【日記】お菓子配りおにいさん

朝目が覚めると、顔に赤いポッチができていた。

これは例の、ニキビなるものだろうか。
ニキビには尋常性ざ瘡という異名があるのだが、これが顔に吹き出たときは尋常じゃないくらい気分が落ち込む。
落ち込むのは気分じゃなくて、周りからの清潔感溢れる男の子というイメージのほうだろうか。

そう物思いに耽りなから茶色い落ち葉が目立つ道を行き、大学へ到着した。
そして一旦小休止するために、教室へ向かった。

自分の席に座ると、お金配りおじさんならぬ、お菓子配りお兄さんのような友人が、子供に接するようなキラキラとした雰囲気と優しい声を掛けて、個包装された外国製のチョコレートを渡してくれた。

とても気の良いやつで、私的には好きなのだが、人の気を惹くためにお菓子を渡してると噂されているようで、誘拐犯というあだ名がついている。
つまり、バレンタインデーにチョコを渡す奴らも、誘拐犯ということになるではないか。

約8時間もの実習に励み、帰路につくと、昼ごはんを食べてないことに気づいた。
17時という中途半端な時間に食べてしまうと、いつも夜更かしするタイミングでお腹が減ってしまう。
そのため、軽食を買おうとコンビニへ向かった。
だが、コンビニまでの道中にて、無駄なお金を使うということに抵抗感がある私は、もっと遅い時間の夕食まで、食欲に耐えることを決意した。
おやおや、ポケットを探るとチョコレートがあるではないか。

そうして、道中にてチョコレートを食べたのが原因だったのかもしれない。
次の日にはニキビが2個に分裂していた。


頼む。誘拐するならニキビを誘拐してくれ。

そう胸の内で呟き、迷わず白くなった片方のニキビをプチュンッと潰した。

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