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あのスマイルは社会復帰へのはじめの一歩

この写真をよーく見てほしい。

道路をはさんで対面している構図

向かって左側には赤地に黄色いMのマークの看板、反対側には青色で「産婦人科」この色も対象的な構図、ここに通っていた妊婦(私)には関係が深い。

「妊娠し、つわりの時期になると無性に塩っ気の強いポテトが食べたくなることがある」

急激な体の変化に伴って欲する欲求。かつての私もそうだった。

ただかなりしっかり体重管理されていたので、検診前には控え、終わったその足で赤い看板へ直行…ということもしばしば。
2階席があり、窓も大きいこの店舗からは、病院がよく見えた。
あっちから見る日が来る時にはどんな感じかなぁ…そんなことをぼんやりと考えながらポテトを頬張った。

そして迎えた出産とはじめて通された病室。

すやすやと眠る小さい人を隣に、奥にある縦に細長い小窓から外を見た。
憧れだったその景色をやっと見られたのに、出てきたのは思っていたのとは違う感情だった。

「つい数時間前までは気軽にあっち側に行けたのにな…」

それは急に世界が閉じられていく感覚だった。

ここから新生児と夫との3人、“毎日が初めて”の日々が始まった。

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それから半年後、試行錯誤しながら日々を過ごし、外へのお出掛けも慣れてきた頃、久々にあの通りへ。

景色は半年前とまったく同じだった。
子どもはちょうどお昼寝中。そろそろいいかな、と思い切って赤い看板へ向かった。

お店に入ると、ファストフード店特有の匂い、ティロリ音、店員さんのスマイル。久しぶりの店内は自分もちゃんと社会の一員であった感覚を蘇らせてくれた。

今は塩っ気の強いポテトよりもスイーツ。
渡されたお皿には、チョコペンでかわいい絵も描いてあった。

席に着き、ひと口食べると…

「あぁ、戻ってきた…」

閉ざされたように感じたあの日から、こちら側の世界に戻ったこの日。
この時間を持つまでには少し時間はかかるけど、必ずその日は来ます。
それまではぜひ、”いま”しか感じられない感覚を大切にしてほしい。

実際のMcCafeで出してもらったカプチーノとブラウニー

最後に…

今月は子どもの誕生月。春はいろんな気持ちが思い起こされます。
また、この記事はあくまで個人の感じた感想です。出てくる建物や病院に対する意見ではないことをご承知ください。

お読みいただきありがとうございました🌞


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