プロスポーツに対する「異様な肩入れ」

現在野球が世界大会で矢鱈盛り上がっている現状です。それに対してどこかの芸人が「野球ハラスメント」と言って「興味が無いことを許さない扱いをする」ことを問題視する発言をしていました。その上で抜かした「早く負けてしまえばいい」に関しては自分は言い過ぎと断じますが、一方で「興味ないことを許さない扱いをする」こと自体は自分も迷惑な話だと思っています。

子供の頃よりスポーツ観戦の良さが全く分かりませんでした。幼少期に周囲の友人から「野球どこの球団が好き?」と訊かれ答えに窮した場面が多々ありました。正直自分にとってはどの球団も同じようなものでした。今ではネットミームにもなっている「全部同じじゃないですか」の画像がそのまま出てくる状態でした。Jリーグが発足して年数と共に話題性が増えてくると、抱いた感想は「なんかまた野球みたいなのが増えた」でした。球団どころか競技種目の違いすら自分には大したものには見えなかったのです。

中学の時に部活で剣道を始め、ある時「練習の一環」という名目で高段者の試合を学校のモニターで見ることになりました。自分にとってはあくまでも「勉強」で、額にしわを寄せ目を凝らし、技術的なものを探る感覚で見ていました。今にして思えば周りの同級生たちはそんな難しいことは無く楽しんで見ていたのかもしれません。

ただ、感覚的にはあくまでも「観戦」の良さがわからないだけだとも思っています。部活の剣道や授業のサッカーや野球等はそれなりに楽しめていました。また、こんな兄の元に生まれた弟は何の因果か野球少年であったため、野球のゲームに登場する野球から一本離れたミニゲームから、そのゲーム自体に一時的に引き込んでいました。割と容赦ないストーリーで知られる「パワポケ」シリーズで、野球そのものというよりその容赦ないストーリーに引き込まれたというのもあります。いずれにしても観戦ではないのでそれなりに楽しめていました。一方で現在プレイするゲーム「ポケモンユナイト」でも観戦モードはどうにも難しさを感じてしまいます。

結局のところゲームでもスポーツでも「自分がプレイしている」ことが自分にとって肝心なところであり、観戦は所詮「他人事」で終わりというのがここまでの自分の人生で理解したことです。

ただ、自分にとっては興味が皆無のことでも、他人が楽しんでいるところにまで行ってわざわざ踏みにじる「早く負けてしまえばいい」発言は許されなくて然るべきだと思っています。観戦に興味がない代わり自分が楽しむゲームや漫画ですが、それらが他の人が必ず興味を持つとまでは言えないものであるのと一緒なのです。繰り返しますが「ゲームや漫画と一緒」なのです。

興味がある人が楽しめばいい、興味が無い人にまで押し付ける必要は無い。スポーツであれ観戦であれそういうものの筈です。間違っても「どこの球団が日本一になれば経済が上向く」とか「オリンピックの金メダルの数でその国の発言権が変わる」とかそういったものではありません。にもかかわらず「興味が無いことをまるで異端であるかのように見る」のみならず「テレビや新聞のニュースで毎日取り上げる」のは「明らかな異常」と言わざるを得ません。テレビや新聞のニュースでスポーツと同程度にゲームや漫画を取り上げたら「異常だ」と言い出す人が出るのは間違いないと思います。自分はその逆の感覚で子供の頃からスポーツ報道を見ていたのです。

ウイルス禍で一時期プロスポーツが中断され、その代わりにアニメの人気が台頭しました。その結果「どこぞの店主が『今まで人気だったスポーツはニュースで確認できるから客の話に合わせるのは容易だった。漫画やアニメはスポーツのように話題についていくのが大変』と嘆いていた」という話が出たことがあります。店主がプロスポーツの話に一々ついていかないといけない今までが異常だったのです。本来ならばゲームや漫画と同程度の存在であると捉え方を見直して欲しいと思います。

自分も今書けるものを書くに限られている身、不勉強があるかも知れません。何かございましたら遠慮なく下のコメント欄から送っていただければと思います。日常用の趣味も交えたごった煮のツイッターの方でも構いません。忌憚なく意見をいただければと思います。

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