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<映画感想>窮鼠はチーズの夢を見るを観て正直、、、

どうも、

ノミが白昼夢をみた、です。

Amazonプライムで行定勲監督の『窮鼠はチーズの夢を見る』を観ました。

正直、これはずっと観ないようにしていた作品です。

というのも、『性の劇薬』の絶望以来、BL映画は観ないと決めていたからです。

今回の作品は去年から映画化の話を知って、原作を知っていたので、

『性の劇薬』同様、セックスまみれで酷い演技が出てくると思っていました。

つまり、自分の中のBL映画への偏見が凄ったです。

たまたま気分が向いたので、Amazonプライムの画像をタッチし、

映画は観ないけど他の人のコメントだけチェックしようと思い見たら、

意外と評価が悪くない。

もう一歩進んで今度はコメントを読んでみようと思ったら、

これまた絶賛されている。

絶対に良くないだろうと思っていた自分と現実の差があまりにもすごかったので、

朝の6時なのにも関わらず寝ずにそのまま2時間かかるこの映画を再生しました。

感想は、こんなBL映画観たことない、です。

BL漫画はちゃんと映画になれる。

BL映画を観ているというより、すごく良い映画を観ているという感覚です。

映画のスタイルがとにかく目立ちました。

全てが綺麗。

BL映画でいつもガッカリするセックスシーンも情熱的だけど、

泥沼感というよりはシークな感じ。

観ていて居心地が悪くなることは一切なかったです。

むしろどう演出するのかが気になってシーンに吸い込まれる感じでした。

この海のシーンなんて(ここでは色がはっきり見えませんが)美しい意外言葉が見つかりません。

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この車に腰をかけ、海を見つめているシーンだったり、全体のシークな感じを見ていて思い出すのがトム・フォードの『A Single Man』(2009年)です。

この映画もまた恐ろしく美しい映画です。

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美しい男、美しい女、そして美しい家が登場する、これまたについて深く考えている映画です。

トム・フォードの映画は目の保養ですね。

さて、窮鼠に戻ると、

この泥沼感のなさが原作との良い差だと思います。

漫画ではもっと激しいセックスシーンが多く、そこが良いのですが、

漫画のスタイルをそのまま映画に移植すると『性の劇薬』のような感じになるのかも。

だから今回の作品は激しい性描写は圧倒的に少ないです。

しかし、それでいても飽きないです。

ストーリーや演技といった他の部分が絶妙に良いコンビネーションを保っていて、穴埋めをしっかりしてくれています。

なので満足感は期待できます。

何でもかんでも台詞で言うのではなく、観客に予測するように仕向けるカットがされていて、ストーリーと完璧にマッチしている。

演者では、大倉忠義が超絶予想外でした!

正直、映画を避けていた理由の一つに彼が主演だというのがありました。

彼の作品をあんまり知らなくて、バラエティの姿しか想像できなかったので、

やらかしてしまうのではないだろうかと怖くて、観れませんでした。

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がしかし!映画の中で一番輝いているのは紛れもなく彼です。

映画ではクールにしすぎて、死ぬ寸前みたいな顔しているんですけど、

あのどんよりした暗い感じの演技がもうパーフェクトでした。

そうやって暗くて静かだから、時々見せる笑顔やジョークが印象的になる。

彼の演技力をなめていました。

綺麗なキャラクター、お洒落な部屋、おしゃれなレストラン、

総合的にみて『窮鼠はチーズの夢を見る』はクールトーンで綺麗な映画だなと思えます。

今の時点での個人的なBL映画ランキング1位です。

気になるけど、いろんな理由があって躊躇している方は、

今すぐ再生ボタンで正解だと思います。

そして、この映画と似たような作品を探している方には是非『A Single Man』をおすすめしたいです!






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