組織変革は指揮官先頭・率先垂範で行う
3月27日の日経新聞で、「役員が動いて会社変える リスキリング、隗より始めよ」というタイトルの記事が掲載されました。リスキリングの号令をかけていながら、社員任せになっていないかを問いかける内容でした。
同記事の一部を抜粋してみます。
先日、AIについて特集しているテレビ番組を見ていたら、シリコンバレーにあるバーの風景が紹介されていました。
(記憶があやふやですが、確か)ChatGPTについて毎晩雑談するバーになっていて、企業経営者などが意欲的に参加して意見交換している様子を取材していました。「ここに来ていないと最前線の動きが分からないので、やってきた」と、ヨーロッパなどから参加している人もたくさんいて、印象に残りました。上記記事の「米大手企業の役員が、自ら定期的に技術動向を情報収集する」に通じるものを感じました。
私は「DX」や「IT」などと聞くと即座に思考停止してしまうような、それらの領域が苦手な人なので、記事中の島田氏や丸井グループの経営幹部の事例には、尊敬しかありません。。部下の立場でそうした行動を見ると、当然影響を受けることになります。その結果が、資格取得率に表れているのだと思います。
合格率も、職位の高い階層から順に高くなっています。職位の高さは、ある程度年齢に比例しているはずです。この結果を見ても、以下のことが言えると思われます。
・学びに年齢は関係ない
・社長に近い立場の階層から影響を受けている
・組織の最下層に届くまで時間はかかるが、じわじわ届くことで組織全体が変わっていく
・社長の行動なしにこの取得率はなかったであろう
先日の投稿では、組織活動で成果を上げるには、リーダーがその活動を指揮官先頭・率先垂範で行うことが不可欠だと言うことを考えました。もちろん、その組織活動のテーマに関する細部の作業、個別具体的な業務まで、リーダーが行うことは物理的に無理です。それぞれの立場によって期待される役割は異なります。細分化された業務プロセスの実行部隊になることを率先垂範する必要はないはずです。
そのうえで、その組織活動の統括や、当該テーマに関する知識を身につける(これもどこまでの範囲を対象とするのか、テーマや場合によりますが)、活動の必要性を訴えるなどは、指揮官先頭・率先垂範でできるはずです。
隗(かい)より始めよ:大事をなすには手近なことから着手せよ。言い出した者から始めよ。組織を抜本的に変えるような大きな取り組みにおいては、特に意識して実行したいことだと思います。
<まとめ>
リーダーの意気込みと取り組みの度合いが、組織全体の意気込みと取り組みの度合いとなる。
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