見出し画像

孤島の窓辺から #017「透明性の求められる時代に」

この孤島の窓辺から、
思いを馳せていると、
世界各地を転々と放浪していた時のことを思い出します。

あの頃、日本から距離をおいて
多くの国の素晴らしさにも触れてきましたが、
同時に、日本の素晴らしさに客観的に気がつくこともできました。

例えば、衛生面について。
この分野においては、
日本より優れている国を未だ見たことがない。

✳︎ ✳︎ ✳︎

事前にお伝えしておきますが、
今回はトイレの話ばかりします、、、笑

僕の世代にとって、
青春時代はトイレというのは
単なる用を足すためだけの場所ではなくて
とても文化的な場所でした。

例えば、
男子トイレの個室の壁には謎のメッセージや電話番号。
クラスメイトへの告白文、同級生へや学校への愚痴、
世の中への恨みなどが落書きとともに書かれたりしてました。

若い人は実感がわかないかもしれませんが、
トイレという空間は、
例えるならば「2ちゃんねる」や「mixi」、
最近ではSNSのような感覚だったのかもしれません。
やり場のない思いやメッセージを吐き出す場所。

トイレというシークレットな場所で、
日常でのやり場のない思いや欲求を、
僕らの世代はシークレットに発散してたりしていたんですね。

また、時にトイレは男子にとっては、
大人になるための道場のようなものでもありました。

一人でトイレに行きタイミングが悪ければ、
個室で待ち伏せていた先輩に
お金を巻き上げられるか一発やられる。

不良少年にとっては、
上級生にトイレに呼び出されるということは、
一人前の男子として認められたような、
一つの通過儀礼なようなものでもあったかもしれません。

見えないからこそ、
育まれてきた、そうしたブラックな文化の発信場所でもありました。

✳︎ ✳︎ ✳︎


トイレで話を引っ張って
大変申し訳ないのですが、、、、、。
というか、最後までトイレの話なのですが、、、、笑

年を重ねて、社会人になった時、
そこは僕の「駆け込み寺」になっていました。

社会人になりたての頃、
クライアントへのプレゼンテーションの練習を
トイレの中に篭って口ずさんでもいたし、
連日の接待で飲み過ぎてしまい、
午前中はほとんど仕事にならずに、
しばらくは会社のトイレに篭っていたことなんてこともありました。

また、自分の会社を立ち上げた時、
個室で社員の会話に耳を傾けていたことも(笑)。
彼らの仕事や会社に対する耳の痛くなるような意見を聞きながら、
社内の状況を把握するための貴重な装置として
その場所は重要な経営資源として機能してもいました。笑

何が言いたいのか、
さっぱりわからないと思いますが、、、

誰にも触れられないシークレットな場所というのが
実は、どこかでその人の逃げ場所や、
拠り所になったりもするということなんですね。


✳︎ ✳︎ ✳︎


そんな中で、
日本から衝撃的なニュースが飛び込んできたんです。

なんと
最近は「シースルートイレ」なるものが日本で登場したらしい。
(未使用時のみシースルーに)

実はこの出来事、
世界中でこっそり注目されているそうで、
衛生面や防犯面を考慮してのことだそうですが、
なんともトイレ先進国・日本らしいアイデアだなと。

ただ、あの文化的なブラックボックスが
シースルーになってしまうことで、
逆に苦しむ人はいないのだろうか。。。。笑


情報開示や透明性が求められ
何もかもが明るみになっていく時代。

明るみになってはいけない場所もあるのではないか。

昔のことを思い出し、
少し寂しい気もしながら、
孤島の窓辺から考えていました。


最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。