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堀江貴文著(2023)『ChatGPT vs.未来のない仕事をする人たち』株式会社サンマーク出版

新しい技術を積極的に使うための思考を得るための本

最近は、この手の本は圧倒的にkindleで読むことが多くなってきた。
ChatGPTに関する本もピンからキリの状態ですが、世の中には積極的に使おう派と、用心して使おう派や使うのやめとこう派などが出てきているけど、本書は積極的に利用しない手はないというスタンスの本で、わたしもこのスタンスに賛同します。

本書は、堀江氏以外に、深津貴之氏、緒方憲太郎氏、佐藤航陽氏、茂木健一郎氏による各章で構成されている。

わたしも日頃からChatGPTを使っているが、多くの人が思っている危険というのは、曖昧なことも含んだ出力を出してくるということだろう。でもわたし達人間も同様に常に完璧なことを言っているのではなくて、その中にはあやふやな思い出や、あやふやな理解、ちょっとだけ聞いたけど本当のところはわからないままの状態だったりと、かなり怪しい状態で人に語ったり、知ったかぶったりしてないだろうか?

そう考えると、その曖昧さが有ったほうが、むしろそこから信憑性を確認する作業を経ないとならないと理解するならば、それはそれでチェック機能が働くわけなので、堀江氏がいうようにChatGPTを使わない手はないと思う次第。

アメリカでは今ある仕事の4分の1が自動化される可能性があると言われており、将来AIに代替されるとすれば、もはやその先を人間は考え、シフトしていくべきだろう。人口減が叫ばれている中で、ChatGPTの登場は、むしろ救いになるのかも知れない。

堀江氏のいう生成AIとコミュニケーション分野のビジネスアイデアであるバーチャル占い師って、星座の動きや手相や人相の読み、タロットによる偶然性等、ほぼ全て生成AIで代替できそうである。

深津氏からは、ChatGPTの使い方に関する話、緒方氏からは社会的な位置づけに関する話、佐藤氏からはビジネスの変化の話、茂木氏からは人間とAIについての話、みんな興味が持てる内容だった。

わたし個人で言えば、ずっと昔にプログラムも作っていたけど、今はそれすらChatGPTにお願いすれば、プロンプトにもよるけれど、そこそこマシな記述までできてしまう。本当に便利になったものである。

またAIは大脳の機能拡張と捉えると、確かに色々とアイデアは浮かんでくる。その機能拡張も人間自身よりも遥かに大きなデータを扱うことが瞬時に可能になってくるわけで、人間も自分の頭で考えをひねり出すよりは、賢く生成AIを利用した方が利便性も高くなるのは簡単に想像できてしまう。ただ、茂木氏がいうようにChatGPTが書く文章は面白くなく、そこにどのような付加価値をプラスしていくのか、そこが人間のお仕事になっていくのかも知れない。

個人的には茂木氏のいう「ヴィンジの不確実性」の話に興味を持った。それに関連して人工知能の発達段階があるとのこと。

全体を通して、難しい話は一切出てこないので、すんなりと理解できると思う。これからの未来を生成AIを通して少し覗いてみた、そんな読後の印象をもつ本だった。

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