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フードテック革命~パーソナライズドフード~

一人ひとりのニーズを満たす商品やサービスが提供される「超・個別最適化」の時代の到来がいよいよ間近に迫りつつある。

(Netflixやアマゾンの一人ひとり違うレコメンド機能を想像してもらえればわかりやすいでしょうか。)


1、パーソナライズに必要な3つのデータ

食のパーソナライゼーションサービスを構築するには、次の3つのデータが鍵を握る。

①調理に関する情報
調理実績(何を作ったか)、食材情報、評価情報

②人に関する情報
心身の状態、体内の状態、好き嫌い・アレルギー

③食材に含まれている情報
栄養素・効果、流通経路、賞味期限、おいしさなどの可視化

2、Personalized Nutritionが食の世界へ

血液、遺伝子、腸内細菌、その他生体データなどを分析し、個々人がどのような食事をとったらいいか、どのような運動すればいいかを提案する
いわゆるPersonalized nutritionという領域は、近年スタートアップがひしめき合い、買収が進むなど企業の動きが活発。

日本でも治療行為と解釈されるようなサービスを提供しようとすると、様々な規制をクリアせざるを得ず、実装が難しくなる。

一方、米国でこのようなPersonalized nutritionサービスが実装されているのは、
治療領域ではなく、肥満対策から始まっているところが大きい。

米国の社会課題で最大級に問題なのは肥満である。

肥満は何より、食によって解決もするし、悪化もする。こうした「医食同源」とよばれるサービスは、米国では近年かなり増えている。

3、つながり始めている食材のデータ

人のデータが精密に可視化され、レシピや食材等のソリューションが示されるようになると、次に必要となるのが食材のデータだ。

現時点での課題は、成分表など食材のデータと先ほどまで述べてきた人のデータ、そして調理時のデータが連携していないことである。

このインフラを作ろうと動いているのが、米国カルフォルニア大学デービス校のマシュー・ランゲ教授が立ち上げているアイシーフーズである。

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領域をまたいでデータ連携できるようにならなければ、生活者にとって本当に意味のある食サービスを実現することは難しい。特にパーソナライゼーションのサービス構築には、データ層のプラットフォーム構築が急がれるところだ。


4、パーソナライゼーション3.0

AmazonやUber Eatsなど大量のデータを所有するプラットフォーマ―がパーソナライゼーションを制するのか?

購買履歴を基にしたもの(=ver1.0)、食材や身体のデータを診断、評価したうえでソリューションを提供(ver2.0)、その次のver3.0の世界がある。


①人をより賢くするパーソナライゼーション
言われるがままに受け入れるのではなく、自分が食べているものに対して、なぜそれを食べているのかという意義付けができるということ。

フードロス問題に貢献できるなど、パーソナライズされたサービスの裏に自分を成長させてくれる仕組みがある世界。

②コミュニティーを意識したパーソナライゼーション
毎回の食事の中で、自身の家族や友達、周りの人をもっと知る、喜ばせる、そういった要素をなくしては、食事は非常につまらないものとなってしまう。

個別最適化だけでなく、周囲の人たちとの調和も考慮されたサービスが考えられないだろうか。


③システムシンキングに基づくパーソナライゼーション
ヒトの都合だけを考えていては社会や地球全体にとって正しい事は何かという視点が失われる。

特定個人に向けたパーソナライズレーションのサービスが、社会システム全体にとって最適なのかも考えるべきである。

※この記事は「フードテック革命」を参考に作成しています。



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