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世界のエリートがこぞって学ぶ「デザイン思考」とは?

フォレスト出版編集部の山田です。

最近、ビジネスで「デザイン思考」というものがイノベーションを生み出すために必要であるとして注目を集めています。スタンフォードやハーバードなど米国MBAトップスクールでは、こぞってデザイン思考について教えられているそうです。

一方、デザイン思考は、わかりそうでなかなか分かりづらいところがあると思います。答えのない時代でイノベーションを創出するのに必要ということはなんとなくわかったけど、「一体デザイン思考って何?」と疑問に思われている方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(佐宗 邦威 著、クロスメディア・パブリッシング)からデザイン思考とは何かについてご紹介させて頂きます。

まずそもそもデザイン思考はビジネスでどのように役立つのでしょうか。これに関して、著者は以下のように述べています。

そもそもデザイン思考が実際のビジネスに役立つ場面とはどのようなものなのでしょうか?それは、既存のビジネスの枠を超えた新たな商品やサービスの開発の必要性に迫られているときや、新規事業創造やブランドの立て直しなど、0の状態から1(ときにはマイナスからの1かもしれません)をつくりださなければいけない局面です。

つまり、すでにある課題を解決する場合というよりも、そもそも課題自体がまだ明らかではない場合やその課題をどう解くのが正解なのか勝ち筋が見えていない場合に役立つようです。

では、デザイン思考とはどんなものなのでしょうか。

著者によると、まずデザイン思考には「デザインプロセス」と呼ばれるものがあるそうです。これはあるテーマにおいて、人の生活から独自のユニークな課題を発見し、創造的な切り口で解決していくためのコンセプトをつくったり、具体的な解決策を具現化したプロトタイプ(試作)をつくるための方法論のことだそうです。

デザイン思考では、なぜこのようなプロセスを実践するのかというと、「人の生活に寄り添った商品やサービスを、ゼロベースで発想する」ことが目的だからだそうです。

実際、この方法論はデザインコンサルティング会社で、未来ビジョンの策定、新規サービス開発などのコンサルティングプロジェクトに広く使われているアプローチでもあるそうです。

日本では、スタンフォードが提唱している以下の「5ステップ」が有名とのことです。

【デザイン思考の5つのステップ】
1. 共感:顧客の思いや痛みを共に感じ入るところからスタートする
2 .問題定義:顧客中心の視点から問題を設定
3 .創造:設定した問題の解決策を考える
4 .プロトタイプ:まずはいくつかプロトタイプ(試作品)の形で実行してみる
5 .テスト:プロトタイプでテストをすることで、はじめて本当の解決策に到達する

ここで注意しておきたい点として、デザイン思考ではこの5つのステップを必ずしも順番通りに進めていくものではないということです。著者いわく、デザイン思考のプロセスはステップではなく、何度も行き来を繰り返して質を上げていくものだそうです。

なぜステップ通りではなく、行き来を繰り返して進めていくのでしょうか。
これに関して、著者は以下のことを述べています。

 どこに向かうかを全員が共有していないタイミングで、チームで課題を発見し、自分たちが解決できる切り口を見つけて、解決するアイデアを具体化するプロセスは、ステップ1、ステップ2、ステップ3という形で明確には進みません。迂回しながら、試行錯誤しながら、前に進んでいく必要があるそうです。
 そのため、アプローチの仕方も、従来のMBA的なフレームワークよりも柔軟性の高いものが求められます。
 実際にプロジェクトを進めてみると、このデザインプロセスの型は、「いま自分たちが知らない何かを新しいものを暗中模索の中でつくりだすための、チームにとってのコンパス」として機能します。コンパスは、自分たちがいる位置によって指し示す方向が異なります。先が見えないチームにとって、これからどっちの方向に向かえばいいかを指示してくれるガイドのようなものです。

したがって、デザイン思考とは、答えがない中で何か新しいものを創り出す際に役立つ問題解決の方法であると言えそうです。そして、そのアプローチの特徴として、従来のようなステップを踏んで効率的に進めるものではなく、課題に柔軟に対応できるように何度も5つのステップを行き来することで、課題や解決策を次第に具現化していくというものだと考えられます。

以上、デザイン思考とはどのようなものなのかについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。本書では、実際にどのように実践していくのかについて詳しく解説されているので、もしご興味がありましたら、ご参考になさってください。


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