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in my sadness

虚ろな眼を裏返して世界を視た。
こんなにも澱んでいると知らなかった夜明け。
犬は吠え、蝉は猛り狂ったように太陽を急き立てる。
やめろやめろ。私は朝を迎えたくは無いのだ。

布団を頭からひっ被る
黒真珠のネックレスが素敵な豚が足首にキスをしてくる。
やめてやめて。私はもう起きたくは無いのだ。

お願いだから、誰か私を生の終わりの静かな砂漠へと誘ってくれないか。
そこで貴方とお弁当を拡げようよ。
玉子焼きなら得意だから、おかずは任して。
貴方には塩気の効いたおにぎりを握ってきて欲しいな。鮭と高菜が入ってると尚良いよね。

そうやって二人でピクニック。
アルコールを飲みながらまったりと世界に終わりを告げたら
この無気力と無感動の世界から飛び出して
砂漠の砂の一握りになれたら良いよね。

音も風も、匂いも無ければ、地上と宇宙の境も無い。そんな深夜の無人砂漠でさ、

もう砂なのか星なのかもわからないほど、
私達は融合してさ。

そうやって死せる芸術的存在になろうよ。



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