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子どもが自分のルーツを求めたときに。

#20240225-363

2024年2月25日(日)
 ノコ(娘小4)の習い事先のママさんにとても社交的な方がいる。
 小学2、3年生でも1人で電車に乗って通う子どもが大半ななか、4年生の娘がいるそのママさんは送迎する頻度が高い。必ず送迎する我が家は、お会いする頻度も高くなる。
 話す機会がほかの保護者よりある。
 子どもが同じ小学4年生女児ということもあり、勉強をはじめ友だち関係など話題も尽きない。愚痴ほど重くない、この年頃の子どもによくあることで盛り上がる。
 ここ1年ほどのつきあいだが、ママさんのオープンな話振りもあって少しずつ家庭の状況もわかってきた。
 離婚し、親と同居中。子どもは1人。フルタイム勤務。年齢は私のひとまわりほど下か。

 今日はレッスンの後、はじめて母娘で遊ぶことになった。
 先方はシングルマザー、我が家はむーくん(夫)の勤務が暦通りではなく日曜日出勤が多い。子どもも1人なので、日曜日とはいえ兄弟や夫との予定もない。つまり、レッスンの後は母娘2人になる。
 子どもも毎週日曜日が習い事だけで終わると、どうしても「つまらない」といいだす。
 そうかといって、習い事の後、母娘2人で遊びにいくのは体力的にしんどい部分が親にはある。母娘2人だとずっと子どもの相手をせねばならない。
 たまに、一緒に遊ぶ相手がいると助かる。

 ランチに入店したファストフード店は混んでいて、4人座れるテーブルが確保できなかった。テーブル1つ離れて、子ども組と親組にわかれて座った。
 4年生ゆえ、見える距離にいれば大丈夫だ。
 子どもは子ども同士でフライドポテトをつまんだり、ジュースを飲んだりしながら笑っている。ノコはこの習い事があるので、日曜日に友だちと遊ぶことがほぼない。子ども2人きりなので、ほかの友だちを気にすることなく独占できる嬉しさにかなりはしゃいでいる。
 店内は家族連ればかりで、調理やオーダーの声だけでなく、たくさんのお喋りであふれていた。
 大人の控えめのやりとりは、子どもたちの耳には届かない。

 「いてもいいのかな。娘ちゃんが何歳のときに離婚したの?」
 離婚したことをママさんはあっけらかんと口にするので、周りも知っている。
 「2歳のとき。その後、父親には会ってないから一緒に暮らしていたときのことは覚えてないのよね」
 続けて、ママさんは最近娘が父親のことを知りたがっていること。だが、父親の話題を出すと、母親であるママさんの機嫌が悪くなることを知っているため、いいだせないようだといった。

 ノコと同じ小学4年生だ。
 自分のルーツを知りたい年頃だと思う。
 ママさんは経済的に困っている様子はない。親とも同居しているので、貸してもらえる手もあるだろう。公的な機関に助けを求めることなく、暮らしが成り立っているのだと思う。実際、このようなシングルマザー/シングルファザーの家庭は多いのだろう。
 インターネットが普及している今は、おそらくさまざまな家族の形の互助グループがあり、情報交換や交流をしていると思う。子育てなどに悩めば、検索し、そういった互助グループにつながることもできるだろう。
 だが、世の中のどのくらいのひとり親が親族以外とつながっているのだろうか。

 まだママさんには、我が家が里親家庭であることは伝えていない。
 この習い事で打ち明けたママさんもいるが、今は辞めてしまい、残っていない。話したい気持ちとノコが時折友だち関係でトラブルを起こすので、色眼鏡で見てほしくない気持ちが交錯する。
 配慮はほしいが、遠慮はいらない
 この匙加減がどうにも難しい。

 ただ娘さんが自分のルーツを求めるのは、自然なことだ。
 離婚の原因は知らないが、当事者となると、元夫である父親のことを冷静かつ客観的に話すのは厳しく感じる。その点、我が家はノコの実親のことは児童相談所から聞いた情報のみだし、説明もノコにとって悪いことはいわない児童相談所の担当ケースワーカーがしてくれる。
 複雑な生い立ちではあるが、いたるところに配慮がある
 ママさんに同じような事情を持つ子どもを育てている仲間がいるのか。児童心理などの面から生い立ちの説明の必要性をどのように理解しているのか。
 私にはわからない。
 わからないけれど、余計なお世話かもしれないけれど。
 娘さんがルーツを知ることは、娘さんの人生においてとても大事なことなのだとママさんに伝えたい自分がいる。

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