プチ丸

会社の敷地の猫の保護活動したら、とんだことになりました。大人猫、仔猫を含めて20匹。正…

プチ丸

会社の敷地の猫の保護活動したら、とんだことになりました。大人猫、仔猫を含めて20匹。正直辛かったけど、でも猫も犬も好きだから仕方ないね。とことん気ままな一人暮らしですぅ(^^)

最近の記事

保護猫クリクリの忠心

クリクリはハチ割れの、黒のブチが愛らしい雌猫である。私が実家に戻ることになった時に一緒に連れて帰った。実家の先住猫モモはそれが気に入らずクリクリをいつも嫌っていた。  ある日、リビングで映画を観ていた私は、突如として感情がコントロール出来なくなった。映画のストーリーと自分の人生が重なって辛くなったのだ。 涙がとめどもなく流れ落ちる。その上この時は不覚にも嗚咽も混ざっていた。  モモはあまりの泣き声に目を丸くして、固まっている。するといつもはモモの顔色を気にしてばかりのクリ

    • 保護猫モモの忠心

       ジョウビタキは美しい鳥だ。勿論オスに限ったことだがオレンジ色の胸元がひときわ目を引く。  もう随分前の事、その日私は普段怠けている掃除をするために窓を開けた。すると庭の葉が落ちた木の枝にジョウビタキのオスが止まっていた。素直にその美しさに感嘆する。「綺麗!」思わず大きい声が出てしまった。この偶然は私を幸せにした。ジョウビタキは声に驚き、そのまま飛んで行ってしまった。  さて翌日、今日の天気を確認するべくカーテンの隙間から外を覗く。「えっ」私は違和感を覚えて、もう一度外を

      • 保護猫ミーの場合

         保護したミーは正当派の野良猫だ。ブルーの目にほぼ白の身体なので魅力的な雌猫である。勿論、かわいい仔猫をたくさん産んできた。  しかし性格が悪い。オンナを張って生きてきているから、オス猫の威厳を借りて、弱い猫や新入り猫等は勿論、追い払う。 自分の仔が大きくなって、気に入らないと追い払う。自分に従順な猫は側にはべらす。そして人間には上手に媚びを売る。  そんなミーだが、会社の敷地の猫が増えすぎたのをきっかけに捕獲することにした。 勿論、避妊をするのだ。会社の猫好きな大工が寂

        • 保護猫つーちゃんの場合

           保護猫の翼ちゃん(通称つーちゃん)は風邪をひいて注射を打つことになった。すると翌日から体が不自由になってしまった。    勿論、原因はわからない。頭をジッとさせることも出来ないつーちゃんを前に私は声をあげて泣いた。風邪を治してあげたかっただけなのにこんな体にして申し訳なくて、ごめんごめんと声を出して泣いた。  ひどく頭を揺らしながらも必死にご飯を食べるつーちゃんに「頑張ってる!頑張ってる!」と声を掛け、少しでも体が動くようにと翼ちゃんと名前を付けた。    1カ月を過ぎる

        保護猫クリクリの忠心

          朝の保護猫ルーティン

          私の朝は猫の痛すぎる甘噛みで始まる。耳を朝ごはん欲しさに噛んで私を起こすのだ。ミーコわかったからと毛布をもう一度頭からかぶって耳まで被せる。ミーコが悲しげな声で鳴く。もう少し寝たくて反対の壁を向くと又猫が鳴く。  ターちゃんだ。オスのくせに可愛い声がでる。仕方がない。私は布団を勢いよく跳ね飛ばして起きる事にする。まずトイレに行かせてよ、足元に絡んでくるターちゃんを蹴る様にトイレへと急ぐ。追い立てられるように手を洗うと猫の鳴き声が一気に高くなる。ドライフードを出すとすでにターち

          朝の保護猫ルーティン

          保護猫タ―ちゃんへの手紙

           ターちゃん、あなたは8匹の中で一番甘えん坊です。そして、あなたは8匹の中で一番狂暴です。そうです、あなたは8匹の中で一番、理不尽な存在です。     思えば熊本震災の翌日、倉庫の床下から必死に鳴くあなたを床板を外して助け出し、ホームセンターの臨時店舗で無理を言って、哺乳瓶と粉ミルクを手に入れ、必死の思いで育てました。  どこで育て方を間違ったのでしょうか。貴方は立派なDVオス猫として飼い主の私の権限を凌駕しています。先日もあなたが妹分のプチ丸を脅すので、私はやめてと大

          保護猫タ―ちゃんへの手紙

          光ちゃんは眼が見えなくなった2⃣

           以外にも光ちゃんはフットワークが軽かった。おトイレの場所も仔猫用に仮置きした場所で覚えていて、阻喪もしない。光ちゃんたちのいる部屋のキッチン(普段のキッチンは別の場所、普段から使わない)のカウンターに目が見えている時からのって、いたずらをしていた。だから、カウンターからお皿やティッシュの箱を落としたのが眼の見えない彼の仕業とわかった時、彼が彼なりに生活を楽しめる素養がある事を知って嬉しかった。  ある時は162センチある私ぐらいのケージの屋根上に光ちゃんが寝ていた。器用に

          光ちゃんは眼が見えなくなった2⃣

          光ちゃんは眼が見えなくなった1⃣

           保護猫の光ちゃんは、なかなか風邪が治らなかった3匹のうちの1匹だ。何度も病院へと通い、薬も何度も飲ませ、何度も注射を打った。熱の高さに入院をさせたりもした。だけど、そのうちに光ちゃんだけが目が飛び出してきた。先生に聞いてみたがそれらしいアドバイスがなかったので、無知な事にそのうちに眼の腫れは引くのだろうと考えていた。  その症状をNPO法人のBさんに何気なく相談したところ、血相を変え、光ちゃんを見るなり、すぐに手術しないと死んじゃうよ!と私を叱った。あたふたとする私を置い

          光ちゃんは眼が見えなくなった1⃣

          本当のしあわせ

           トライアルが決まった保護猫Aちゃん、Bちゃん。早速、私とNPO法人の方と彼女たちを連れてお宅へ伺った。広いリビングには床暖が入っていてほっとする温かさだ。AちゃんもBちゃんは、いつもと違う雰囲気にキャリーケースの中で固まっている。大丈夫、大丈夫、呪文のように話しかけ、リビングに用意してあった大きなケージに注意深く彼女らを入れる。  新しいケージに移された彼女たちは、明らかにパニックを起こして上下にに動き続ける。しばらくして落ち着いたのは、ケージの隅の狭いスペース。2匹で身

          本当のしあわせ

          幸運は猫の手に!

           今日の譲渡会の会場は広い。葬祭場の方が猫の保護活動に理解があって利用を許してくれたのだ。勿論、私も設営から手伝う。床が汚れないようにビニールシートを敷き詰め、ガムテープで固定。猫の入るケージを指示されたとおりに配置してから、その中にトイレ用容器、餌用水用容器を1セットにしていれていく。 すべての容器に必要なものを入れたら、用意完了!明日の譲渡会、1匹でもいいから、うちの猫じゃなくてもいいから、幸せを掴んで欲しい。   当日、まだ小さく愛らしいグレーの毛並みをもつ仔猫が大

          幸運は猫の手に!

          たとえ片目が見えなくても!

           ある日の午後、私はファミレスで知人に猫の話を聞いて貰っていた。保険の外交員の彼女とは特に親しいわけではないが、心配が絶えない毎日に私は疲れが溜まっていたのだ。私は、最初は保護した猫が20匹だったこと、結局仔猫が10匹弱残っている事、そのうち2匹は片目が見えない事等を問わず語りに話していた。 すると彼女が、「片目が見えなくて譲渡できないなんて可哀想!」というとその仔の写真をどこかへ送る。親切にも、いろんな人にこの仔猫の事をアナウンスしてくれるんだと、それだけでも有難く、嬉し

          たとえ片目が見えなくても!

          Cちゃんの幸運

           譲渡会にも勿論、参加費が必要だ。私は毎回3匹は連れてくるので地味に財布に響く。ある日の譲渡会の会場には里親さんになりたい参加者さんが少なく今日連れてきたAちゃん、Bちゃん、Cちゃんも里親さんに出会えないのかと、私はぐったりしていた。すると、偶然通りがかったという親子3人が会場に来てくれた。  見たところ双子の男子高校生と母親と思われる。会場を一回りして、Cちゃんのケージの前に止まると抱っこしていいかと尋ねてくれた。Cちゃんは私の祈りが通じて、かろうじて大人しくしている。「

          Cちゃんの幸運

          猫の保護には金が要る!

           無事にTNRが終わった大人猫は順次敷地に返していき、空になったケージに思わず笑みがこぼれる。これで朝は、5時半に起きればいいのだ。  だが、問題は続く。そう病気の仔猫達だ。最初は病院へ連れていき栄養を付けて暖かくしておけば簡単に解決すると思っていたのだが、病院で注射を打っても、お薬を必死にのませても、栄養豊富な餌をあげても熱が下がる気配がない。 来る日も来る日も、布製のキャリーバッグに3匹ほどを入れ、それを2つ右肩に下げまた左肩に下げ、要は胸の前に昭和の母よろしく、ベル

          猫の保護には金が要る!

          猫を保護しようと思ったら

           いよいよTNRが行われる日になった。人手が足りないという事で、私も有給休暇をとり動物愛護センターへ運ぶ手伝いをする事になる。保護活動にはもちろん時間もかかるがお金もかかる。 捕獲の手伝いで1匹3千円程度、TNRの手配と運搬で5千円程度をNPO法人に支払うのだ。当然の対価だが、20匹ともなると相当な金額。正直、定期預金を崩さねばならないだろう。市からの補助は団体にしか出ないのだ。だが今は無事にTNRが終わる事だけを考 えねば。こうなったら、すべての子を元気に敷地の戻したい!

          猫を保護しようと思ったら

          猫の保護には早起きを!

           全身にアドレナリンが満ちた私の目の前に仔猫の姿が見えた。今でも信じられないが、私はタイミングを見計らって手を突き出し見事に仔猫をがっちり掴んだのだ。保護する才能あると言われる。いやいや私だけならとっくに寝ている。さすがNPO法人の方々。意識が違う、執着が違うのだ!  さて、ついに目的の仔猫達も捕まえた。あのリフォームし終えた部屋を開けると捕獲器や猫のケージがところ狭しと並んでいる。私は気分が悪くなりそうだった。そう、この時、心から後悔していた。とんでもないことを思い立っ

          猫の保護には早起きを!

          仔猫の保護は難しいっ!

          いよいよ捕獲決行日となり、夕方から捕獲機の用意。まずは野良猫が普段は口にしないようなおやつやご飯を捕獲器の中に入れ、バスタオルなどで覆いカモフラージュ。後は彼らが通りそうな場所に仕掛けていく。  19時くらいになると幾つかの捕獲器からガシャガシャと音がし始め、美味しいものにつられて次々捕まる猫たち。しかし、どれも大人の猫ばかり。肝心の仔猫達は捕まらない!捕獲した大人猫が10匹は超えると、私は想定して なかった事態に血が引く思い。どこかでのんきに仔猫だけを保護できると考えてい

          仔猫の保護は難しいっ!