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フォント強化月間② サンセリフ体

こんにちは!株式会社 form and craft です。
今回も、弊社内で実施している学びのプログラム「フォームアカデミー」について記録していきます。(アカデミーの目的や今までの活動についてはこちらをご覧ください)



先日行われて好評だった書体クイズ。今週もやっていきます!

| 今回のお題はこちら(赤枠) |

ちなみに東京メトロのCIは
ビートルズの「Apple Records」や、Uberのリブランディグを手がけた
「Wolff Olins」が行ったそうですよ


今回も3チームに分かれて探したところ、各チームの解答がこちらでした。

  • Tチーム
    欧文ロゴタイプ:URW DIN Demi
    和文駅名:新ゴ R
    欧文駅名:Helvetica Regular
    路線サイン:Futura Bold

  • Yチーム
    欧文ロゴタイプ:DIN bold
    和文駅名:新ゴ M
    欧文駅名:Helvetica Regular
    路線サイン:Futura Bold

  • Pチーム
    欧文ロゴタイプ:DIN 2014 Bold
    和文駅名:A-OTF 新ゴ pro M
    欧文駅名:Helvetica Neue Regular
    路線サイン:Futura Bold


「あれ?なんか、書体の名前が微妙に違う…??」

| それでは、気になる正解は…? |

【 正解 】
欧文ロゴタイプ:DIN Bold
和文駅名:新ゴ M
欧文駅名:Helvetica Regular
路線サイン:Futura Bold

おぉ、Yチームが見事に正解ですね!
しかし、なんで同じ書体なのに、微妙に異なった複数の名前があるのでしょう?
それは、時代の進行によって書体が展開されていったから、という背景があるそうです。

めちゃくちゃ細かいところが絶妙に違う…


例えば、DINのお話。
DINは20世紀前半に登場したフォントですが、活字からデジタルに展開する際に、さまざまな鋳造所(ファウンドリ)が関わりました。
展開する際の解釈が鋳造所ごとに異なることで、細かな違いが生まれたそうです。
URW DINはアドビフォントですが、たしかにoとかeとか、かなり形が異なりますね。
骨格が違うと雰囲気も大きく変わってくると感じます。

また、HelveticaとHelvetica Neueも似たような話で
Neueの方は、元々のHelveticaをライノタイポが買い取って展開したもの。
元はフォントファミリーが少なかったようですが、実用性のためにファミリーを増やして展開したそうです。
同じデザインだけど改刻しているんですね。


| サンセリフが生まれた背景 |

最後に、今回のお題であるサンセリフが生まれた背景の解説もありました。
19世紀までは書籍の制作が主流でセリフが多く使われていましたが、時代とともに「広告とディスプレイのために少しでも大きく、太く、派手な書体を…!」ということでサンセリフが登場したそうです。

そんなサンセリフ、大きくは3つに分類されて、それぞれ特徴があります。

●グロテスク
Cのふところが閉じ気味。目立たせるためにSがかなり横に広がっています
●ヒューマニスト
Cのふところが開いている。書体の美しさも意識した、古代ローマのニュアンスを持った書体です
●ジオメトリック
その名の通り、幾何学的な図形をベースにしています

成り立ちや特徴を知っていると、制作物に合う書体を選択できるようになりますね。

「有名な書体でも、知らないことが多いなぁ」と、今回も学び多き時間となりました!!

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次回の投稿も乞うご期待ください!
ではでは。

text:A.K


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