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着るあつし 脱ぐさむしなり 秋女

 前回の終わりは「きる」だったので、始まりは「きる」。

 今日は、午前中は寒いと感じるくらい涼しかったけれど、昼過ぎから陽が照ってきた。でも、ちょっと暑いなと上に羽織っていたものを脱ぐと、以外と空気に冷たさがあって、今度はちょっと寒い。それでまた着ると、やっぱりちょっと暑い。そして、脱いだり、着たり……。
そのことに、ああ、何だかんだ言っても、やっぱり秋だなぁ~と実感した。同時に思う。
(なんか、更年期の女性みたい……)

秋に限らず季節の変わり目というのは、寒暖の差が一日のうちでも大きいことがあって、着る衣服の調節に悩むことが多い。不安定な気候に振り回されて暑いんだか寒いんだか、人間の方も判断が不安定になって、わけがわからなくなる。
 更年期あたりのお年頃を「思秋期」というが、夏から冬の過渡期にある「」という言葉が使われていることにすごく納得する。
 これが冬から夏に向かうだと、文字どおり「思春期」だ。このお年頃もやっぱり、心も体も不安定である。
 本当に言い得て妙だ。この言葉を生んだ人は、すごいと思う。

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