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農とヒトの未来

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ヒトはなにを食べることになるのか
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“E”の問題

“E”の問題

■■漠然とした不安「このままでは地球は長くは保たないのではないか–」。

この警告はすでに50年も前に発せられていた。1972年に出されたローマクラブの「成長の限界」という研究報告には、地球の許容量に比べて今の文明があまりに多くの課題を抱えていることが既に指摘されていた。それから半世紀近く経ったが、地球が抱える問題は一向に解決しそうにない。20世紀には私たちはまだ解決すべき問題が何かが見えていた。

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グローバリズムから「インターローカリズム」へ

グローバリズムから「インターローカリズム」へ

2020年1月より世界中に拡散したといわれる新型コロナウイルスと、それに端を発するパンデミック現象は、半年経った今でも世界中を席巻している。この新型コロナウイルスという存在そのものや、その危険性についてはまだよく分かっていない部分も多い。その中でWHO(世界保健機関)によって早々と出されたパンデミック宣言や、世界各地で都市封鎖が行われたことで様々な影響が現れている。

果たしてこの封鎖を行う必要が

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シュタイナー「健康と食事」より

シュタイナー「健康と食事」より

19世紀の哲学者フォイエルバッハは「人間は食べるところのものである」と述べた。
人間が生命活動を維持するためには、「蛋白質」、「炭水化物」、「脂肪」、「塩」の4つが必要である。

◼︎塩は人間の思考ともっとも深く関係するものであり、塩が脳に達することによって我々はものを考えることができる。
人間は塩を自然の中にあるままに使用することはできない。塩は舌の上で溶けて、胃腸の中に入るが、そのまま胃腸の中

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遺伝子組み換えの輪郭01

遺伝子組み換えの輪郭01

●遺伝子組み換え作物に関する抵抗感 
 遺伝子組み換え作物に対する抵抗感はいつ頃から私たちの中に生まれて来たのだろうか。私たちの嗜好性や嫌悪感といった感情的な部分は、生理的なものだけではなく心理的な要素から来ていることが多分にある。遺伝子組み換えという概念がなかったころは、嫌悪感など生まれなかっただろう。社会的表象が生まれたときに、それに対する是非の概念も誕生する。それが引き金となり我々の感情的な

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肉と水のどちらを取るか

肉と水のどちらを取るか

⚫️穀物消費量の内訳
 個人的な食事という行為から問いかける作品「Body in Food」をバルセロナで発表した。そこで出したメッセージは我々の健康の問題から始まり、食べ過ぎるライフスタイルが世界全体に引き起こす結果について問いかけた。
 世界では現在年間に約25億トンの穀物※1が生産・消費されている。これを全世界の人口約73億人で等しく分ければ、一人当たり約340kgの穀物を手にすることができ

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農協とは2

(以下、http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12003755008.html 三橋貴明のブログより)

さて、現在は農協改革(要は農協解体)とTPP交渉が並行して進んでいる状況にあります。これは、冗談でも何でもなく、日本「国家存亡の危機」だと思うのですが、例によりマスコミがまともに報道しないため、一つ一つ、整理しながら解説したいと思います。
 まずは「

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農協とは

農業協同組合は、日本において農業者(農民又は農業を営む法人)によって組織された協同組合である。農業協同組合法に基づく法人であり、事業内容などがこの法律によって制限・規定されている。なお、全国農業協同組合中央会が組織する農協グループ(総合農協)を、愛称としてJA(Japan Agricultural Cooperativesの略)と呼ぶ。

江戸時代の天保期、農政学者・農村指導者の大原幽学が下総国香

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沼田ダーチャ

先月26日、群馬県沼田市は二地域居住セミナー「二地域居住のススメ~都会と田舎、オイシイトコだけとればいい!?~」を都内で開催した。都会人は時がゆっくりと流れる田舎暮らしに憧れがちだが、いざ生活をガラリと変え、田舎に引っ越すのは勇気が必要だ。それに比べ都会と田舎の両方に生活拠点をもつ二地域居住は、移住のハードルを下げられないかと考える人たちにとって最適なライフスタイルであると言える。

沼田市の

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植物工場

植物工場

日経ビジネスより
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140509/264241/?P=1 

5月12日号の特集「背水の農 TPPショック、5大改革で乗り越えろ」ではオランダの植物工場を現地取材し、小国ながらも世界2位を誇る農産物の輸出力について紹介した。大規模化、生産性向上、コストダウンの3つを絶えず継続しており、3月下旬には安倍晋

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アメリカの巨大農業企業

アメリカの巨大農業企業

アメリカの農業は大きく分けて5つ。
北部の小麦、歩行東部の酪農、中西部のトウモロコシと牧畜、南部の綿花。国際競争力を持つアメリカの農産物はこれらである。
アメリカの農業は日本の農業とは異なり、大規模農業と企業化が行われているため、ほとんどが巨大農業企業である。
主要企業としては「カーギル」、「アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社(ADM)」、「E.I.デュポン・アンド・カンパニー(デュポン)」、

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