らしい道が開けてくるはず。

高校3年間がこれからの人生の分岐点?いやいや、そんなことを考えず、あなたの肌で、耳で、目で、舌で感じたものを大切にしなさい。それが君らしさの原点になるから。



福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》