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エッセイ:二次元ロリキャラと「絆」が欲しい。

 先日、小学5年生の女の子の世話をすることになった。
 家柄も良く、顔立ちも整っており、三次元の子供にはそこまで興味が無い僕でも素直に「可愛いなぁ」と思っていた。
 僕が普段見てる深夜アニメに出てくるロリキャラは基本的に聞き分けの良い子が多いけど、現実世界の女子小学生はうるさくてイライラしたのですが。時折見せる屈託の無い笑顔にはドキッとさせられることがあり。子供嫌いの僕でも絆されてしまいそうだった。

 さて、僕が「可愛いなぁ」と思ったのには理由があって。ちょうど10歳の女の子ということで、アニメ「ブラックブレット」の藍原延寿を連想していたからだった。

そういえばこの子もやかましいタイプだったなぁ……。

 僕の最終学歴は偏差値40の馬鹿高卒だけど、二次元美少女に関しては脳内は階層フォルダみたいに整っていて。

・「母親になって欲しい(共依存したい)キャラ」
・「可愛いからただ画面を眺めていたいキャラ」
・「ギャグ枠として面白かったキャラ」
・「ストーカーをしてみたいキャラ」
・「僕が女の子に変身した場合なりたいキャラ」
・「百合」

 ……とこんな感じで分かれているのですが。

 この子に関しては「かわいそうなキャラ」に分類されており。画面の前で大泣きしてしまったことがある。

 僕はあまり他人に対して同情しないし、介護の仕事をしていた時、認知症のジジイが死んでも「作業が減るからいいか」位の感覚だった。

 それでも、延寿ちゃんだけは幸せになってほしいし、そうならなきゃいけない気がしていた。
 未知のウィルスに侵されていて、今にも死に掛けている……寿命が残り少ないのに健気に戦っている、美しい少女……。

 普段なら、「ヒロインが可哀想なだけの作品」はあまり好まないのだけど。何故だか僕の中にある、ごく僅かな父性(あるいは母性)が刺激される。ここまで入れ込む理由の一つに、おそらく、僕は精神病で苦しんだ期間が長過ぎて。か弱い存在を守りたい……というよりも。「美しい魂を持った美少女」との「絆」が欲しかったんじゃないのか? と考えていた。

 現実の人間に対して絶望してしまい、目の前のもの全てがゴミに見えて、潔癖症を患ってしまい。1日22錠の精神安定剤に依存、365回以上のリストカット、自殺未遂までやったことがあるから、物理的な地位やカネに執着が無くなり。代わりに異性からの寵愛が欲しいと願うようになっていた。

 か弱くも、美しい精神性を持った美少女。そういった上位存在と交わることで空虚な人生に意味を持たせたい……。まあ、突き詰めてみれば自己満足のエゴでしか無いし、「『絆』とか馬鹿じゃねえの?」と思うのだけど、正直に言って、他に欲しいものが思い付かない。

 前述した女子小学生と「絆」を結ぶことが出来るのなら、僕は一線を超えてしまうのかもしれない。そこに精神的な救いがあるのなら……。

 ……とは言いつつ、結局、そんな理想的な異性なんて、架空の存在でしかあり得ないんだよなと現実に戻った。早く死にてえなあ。

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