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【FONT MORE①】代替フォント

こんにちは!株式会社 form and craft です。今回も、弊社内で実施している学びのプログラム「フォームアカデミー」について記録していきます。(アカデミーの目的や今までの活動についてはこちらをご覧ください)


「フォント強化月間」を通してベーシックなフォントについて学んできたので、
さらにフォントについて視野を広げるため番外編として「FONT MORE」と題し、社員4名に「中華系フォント」「代替フォント」「インディーフォント」「コーポレートロゴ、制定書体」についてそれぞれ解説してもらいました。
今回は「代替フォント」についてお送りします。


代替フォントとは

さまざまなケースで用いられる言葉ではありますが、ここでは「有名フォントの代わりに使用できる類似した字形を持つフォント」についてお話ししたいと思います。

Helvetica Neueとその代替フォントになりうるNimbus Sans L

代替フォントが用いられるケースとしては、(特にWEBにおいては)何らかの理由でそのフォントライセンスを購入できない場合が考えられます。 代替フォントについての知識があると、そんなケースでもデザインのクオリティ低下を避けることができるかもしれません。


代替フォントの見つけ方

ではどのように代替フォントを見つけるのか。
ここでは「Helvetica Neue」を例に、代替フォントを見つけるフローをご紹介します。

1.フォントの特徴を知る

まずは、本来使用したいフォントである、「Helvetica Neue」の特徴を把握することから始めます。

  • カテゴリー
    Helvetica Neueはサンセリフのグロテスクに分類される。グロテスクは、カウンター(和文でいう「ふところ」)が閉じ気味で、Sが幅広で巻き込みが強く、Sと比較するとMの幅が狭いのが特徴。

  • ディテール
    セリフの形や線のコントラストなどに特徴がある。Helvetica Neueは、「R」「1」などのセリフの形や、上部と下部が水平に切れているようなフォルムが特徴。

Helvetica Neue Regular

2.代替フォントを探す

カテゴリー、ディテールなどの特徴を踏まえた上で、代替フォントを探します。 フリーフォントを探す場合は、商用フリーのフォントだけを集めた以下のようなサイトを利用すると安心です。

【代替フォントを選ぶ上での注意点】

・ライセンスを確認すること

フリーと記載があっても個人利用のみフリー(Personal use)の場合があるので注意する。

・巷の情報を鵜呑みにしないこと
ネット上にある情報は、古いものや他の記事の受け売りのものも多いため、自分の目でしっかり確認する。

・名称にひっぱられないこと
名称が似ていても実際には全く異なる表情のフォントがあるので、自分の目でしっかり確認する。(例:「Libre Baskerville」)

3.組んで、比較する

見つけた代替フォントを実際に組んでみて、有名フォントと比較します。複数の代替フォントが見つかった場合は、その中でも比較し、どのようなケースでどのフォントが使えそうかを検討します。

【今回見つけたHelvetica Neueの代替フォントでの例】

Nimbus Sans L
Helvetica代替と公言しているだけあり、RegularとBoldはシルエットがかなり似ている。Helvetica Neueより少し長体がかかっており、濃度が濃いのが特徴。
https://www.fontsquirrel.com/fonts/nimbus-sans-l

Aileron
「a」「l」などシルエットの違いがあるが、ウエイトが豊富でUltra lightは代替として利用できそう。
https://www.fontsquirrel.com/fonts/aileron

Lunchtype22
Helvetica Neueの特徴である「R」などに違いがあるが、数字の形は似ている。
https://www.fontsquirrel.com/fonts/lunchtype

トレーニングにも有効

上記のフローを繰り返していくと、有名フォントの特徴やディテールがわかるようになるので、フォントへの理解を深めるトレーニングとしてもおすすめです。


代替フォントの例

最後に、弊社でリサーチした代替フォントの例をご紹介します。

●Sans serif


DIN


Futura

●Serif (Roman)


Garamond
※ここではAdobe Garamondを基準としています。


Baskerville


Sabon
弊社のロゴで使用しているフォントです。

●Slab serif


Clarendon

  • Zodiak
    セリフの形が柔らかなのが特徴。バリアブルフォントのためウェイトの変更が可能。
    https://www.fontshare.com/fonts/zodiak

  • Besley
    Clarendonよりセリフに太さがあり、x-heightが少し大きめなので全体が少し長体がかかったような印象が特徴。バリアブルフォントのためウェイトの変更が可能。
    https://fonts.google.com/specimen/Besley


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代替フォントについて知ることは、デザインの制限を少なくすることに繋がると思います。
これまでの「フォント強化月間」でご紹介した知識も活かすことができると思いますので、よかったらこちらの記事もご覧ください!

それでは、次回の投稿もお楽しみに!

text:SATO

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