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月と森のサブマリン ⑫       モンスターマシン完成         


■たったひとりの建築冒険物語■
…。
製材機製作に着手して数カ月。
何時しか秋を通り過ぎて冬。
寒い雪の中でも、
週末車に乗って林に突っ走る。
イケ-赤松林。
上下5重に着込んでダルマ。
頭に飛行帽、
首にレッグウォマー。
白い息を吐きながら林に着くと、
車の中で茶を飲み、
手順を考え、
ドアを開ける。
ギー、バタン。
…。
5トンユンボのエンジンをかけ暖気すると、
蓄木場に移動。
そして、
三点ワイヤーで丸太を吊るし、
製材機まで運ぶと、
ジャッキの上に設置。
次にジャッキアップして切り線を確認すると、
丸太を固定するキツツキ金具を押しつけ固定。
それが終わると、
ウェルダーのエンジンをかけ、
三相200のコンセントを自作製材機と繋ぐ。
深呼吸を数回すると、
スイッチオン。
シャ----、
と帯状の歯が滑空を始める。
潤滑液を吹きつけ、
ハンドルを押して、
ゆっくりと丸太に押し着けてゆく。
ビジャ-と歯が食い込み、
抵抗感無く丸太をスライスしてゆく。
アハハ。
いいぞ~。
その調子だ~。
今日も製材屋だ~と時は過ぎ、
途中昼飯食ったり、
茶を飲んだりしながら、
週末が過ぎてゆく。
そんな週末を何度か過ごすうちに、
製材機の改良も続けた。
モーターひとつでは力不足。
ならと、
ネットで大きめの三相モーターを購入。
そしてツインモーター化。
馬力アップ。
もはや怪力マシーン。
さらに、
製材した板と鋼材のアングルで、
レール横に幅1m程の足場を設置。
やがて自作製材機は成長し、
写真の様にほぼ怪物となった。
むふふ。
カッコヨイ。
まさにマシーン。
機能美だ。
…。
板作りと、
マシン作りに熱中した日々が過ぎた。
だが、
それは、
本筋ではない。
何を求め、
何処へ行く。
…。
家だ。
どんな家だ?。
そうだな…。
どんな家を造りたいのか?。
…。
つづく

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