感想【陽だまりColors】



 読もう読もうと思いながらもやや時間が空いてしまいましたが6作品目を読みました。

 「いじめ」っていうテーマってめちゃめちゃ難しいですよね。安易に触っちゃいけないような気しかしないテーマで、自分はこのテーマで作品を書くことは無いと思います。
 単純に書ける気がしないです。想像ができない。

 想像できないって言うのは被害者の気持ちはもちろん、中途半端にわかったような気になることすらできないし、何て言えばいいんでしょうね。そんなわかったようなフリして適当に表面だけなぞって良いようなテーマでは無いのかなと勝手に思ってます。

 加えて、加害者の気持ちもわからないですしね。他人をいじめるってどういう感覚なんでしょうねほんと。中学生、高校生とか精神的には子どもとかどうとか言ってる場合じゃないですよね。
 「自分がされたら嫌なことを相手にしてはダメ」って教わらなかったんですかね。てか、教わらないと相手の気持ちって考えられないものなんですかね?それくらい人間の生物としての本能って生まれつき欠損してるんですんかね?

 ただまぁ、生きていく上で本能的に誰かを「いじめるということ」が果たして本当に欠損なのかどうなのか、ということはまたちゃんと考える必要はあると思いますが。
 ただまぁこうした現代で、いじめるという事が「カッコ悪い」って思えないのは割と真面目にまずいような気がしますね。
 入ってくる情報だけが爆発的に増えて、それを上手く判断してインプットやアウトプットができないような見た目だけが成長してるガキンチョのままで年齢を重ねている大人(と言われるような人々)が増えている。
 「大人」と「子ども」の違いは何?とかってよく聞きますけど、そんなものは無いと思いますね。「責任感」とか「給料を自分で稼ぐ」とかそんなことが言われるけど、それって全然大したことでは無くて、「自分を自分として生きる必要がある」と気づけた人から大人になっていくような気がすると個人的に思ってます。

 もうここまでくると、「お天道様が見ている」という意識で、自分が他人に対して、親に対して、子どもに対して、家族に対して、恥ずかしくないような生き方をしているのか、という所を徹底的に考えられないとダメですよね。

 何がダメなのか? そこはこう「人間として譲ってはダメな部分」というやつなんでしょうけど、この考え方が果たしてどうなのか。難しいですね。だからいじめをテーマに物語は書けないような気がします。御託は並べられるだろうけれど。


 前置きが長くなりましたが感想いきます。

率直に思ったのは
・登場人物の名前やたら複雑なのは何故?
・いじめられている彼女に感情移入ができない。(ここは上で書いた部分とリンクするところです。いじめられてる人ってこんなに余裕があるようなスタンスなのかな?と思いました。)
・「寿命が見える力」って聞いたときに、自殺で死ぬことを寿命というのにやや違和感を覚えました。ここは個人的な問題かな。
・白崎さん何してるの??
・話めちゃ急展開し過ぎではなかろうか。


 一話ずつは短く非常にサクサクと読むことができましたが、このテーマを扱う以上もう少し、長めに物語を書いても良かったのではないかと思いました。


⇒ 「陽だまりColors

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