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大失敗!男子の面と竹刀で試合出ちゃった #女子剣道

 今日は、中学校最後と称して剣道部の部内戦がありました。最後だから絶対に勝ちたい!と思い、前日までに作戦を練っていましたが・・・

 個人戦。6番目だと思っていたので、2番目の人が試合を始めたら面をつけようと思っていた。防具置き場にある水筒を飲んで、道場に戻って来た時、1番手前に自分の面があった。さっき、端っこのその辺に面を置いたから、それが自分の面だと分かり、その面の前に座った。

 面の前に座って、面に入れていた面タオルを手に取った時、ふんわりとした感触があった。面タオルが、帽子の形から崩れていた(私は、帽子の形にしてから面タオルを頭にかぶる、という方法で面タオルをつけている)。
 さっき、面タオル、帽子状にしたままにしていたけれどな、とは思ったが、普通に、ほどけちゃったんだなと思ってそのまま、帽子型を作り直すことにした。
 帽子にしようと思って面タオルを畳んだりしながら、見た目に、違和感を感じた。

 面タオルをかぶり終えた後、マスクを外すか悩んだ。私は今まで、マスクを外して試合をしたことがない。だが、さっきアップをした時、最後の方は、息をした時マスクのせいで息苦しくなった。だから、マスクのせいで試合がうまくいかなくなったら、ということを心配した。

 かなり悩んだが、最後の試合だし、と思って、マスクを外すことにした。マスクを垂れネームの中にしまい、面を手に取ろうとしたその時だった。
「試合だよ」
 顧問の先生が私を呼んだ。どうやら私は、順番を間違えていたようで、本当は、3番だったようなのだ。

 私は焦って面をつけた。面をつけると、面シールドが見えた。その時、その面シールドにも違和感を感じた。だが、気にしないことにして面紐をつけた。

 立ち上がって試合場に向かいながら、少し顎の方が緩いように感じた。マスクを外すと、マスクの厚さがなくなるから、少し緩くなるんだな、と思った。さらに、少し、知らない香りも感じた。マスクを外すと、面って、こんなにおいがするんだな、と思った。

 試合は、びっくりするほど、後輩が強くなってて、二本負けした。作戦通りに動いてみたが、作戦失敗であった。でも、なんだか、ショックじゃなかったかと言えば違うが、とてもショックだったかと言えば、そうでもなかった。

 得点表を見て、次の順番を確認すると、次は違う子の試合が1回あってその次だった。

 私は試合場の近くで立って、次の試合を待っていた。その時、ふと、私は竹刀を見た。その時である。

 あれ、この模様・・・

 なんと、私の竹刀にはない模様がついていたのである。違う子のものに違いない、と気づいた。

 誰に尋ねようかと思い、近くにいた1年の男子に声をかけた。すると、それは自分のだと言った。
 その時、私は、まさか、と思った。そして尋ねた。
「もしかして、この面も?」
 すると、その男子はそうだといった。
 私はやばいことをしている、と瞬時に思った。
「じゃあ、私の面は?」
「あそこです。」
 その男子はそう言って、奥の方を指さした。
 本当はすぐに面を男子に返さなければ、と思った。だが、もうすぐに試合が来てしまう。面をつけなおしている暇などない。
「ごめん、でも、次試合だから、このまま借りるね。」
 私がそう言ってすぐだった。顧問の先生が私を呼んだ。もう、私の番になっていたのだ。
 しかし、さっき男子に教えてもらったはずなのに、私の竹刀がどこにあるか分からなかった。しかし、私は先生に呼ばれてしまっている。仕方ないので、誰かから竹刀を借りることにした。
 責めて女子、と思ったが、周りに女子がいない。
 すぐそこに、個人戦に出場しない1年の男子がいた。胴をつけている最中だった。男子だけど、仕方がない(なんでこんなに女子にこだわったのかというと、実は、剣道で使う竹刀は、男女で、重さが異なるため、公式戦で異性専用の竹刀を使うのはよろしくない)。部内戦だから、そこまで厳しくないだろうとして、私はその子に断って、竹刀を借りた。

 それで試合は始まったが、試合に集中したいのに、今、違う子の面をつけているのだと思うと集中ができなかった。

 試合が終わり、私は竹刀を返し、面を外して面の持ち主に謝った。私は立ち上がり、面タオルだけ持って立ち去ろうとした。しかし、その時、面タオルは私のならなぜ面は違う子のってことになる? と思った瞬間、
「この面タオルも」
 後輩はそうだと言った。面タオルもその男子のものだった。その男子の面タオルは、今日、私がつけていた面タオルと全く同じものだったのだ。
「今日、同じのつけてたから間違えたんだ。」
 そのことに気づいた。

 そして、さらに申し訳ないことが起こった。まさかの、その後すぐにその男子の試合だったのである。私のせいで、その子が面付に遅れてしまうことになってしまった。先生がその子の名前を呼ぶ。その前にいたタイマー係の2年がその子の方を向いて言ったので、私はそのタイマーの子に、「私のせいなので」と言いに行った。するとその子は、「大丈夫ですよ」と言ってくれた。

 その後はもう、そのことについて考えるしかなかった。本当なら、後輩に二本負けして勝ち上がれなかったのだから、それを悔やんでいたはずだ。だが、それ以上に大きなことをやらかしてしまっている。ただ、そのおかげで試合で負けたことに多大なショックを受けることはなく済んだ。

 それにしても、相手が何よりも気分を悪くしているに違いないである。さっきまで女子の2つ上の先輩がつけていた面を試合で使うはめになっているのだ。その上、タイミングもタイミングだが、私は今回、初めてマスクを外して試合に出た。すなわち相手からしたら、もしかしたら先輩の飛沫が面シールド(面の口の前につける、飛沫の飛散を防ぐためのもの)についていたら、という心配も出てくるに違いない。なんなら、私のせいで、試合に集中できないかもしれないのだ。どう考えても申し訳ないことである。

 大会が終わった後、防具を外しながら、その男子にもう一度謝った。その男子は快い返事をしてくれた。そして、卒業を寂しがってくれた。良い後輩だった。

 まとめよう。私は今日、中学校での部活の締めとなる日に、男子の竹刀と面と小手で初めて試合に出るという、申し訳なく、それでいてなかなかないことをしでかした。というか、試合どころか、稽古でもこんなことは今までなかったと思う。まあ、失敗も良い経験になるわけだが、それは、今日じゃない日に起こってほしかったである。というか、日に関係なく、起こってほしくなかった。

 絶対にこんなことはもう起こしたくない。面をつけるときは、ちゃんと、小手についている名前を確認してからにするようにしよう。

 ちなみに、個人戦の後の団体戦は、もう怖くなって、マスクを外して試合はしなかった。自分の面なら問題はない、ということは承知していながら。

 補足で、個人戦で男子の竹刀を使って試合をしたが、あまり違和感はなかった。でも、その後の試合で自分の防具をつけて試合をしたが、やっぱり、自分の防具で試合をした方が、しっくりくるようである。

 間違って面をつけてしまってごめんなさい!


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