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公務員の採用難に根本的な対策を

滋賀県高島市の住職・行政書士・FPの吉武学です。
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公務員の採用試験は一般的な事務職以外にも、保育士や保健師、土木などの専門職もあります。
都道府県庁や政令市などであれば、研究職の採用などもあるでしょう。

新聞でこうした専門職を中心に採用難であることの記事が出ていました。
土木などの専門職は特にの採用難となっており、10自治体では一般行政職の採用も厳しくなっているとの新聞記事が出ています。

京都府で20人の土木職を募集したのに応募が2人、しかも合格者はゼロで、追加募集を何度もかける事態になっていると言います。
いくつかの県では既に住民サービスに影響が出ており、他の自治体でも「今は影響はないが今後出てくる」と回答されています。
しかし、実際のところ職員が少なくなっている職場で影響が出ていないわけがなく、ただ問題が表面化していないだけでしょう。
人が少なくなっている職場では、今までいた職員の分を当然周りの職員が分担しているわけで、単純に手数をかける業務は滞りますし、質が下がっているものもあるでしょう。

職員数確保のための取り組みも記事の中でのアンケート結果にありました。
SPI試験の導入や試験回数を増やしたり、リクルート強化や魅力発信などが書かれていました。
奈良県は「応募者を増やすことは重要だが、それだけでは限界がある。実際に受験しやすい試験を導入したことで応募者増加の効果はあったが、その分、辞退者も増えた。今後の採用でより重要となってくるのは「マッチング」の観点ではないか」と回答しています。

ちょうど奈良県の指摘をなぞるように記事では、大阪府四條畷市が中途採用を本格化させたが、初年度は採用1年以内に社会人経験者の3割が離職したことが書かれています。
その後、面談回数を増やして定着支援を図った結果、離職者は減ったとありますが、人事課にしてみれば余計な手間が増えたと思っているのではないでしょうか。
また、マッチングは確かに大事でしょうが、では求職者と求人者の何と何をマッチングさせるのか、というところを、もっと赤裸々に書いてほしいな、と思いました。

記事では自治体間で職員「シェア」するアイデアが出ていて、首長が賛同していることが書かれていました。
これこそ悪手でしょう。
そのシェアされる職員には何をもって報いるのでしょうか?
他の自治体でも活動できる「やりがい」だけでしょうか?
複数の自治体から給与を出すことは制度上、難しいでしょうし、特別ボーナスを出すこともできないでしょう。
首長にとっては便利でしょうが、使われる職員はたまったものではありません。

現状の制度の枠の中で何とかしようとするのでなく、そろそろ根本的な制度改革が必要だと感じます。

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