見出し画像

北の海から【その8.1】

先月の連休は目黒寄生虫館に行ったり、体調を崩していたりと魚を買いに行っていなかったので、色々とフラストレーションがたまっておりました。そこで、先週の中頃に久しぶりに魚を買いに行きました。ただ、寄生虫探しではなく、魚を食べたいというのが目的でした。

鯖街道を往復

市場が開いてすぐに魚を買いたいということで、京都に前入りして福井県に向かいました。いきなり余談になるのですが、今年になってから宿泊費が高くなったような気がします。昨年や一昨年は、平日であれば河原町駅近辺のビジネスホテルやカプセルホテルは3000〜4000円くらいだったのに、今では倍くらいします。ホテルに入ると日本人よりも英語や中国語を話している方の方が多かったので、むしろやっとコロナ禍前に戻ってきたということでしょうか?

宿泊したカプセルホテルの部屋です。以前は、箱の中で寝るのは棺桶だけでいいと避けていたカプセルホテルですが、最近のカプセルホテルは広くて、シャワーやトイレもカードキーで出入りするので、個人スペースが確保されているので過ごしやすいです

福井県には知り合いの大学生に車を出してもらって向かいました。某カーシェアを利用すると京都市内に一日車を停める値段で6時間車を利用できるので、彼には時々お願いしています。片道2時間程度の道のりでしたが、たわいもない話をしていたらあっという間についていました。暖かい日が続いていたので、道路状況もよく、安全に向かうことができました。

スーパーの方がいいかも?

向かった先は、「うみから」という高浜漁港に隣接した即売所です。魚だけでなく、地元の野菜やお酒なども置いてあります。サワラツバススズキがメインで置いてありましたが、魚の量が前に来た時よりも少なかったです。もしかしたら出航していた船が少なかったのかも知れません。そのため、うみからの近くにあるサニーマートという地元のスーパーがあったので、そこをのぞいてみたのですが、ここもかなり品揃えが良く、値段もお手頃でした。

https://umikara.co.jp/

税込500円で売られていたので購入したイシガキダイです。
ちょっと小ぶりなツバスです。いろんな寄生虫がいるのですが、寄生虫よりも食べたくて購入しました。700円しませんでした。
ツムブリです。日本海でみかけない魚だとおもって購入したのですが、太平洋の方でよく見られる魚のようです。
600円近くしたのですが、日本海のアジは美味しいし、寄生虫もいるので問題なしです!

寄生虫を探すための魚の解剖は、調理担当の京大生のアパートでさせてもらいました。購入した魚のラインナップを見た調理担当から「今さらアジ?」と言われましたが、日本海のアジには面白い形の寄生虫が寄生しているので、今回の調査の唯一のターゲットです。解剖したところ、エラから目当ての寄生虫が出てきたので投資した甲斐がありました。しかも、刺身ばっかりだと飽きるからということで、アジをなめろうにしてくれました。これは、ご飯のお供として最高で、当然、お酒のお供としても最高でした。

アジの寄生虫です。今回はけっこう大きなサイズの単生類を得ることができました。
表紙にものせたアジのなめろうです。取り合いになったので、調理担当者が急遽余っていた刺身をなめろうに変えてくれました。関西でいう”遠慮の塊”はレディーファースト?で決着をつけました。

実は、今回の調査はサワラが食べたいと言うことから始まったのですが、先日のニュースでサワラが準絶滅危惧種に指定されたことが報道されていました。中国やロシアで乱獲されていることが原因だそうです。「今のうちに食べておこう」ではなく、「これからも食べられるようにどうするか」を考えていきたいものです。ちなみに、寄生虫も出てきたし、美味しく食べられたし、最高の魚です。

なぜがこのショットの写真しかありませんでした。

限られた時間の中で調査をしなければならないため、今回の調査はドライバー係や調理係など合計4名の学生が手伝ってくれました。役割は全員違いますが、最後に検査した魚を食べることは同じです。魚を食べながらそれぞれが、自分の行った仕事の話をしてくれるのは、楽しく、勉強になります。
この調査は、お酒を飲みながら調べた魚を食べるのを目的にしているところがあります。調査した魚を食べることは研究をする上で重要だと私は考えています。魚の美味しさは論文に書きませんが、食べることは魚を知ることになります。宿主である魚のことも知らずに寄生虫の研究をしても、薄っぺらい研究になって、誰も興味を持ってくれないのではないでしょうか?
最後の方はお酒がまわって、たわいもない話を始めるのですが、こんな話ができるということが一緒に調査ができる秘訣なのかも知れません。



この記事が参加している募集

生物がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?