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記事一覧
2月読んだものみたもの
谷川道子『ハイナーミュラーマシーン』
書籍。読書会でハイナーミュラーの戯曲を読むことになったが、実際に戯曲を読んでみてもちっとも足掛かりがなく、組み手をしてからだったらいくらでも頑張れるが組み手の組み方すらわからん……となっていたけれど、この本のおかげで糸口が掴めてきた。めちゃくちゃポストモダンな作品なので、大学くらいから大学卒業してからの間にすごく好きだったテーマかも、と思いつつ、演劇はポスト
3月読んだもの観たもの
トルストイ『アンナ・カレーニナ』中巻
小説。散髪しに行くから本一冊だけ持って!って引っ掴んできたら、まだ上巻の半分も読んでいない状態で中巻を持ってきてしまっており(ちょうど家人が家で読んでたので部屋に転がっていたのを間違えた)、しかし他に読むものもないのでまぁいっか、と思って読み始めた。
冒頭がいつも農村にいる弟リョーヴィンと労働者階級ではなくたまに農村に遊びに来る兄コズヌイシェフの話で、意外
1月読んだもの観たもの
マリオ・バルガス・ジョサ『ガルシア・マルケス論 神殺しの物語』
批評。昨年、熱い経緯で翻訳に至った寺尾先生翻訳のジョサによるマルケス批評。とてもとても面白かった。ジョサとマルケスのパンチ事件以降、ジョサがこの本の翻訳を許していなかったのが、ついに寺尾先生の働きにより翻訳に至ったというのは、寺尾先生に感謝しても仕切れない。
ジョサの、作家のオブセッションを称して言った「悪魔」の話は、漏れ聞こえて
12月読んだもの観たもの
宇野重規『民主主義とは何か』
書籍。11月の続き。
全部読むと、読む前には民主主義に対して極めてぼんやりしたイメージしかなかったのが(というか、一般市民はどのように政治参加できるのかとか、どういう役割を果たすのかがすごいのっぺりしたイメージだった)、もっと複雑で色々な可能性のあり方を考えることができた。古代ギリシアの民主主義と、現在の日本のことしか念頭になかったけれどその間の文脈を埋めてくれる
11月読んだもの観たもの
ガルシア・マルケス『愛その他の悪霊について』
小説。旦敬介さんの訳で読む。神保町の著名な訳者や研究者などが、自分でセレクトした本を売ってみる店に置いてあって、寝かせていたのを読んだ。
初めて読んだマルケスがこれだったのだが、その頃の自分にはギリギリ読めているか読めていないかのラインだったのではないかとおもう。
修道院の小部屋のイメージがすごく強く、かろうじて残っている記憶はそれと狂犬病で暴れ
10月読んだものみたもの
古事記(岩波)
書き下し文の古事記と、レ点付きの漢文の古事記が載っている。訳註に頼ってギリギリ読めるか読めないかのラインだった。町田康と角川クラシックとを参照しながら読んだ。
ある程度天皇の威光を強める方向の話もあるんだけど、なぜこの変なエピソードがここに?みたいなのもあり、日本書紀と読み比べるとそこらへんが色々違うのかもと思った。あと、研究書読んだら面白そうだった。
町田康『口訳古事記』
3月読んだもの観たもの
アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』
小説。須賀敦子訳で気になっていたので読んだ。読み心地として面白い部分もありつつ、めっちゃ最高?と聞かれると、うーん、となる部分もあり。
カラクリみたいなものはあまり面白がれなくて、どちらかといえばその傾向の作家じゃないかなという感じがしたのでしばらく読まない感じがする。
山本直樹『RED』1〜4巻
漫画。連合赤軍の山岳ベース事件から浅間山荘に至るまでの話。東
2月読んだもの観たもの
エドゥアルド・メンドサ『グルブ消息不明』
小説。チューロ食べ過ぎ宇宙人ちゃんだった。ラブレターがおもしろい。ひひ。
(たぶんでもこれは、リアルタイムでバルセロナに住んで読んでたらめちゃくちゃ面白いのだと思う)
滝口悠生『長い一日』
小説。エッセイから小説に滑り込んでいく瞬間がよくわかる。小説に滑り込んでいくと、夫と妻、とその名が呼称されるようになり、三人称で神の視点での語りになるのだが、しかし夫
9月読んだもの観たもの
カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの幼女』
小説。『スローターハウス5』の後に読んで、ヴォネガットの持つ決定論的な感覚は他の作品にも共通している感覚なのだというのがわかり、これが作家の中心的なテーマで、作品としていろんなバリエーションで描かれているのは、かなり気になる、と思った。決定論を描き続けるニヒリスティックな面がありつつ、眼差しは温かいタイプだと感じているので、それが物語としてどんなふ
8月観たもの読んだもの
『スパイダーマン:スパイダーバース』
映画。アニメーションとしてとてもいいと聞いたので、マーベルそんなだけど観るか〜〜と観た。
スパイダーマンって、能力がほとんどなくて、ほぼ普通の人間なのがポイントなのだな、と思った。
アニメーションはめちゃくちゃいい。スパイダーマンの動きと3Dアニメは相性が良さそう(実際のところ作ってて相性いい〜と思ってるのかはわからない…)。
脅威の部屋
ドラマ。1話目だけ
7月観たもの読んだもの
ケリー・ライカート『オールドジョイ』
映画。すごくいい。
キャスティングの妙。と思いながら二人の顔を見続ける。始まり方の、電話や会話からかなり良くて、会話の楽しさと音の楽しさに牽引される。ヨラテンゴの音楽がめちゃくちゃよかった。
朝食の電話のシーンと温泉の一部始終が印象的でいいシーンだった。
『須賀敦子全集2巻』
エッセイ。ずっとのろのろ時間をかけて読んでいる。
気が向いたら手に取るのを繰り返し
6月観たもの読んだもの
MCR『死んだら流石に愛しく思え』
演劇。友達の出演していた演劇。グレープフルーツが黒い袋に入っているの、重みの具合とかがゾッとしてよかった。爽やかな匂い。
『怪物』
映画。あんまりだったな〜〜う〜〜んだった。
坂本裕二の作品の好きなところは軽さと重さのバランスで、是枝監督の良いところはシリアスさと厳しさと思うけど、それが噛み合わなかった(いつ恋の鍋シーンのシリアスさと是枝監督のシリアスさって違
5月観たもの読んだもの
『地獄の黙示録』
映画。確かにスッゲェ映画だ〜〜とは思ったけど、好きかを問われるとそうでもない映画だった。
ファイナルカット版を観たのでそれもあるかも。後半がテンポも悪いしあまり機能していなかったように感じていて前半の方が面白かった。
フランス人のくだり、必要なかったかもねという話をしていたけれど、封切りの際にはなかったらしいので、やはりね、という話を家人とした。
『パンチドランク・ラブ』
映画
4月読んだもの観たもの
川上未映子村上春樹『みみずくは黄昏に飛びたつ』
インタビュー。読んでいると、むむむむ書く……!!!となる。なんとなく、一人でものを考える時間が足りないかも、という気になるのと、書きたいが今はもう少し読むことのほうが必要という感覚があるので4月はたくさん本を読みたいな。
あと、かなり川上未映子の気合が入ってていい。すごい気負って準備してきているのだろうなという感じがして、村上春樹とのトーンは全然違う