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日常を少しだけ愉快に。

March14, 2019

身の引き締まるような原稿の依頼をいただいて、考えている。パンとは。

「パンは小さいけれど確かな幸せ。つくり手にとっては、生きかたそのもの」

これは拙著『BAKERS おいしいパンの向こう側』(実業之日本社 2018)の帯の言葉だ。

小さいけれど確かな幸せ。
レイモンド・カーヴァーのいう”A small, good thing”、村上春樹のいう小確幸。

それをとてもいい感じで表す言葉が、あるパン屋さんのショップカードに記されていた。

日常を少しだけ愉快に。

そうだ、と思う。
この飽食の時代に、日々の糧ではなくなり、だからといって嗜好品ではなく、心を満たすだけのものでもなく、でも、おいしいパンは、日々をちょっと愉快にしてくれる。

おいしいとは、心と体が快い状態になることだ。

パン屋さんは能登の、月とピエロのパン研究小屋という。友達がお土産にくれたパンは、今すぐ能登に行きたくなる味がした。




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