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【アイディア#32】小学2年の野菜栽培は経済を学べるチャンス

 ご家庭でお子さんと試していただきたい、ちょっとしたフィナンシェ(金融家)なアイディアをご紹介します。今回は「野菜栽培で経済を学ぶ」です。

 小学校2年生のこの時期、野菜を育てている子どもは多いのではないでしょうか。この野菜栽培は、生活科や理科につながる学びだけでなく、社会科にも発展できると思っています。学校の教員の方々やお子さんのいらっしゃる家庭で、試してみてはいかがでしょうか。

■ Step1:まずは382円を借りる

 娘の通っている小学校では、トマト、ナス、ピーマン、ししとうの4種類から苗を選べるそうです。昨年のアサガオの栽培で使った支柱や鉢を活用するので、新たに用意したのは苗、肥料、土でした。

 実は、この3つにかかる費用は、ビジネスで考えると初期投資にも相当します。つまり、苗 108円、肥料 4円、土 270円 合計 382円をパパやママから貸してもらい、その資金を元手に栽培する、という構図です。

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 野菜を作るためには、これだけの費用が必要だということを示すこと。ここから出発です。

■ Step2:私たちの街で調べよう

 小学2年生になると、地元の街を探索する、という授業があるようです。小学校の近くの街を歩き、どんなお店があるのかな? どんな公園があるのかな? この道でこんなものを発見したよ! などといった体験をしていく時間です。 この中に、もし八百屋さんがあれば、子どもたちが育てている野菜の値段を調べる、ということも組み込んでみてはいかがでしょうか。

 ご家庭でも複数のスーパーに行き、たとえばししとう1本あたり何円で売っているかな? と比べてみるのも良いですね。

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■ Step3:いくらで売れるのか想像してみよう

 さて、ここまで来ると想像できるかと思います。
 「野菜栽培×経済」という視点で、①親から資金提供をしてもらう、②市場の値段を調べる、というステップを踏むことができました。ここから、子ども自身が育てた野菜を売るステップに入ります。

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 野菜が実ったら、お店で売られていた値段を参考にいくらで売ろうかを考えます。お客さんは親が一番現実的かと思いますが、おじいちゃんやおばあちゃん、おじさんやおばさんなどの親戚でも良いかもしれません。

 小学2年の娘が選んだのは、ししとう。でも本人はあまり食べれないので、私(ママ)がししとうを買い取る話をすると、「それだったら、美味しく育てられる方法を調べなきゃ!」「どうやったら実がなるんだろう?」と反応してくれました。

■ Step4:最終的な利益を足し算、引き算してみよう

 野菜はバラバラとできるので、全部でいくつ収穫できたのかは記録をしておきましょう。そして、全てが実ったら野菜を買った代金としてお金を払います。忘れてはいけないのは、始めに借りた382円。

 収穫できた野菜の数に、自分で決めた値段をかけ、土・肥料・苗代の382円を引くと…最終的な利益になります。このようにして、382円を元手に子どもが野菜を育てると、どれだけお金を増やすことができるのか? を知ることができます。

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 2年生になると、足し算や引き算がある程度できるようになりますが、かけ算は難しいので、電卓を使うなどして親子で計算してみてくださいね。2年生以上で、家庭菜園をされているご家庭があれば、お店に並べるための費用はどのくらいだろう? お店に運ぶまでのトラックの費用はどのくらいかな? などサプライチェーンも想像できると思います。

 お金儲けについて子どもに教えるなんて…!という声もあがるかもしれません。でも、ここで一番子どもたちに知ってほしいことは、目の前にあるものは誰かが作ったものであること。そして、買ったお金がその生産者に届くこと。一生懸命育てる野菜をきっかけに、そんな想像ができるようになってほしいです。

 ちなみに、娘のししとうは実ったばかりなので、これからどうなるのか見守っていきます。

 1年生には、アサガオを使った同様の経済学習もできます!

 フィナンシェの会では、「お金がどこからきて、どこへ行くのか」という流れを意識した金融教育を目指しています。他にも、日常生活で子どもとお金のことを学べるさまざまなアイディアをご紹介しています。宜しければ他のアイディアもぜひご覧ください。



たくさんの家庭や子どもたちに届けるため、可愛いイラストを使ったお金の紙芝居、海外事例の翻訳など、さまざまなコンテンツを作っていきたいと考えています!