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【お金の絵本#26】ポリぶくろ、1まい、すてた

 お金について子どもに教えたいけれど、時間もないし、どうやって教えれば良いか分からない、という方でも家庭ですぐにできる「絵本の読み聞かせ」。お金に関連する絵本をフィナンシェの会では紹介しています。
 今回のテーマは「ビジネスで課題を解決する力を」です。

ご紹介する絵本はこちら。
「ポリぶくろ、1まい、すてた」
ミランダ・ポール作
エリザベス・ズーノン絵
藤田 千枝訳
出版社:さ・え・ら書房

 お子さんだけではなく、ぜひ大人がお子さんに読み聞かせしてほしい1冊です!!

 2020年青少年読書感想文全国コンクール課題図書になったのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。フィナンシェの会で伝えたいコンセプトがここに凝縮されていると感じる絵本です。

(1)ポリ袋がもたらす環境問題を分かりやすく表現している
 まず何といっても目を引くのが、特徴的な絵。実際のプラスチックを使った表現、日本の絵本にはないような独特な色彩・・・。そして、ポリぶくろがザンビアにある村でどのような環境問題を引き起こしていたのか、それはなぜなのか?が分かりやすくストーリーに落とし込まれています。4才の娘でも、問題の深刻さに共感できた様子でした。

(2)アイディア次第で、ゴミからお金を生み出すこともできる
 
そして、このポリぶくろ問題をなんとかしないと、と立ち上がった主人公。なんと、捨てられているポリぶくろを拾い、1枚1枚洗い、商品を作り出します。それを買う人が増えて…。始めはみんなに笑われないように暗闇の中での取り組みでしたが、徐々に活動の成果が出てきます。
 世界中で問題となっているプラスチック問題をどう解決するか? 幼いころからその実例に触れることで、社会人になったときにビジネスを通して解決できないか、という発想になりやすくなるのではないか、と思います。

 どうやってポリぶくろからプロダクトを編み出すのか、を説明した動画も出ています。プラスチックごみに悩む地域も、このような動きができるのだろうか、と大人も考えさせられます。

(3)課題を勇気とビジネスを通して解決した実話
 
なんといっても、立ち上がった女性アイサトは実在の人物。1998年に始められた活動だそうで、その後村の住民にプラスチック問題やフェアトレードに関しての教育も力を入れていったそうです。
 なお、この物語が始まった国、ザンビアを始めとするアフリカの国々は、現在ポリ袋を禁止しているそう(「プラスチックを取り巻く国内外の状況」参照)。

 日本も徐々に脱プラの動きが加速しそうですが、ひとつの国では取り組めない海洋プラスチック問題をどうするか? 「ポリぶくろ、1まい、すてた」の絵本を読み、これらの社会課題を自身がどう解決できるか考えられる力を子どもたちには身に付けていってほしいです。

英語ではありますが、YouTubeでも公開されています(作者のミランダ・ポールさんのYouTube)。


■ 読みながら子どもと話そう

 読んだ後、お子さまにこんな質問をしてみてはいかがでしょうか?
・自分だったら、道端に捨てられたポリ袋、どうする?
・プラスチックから生まれ変わったモノ、何か知ってる?
・身の回りにある「変わってほしいコト」は?自分ができることは?

 社会起業家の方々を紹介するような絵本、これからもどんどん増えていってほしいなと思います!

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 フィナンシェの会では、子どもと一緒にお金を学べる絵本をご紹介しています。過去に紹介した絵本はリンクからまとめてご覧いただけます。noteのフォローも宜しければぜひ ♪

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