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相続:最後のラブレターを書こう。~遺言~

おひとりさま・LGBTsの方向けのお話しです。

【シリーズ 相続】
親とは違うということ。
最高の相続対策とは。
親子になるか、他人のままか。
親子になる。~養子縁組~
子が先に旅立つとき。~養子縁組~
子が親を見送るとき。~養子縁組~
すべてを遺せない?!遺留分について。~遺言~
最後のラブレターを書こう。~遺言~



遺言は「最後のラブレター」だ。
いつも勉強させていただいている「はこぶね行政書士事務所」さんのインスタグラム記事(hakobune.gyosei)で初めてこの言葉を知りました。

愛する人・大切な人の生活を守ってくれる遺言書、遺言書には、相手に向けた愛と思いやりがたくさん詰まっています。自分が亡くなった後、同性パートナーを守ってあげられる、まさに、愛する人・大切な人のために向けた最後のラブレターと言えるのではないでしょうか。


何度も言いますが、私たちと同性のパートナーは養子縁組をしない限り、どこまで行っても、何十年寄り添ってきても法律上他人です。他人なので、何もしなければ1円たりとも財産を相手に遺すことができません

同性パートナーに財産を遺すために、その手段として、遺言を書くというのは、とても有効な手段です。

まずは、とりあえずは、いつかのための練習?に遺言を書いてみましょう~。そんな簡単にかけるの?と思われたかと思いますが、簡単に書けます。そのあたりのところをお話ししていきますね。



遺言書の種類について


いくつか方式や種類があるのですが、大多数の方は、以下2つだけ覚えていればよいです。

・自筆証書遺言
・公正証書遺言

では、上記2つの遺言を簡単に説明します。


自筆証書遺言

その名のとおり、遺言書を書く人が自分で書いて(自筆・手書き)作成する遺言書です。作成ルールはありますが、決まった用紙や筆記用具などはなく、極端な話、百均で買った便せんやメモ用紙でもOKです。※ただし後述している法務局に預ける場合は、A4用紙限定

作成は自分だけで完結するため、費用が掛からず手軽に書くことが可能です。ただし、作成ルールに則っていない遺言書の場合、無効になることがあります。しっかりと作成ルールを確認し作成しましょう。


公正証書遺言

公証人に作成してもらう遺言書です。公証人が作成するため作成ルールに則った遺言書が作成でき、無効になる恐れがなくなります。また、自筆しなくていいので、体が不自由でも公証人に(口頭などで)意志を伝えるだけで作成することができます。

ただし、作成には費用と時間がかかります。また、証人が2人必要になるため、作成するハードルは上がります。


自筆証書遺言の作成ルール

大きなルールとして以下があげられます。

・自筆、手書きで書く(特定の箇所を除き手書き以外NG、代筆もNG)
・署名をする
・押印をする(認印でもOKだが実印があればそれの方が望ましい)
・記入した年月日を記載(遺言は最新のもののみが有効となるため)
・どの財産を誰に相続させるかを明記
・あいまいな表現は使わず、はっきり「相続させる」「遺贈する」と明記
・文章訂正ルールに則っているか(二重線で消し押印する等)

あと、細かいルールはいくつかあるのですが、まずは上記ルールを意識して作成すればOKです。



実際に遺言を書いてみよう


それでは早速、同性パートナーに全財産を相続させる遺言を書いていきましょう、難しくないですよ~まずは、以下の文例を見てください。
※PCで作成していますが実際は自筆手書きで書かないとダメです。

今回は、私「琉球 快惺」が、同性パートナー「沖縄 太郎」に全財産を相続させる場合の遺言書です。


簡易版
詳細版

上述の作成ルールを守り作成されていることが分かると思います。

上下とも、相続させる内容(同性パートナーに全財産相続させる)に違いはありません。下(詳細版)の文例は、相続で揉めそうなときの文例です。

ちなみに記載内容の内、「遺言執行人」とは、遺言内容を実現する役割を負う人です。これは基本的に誰を選んでもよく、相続される側(パートナー)を設定しても構いません。

相続が揉めそうな場合、時間がかかりそうな場合は、下(詳細版)の文例のように、第三的立場である弁護士・司法書士・行政書士などを設定するとよいでしょう。


どうですか?え、これだけでいいの?と思われた方もいると思います。これだけでいいんです。あとは見つけてもらいやすい場所に保管しておけばOKです。

なお、遺言書を公的な機関である法務局で保管してもらえる「自筆証書遺言書保管制度」というものがあります。有料にはなりますが、この制度を利用することで、遺言書の紛失や隠匿などを防止でき、遺言書を発見してもらいやすくなります。


今回は、自筆証書遺言を書いてみよう~というテーマでお送りしました。これならすぐに書けそうだから、書いてみよう!!と思っていただけたら嬉しいです。隣にいる同性パートナーを想いながら「最後のラブレター」是非書いてみてください。

私がお話しすることも参考にしてもらいながら、遺したい方と話し合いを進めていただければ幸いです。今の自分が将来のパートナーを助ける愛情と思いやりをもって話し合いや準備を進めていってもらえたら嬉しいです。


最後まで読んでいただき、まことにありがとうございます。もし何かご質問等ありましたら、お気軽にコメントくださいね!!

快惺事務所では、同性パートナーや法定相続人以外に財産を遺すことについて、ご相談を承っております。ご興味ある方は以下のリンクから快惺事務所WEBまでお越しくださいますと幸いです。



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