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【聖母病院出産レポ②】痛みに弱い私が無痛分娩から緊急帝王切開で出産するまで(出産前の準備編)

前回の出産レポ①「コロナ禍での妊娠発覚・つわり編」に続き、今回の出産レポ②では、「出産前の準備編」として出産日までの過ごし方や準備したこと初めに通っていた病院から聖母病院に変えた理由など病院選びでどんなポイントを重視したかを紹介しようと思う。

この出産レポは、「コロナ禍での妊娠発覚・つわり編」、「出産前の準備編」、「出産編」、「入院編」合計4つのエピソードを綴る予定だ
※本レポートは、あくまで私個人の体験・感想です。ご自身の症状については主治医の指示に従ってください。

その前に少し余談だが、最近Netflixで配信スタートした斎藤工さん主演のドラマ「ヒヤマケンタロウの妊娠」を見たのだけど、とても面白かった。自分が妊娠するとは思ってもいなかった男性が妊娠し、様々な社会問題にぶち当たっていく物語だ。妊娠中の苦悩をコミカルに描きつつも、社会派要素も盛り込まれている。ドラマを見ながら「あー、わかるわかる」と共感の嵐で気付いたら一気見していた。1話30分、全8話完結とテンポもよく見やすいので、気になる方はこちらもチェックしてみると良いと思う。

妊娠中期(5ヶ月〜)以降、成長するお腹とともに襲ってくる鬼畜な試練

さて、ここからは妊娠中期、5ヶ月頃からの話だが、この頃私は徐々にお腹が大きくなり、仰向けで寝るのが苦しくて、横向きでしか寝れなくなった。そこからさらにお腹が大きくなるに連れて横向きの体勢も体を支えることがどんどん辛くなっていった。

さらに追い討ちをかけるように妊婦に多い頻尿問題。とにかくトイレに行く頻度が圧倒的に増える。さっき行ったと思ったらすぐにまた行きたくなる。そんなことが当たり前のようになり、寝ている間も何度も目が覚めるようになった。このせいで日々寝不足となり、翌日の仕事に支障をきたすレベルだった。

妊娠中の友人も同じ状況となり、人格崩壊しそうだと嘆いていた。これは何か試されているのか。例えるならば前回に続き、冨樫義博大先生の大傑作「HUNTER×HUNTER」に登場するハンター試験会場まで辿り着くまでの道中に出てくるドキドキ2択クイズのようだ。そう、ドキドキ2択クイズの答えは沈黙だ。頻尿問題には正解なんてない。沈黙するしかないんだ。

というわけで、頻尿問題は沈黙するしかないわけだが、せめて寝る時の体勢問題を解決するために私は抱き枕を購入することにした。調べてみると、「妊婦さんのための洗える抱き枕」というまさに私の悩みを解決してくれそうな素敵な商品に出会った。このおかげで横向きの体制に関してはだいぶ楽になった。参考までにリンクを貼っておこう。

我が家の感染対策、夫の出番

コロナ禍での妊婦生活を送るにあたって、夫婦で色々と話し合った。感染対策として基本は自粛モードを徹底し、外出する際は出来る限り電車を使わないように車で移動し、スーパーなどで買い物した際には買った商品をひとつひとつ除菌するなどとにかく徹底した。(これは今でも継続中)

ここで、我が家には車があったことが本当に良かった。もちろん、感染対策としてもかなり有効だが、妊娠したらいつどこで何があるかわからない。何かあったらすぐに病院に駆けつけることができることを考えると、タクシーの選択肢もあるとは思うが、すぐに動ける車があることに越したことはない。ドラクエだって、最初のうちは歩いて冒険するが、途中から馬や船に乗れるようになり、移動が格段に快適になっていく。

これが仮に電車やバスなどを使って通院することもできなくはないが、とにかく妊娠中は何かと体調が悪いのでやっぱりできなかったと思う。妊娠中、病院はもちろん、外出時に車を出してくれた夫には感謝だ。というか、私が車の免許を持っていなかっただけなのだけど。

また、スーパーの買い出しに関しても、中期から後期にかけては特に感染対策を徹底する意味で夫が行ってくれた。夫はフリーランスなので、こういう時に時間の調整がしやすく、とても助かった。この辺りは会社員の夫だと難しい部分だったと思う。フリーランスの夫よ、ありがとう。

聖母病院に決めた理由

私は聖母病院で出産をしたのだが、最初は里帰り出産をしようと考えていたため、実家の近くの病院に通っていた。その病院ではコロナ禍の感染対策として、診察の際は夫の付き添い、立ち合い出産、面会と全てがNGだった。また、私が希望していた無痛分娩は対応していたものの、麻酔科医が常駐していなかったため、あらかじめ指定することはできなかった。

私はコロナ禍なので感染対策上、仕方ないとは思いつつも時間などの制限付きでも良いから夫にも診察の付き添い立ち合いができる環境だと良いなと思っていた。また、肝心の無痛分娩に関しては、無痛分娩を行う際の硬膜外麻酔のリスクが書かれている説明書を読むと色々と怖い。痛みに弱い私だが、当然リスクも怖い。だから、麻酔をしてもらう際には麻酔科医にちゃんと対応してもらいたいと思った。

色々と考えながらも最終的に実家の近くの病院から聖母病院に変えた。上記のような無痛分娩や立ち合い出産についての問題と、もう1つの理由が大きかった。それは、育児を夫と一緒に0からスタートさせたかったからだ。里帰り出産をした場合、数ヶ月夫と離れることになるため、私と夫の間に育児能力の差が少なからず出てしまう可能性がある。さらに、生まれてからまもない間でも子どもの成長は日々変化するだろうから、その細かな変化を2人で見たかったからという思いがあった。これらをきっかけに、以下の条件を満たす病院探しを始め、24週目の妊娠中期に入ってから聖母病院に変え、ここで出産することを決めた。

聖母病院の外観

■病院選びで重視したポイント

  • 無痛分娩に対応している

  • 硬膜外麻酔は麻酔科医が行う

  • 少しの時間でも良いから立ち会い出産ができる

  • 診察の際に1回は夫も付き添いで入れる

  • 自宅から病院まで車で30分以内の距離

  • 主治医や助産師さんが丁寧に対応してくれる

厳密に言うと、聖母病院では「無痛分娩」ではなく、「和通分娩」と呼んでいる。その理由に関しては、公式ホームページに記載されている通り。つまり無痛分娩とやっていることは変わらないが、呼び方を和通分娩にしているということだ。無痛分娩と変わりない対応と知り、少しだけ安堵する。

実際にコロナ禍における聖母病院での制限は主に以下の通りだった。
※2021年10月時点での制限されていた項目なので、現在の正確な情報は聖母病院の公式ホームページで必ず確認してください。

■コロナ禍における聖母病院での制限(2021年10月時点)

  • 入院中の面会は一切禁止
    コロナ禍のため、入院中の面会は一切禁止。ちょっとした荷物の受け渡しもNG。なので、忘れ物はしないよう事前準備が必要となる。

  • 診察の付き添いの制限
    家族1人のみの付き添い合計2回まで可。ただし、家族付き添いの際には、1週間の健康チェックシートの提出(体温、体調など記載)が必要。

  • 立ち合い出産の制限
    この頃、コロナ禍での立ち会い出産は、NGの病院が多かった中、聖母病院では緊急事態宣言が解除された期間、パートナー(夫)のみ立ち合いがOKだった。ただし、以下の条件付き。

    • 立ち合いが可能な時間は、分娩室で15分間のみ。

    • 子どもの同席は不可。(病院への立ち入り自体不可)

    • 事前に署名した同意書を提出。

    • 1週間の健康チェックシートの提出。(体温、体調などを記載)

  • 常時マスク着用(陣痛室、分娩室を含む)
    入院、陣痛室、分娩室の全てにおいて、マスク着用必須だった。これを知り、陣痛が始まったら息苦しくて酸欠状態にならないかかなり不安だったので、事前にマスクガードを購入した。

    実際に陣痛室でマスクの下に装着したところ、息がしやすくてこれがあって本当によかった。陣痛室、分娩室でのマスク着用必須の場合は、以下のマスクガードを購入することを強く勧めたい。ドラクエで例えるなら最強装備の1つに違いない。これがないとラスボスに勝てないと言っても良い。

母になる前の最後の時間。束の間の好調時の活用法

つわりが落ち着いてからは、妊娠中期〜後期にかけて体調が良い時に出産したらなかなかできないことをコロナが少し落ち着いたタイミングで夫婦で楽しむことにした。母になる前の最後の貴重な時間。例えば、もう食べれるようになった焼肉屋、ラーメン屋に行く、映画館で映画を観る、友人と会う約束をするなど。妊娠中のつわりや体調の変化は人それぞれだけど、体調が良い時にはぜひこれらをやっておくとよいと思う。

その他、本記事では割愛するが、出産前と後の手続き系の書類準備などもできるものは済ませておくと良い。産後対応する手続きもいくつかあるので、事前に何が必要かを把握しておくことで書類地獄をスムーズに乗り越えることができる。

産後の体は交通事故なら全治1ヶ月と言われている。そんなボロボロの体では書類どころではない。特に子どもが生まれてから2週間以内に対応しないといけない「出生届」などはパートナーに対応してもらうことを視野に入れておくと良いと思う。頼れる人にはとことん頼った方が良いと思うので、そのためにも事前準備は欠かせない。(以下、参考にした出産前と後にやるべき手続きのリンク)

あとは、ベビー用品や入院日に必要な荷物を一式そろえたりした。そろえたものなどはここでは割愛するが、私の場合はありがたいことに先輩夫婦の友人たちからベビー用品のお下がりをもらったりしたので、自分たちで購入したものはそこまで多くはなかった。ありがたい限りだ。

聞くだけでも気絶しそうな「会陰切開(えいんせっかい)」

出産を迎えるまでに準備したことの中で、痛みに弱い私にとって重要だったのは「会陰マッサージ」だった。そもそも「会陰」ってなんぞ?という感じだったのだが、会陰とは腟と肛門の間の平らな部分を指す。と言っても、具体的にどこなんだと思う人もいるかもしれないので、ネットで検索すると正確な情報が出てくるので確認してみて欲しい。図解があるのでわかりやすい。しかし、確認してみると会陰のあたりがムズムズする。

で、この会陰が一体何なのかという話だが、出産時にこの会陰の伸びが悪かったり、硬かったりすると皮膚が裂けてしまうことがあるそうで、特に初産の妊婦は多いらしい。皮膚が裂けるって、想像するだけでひっくり返りそうだ。無理。そして、裂けてしまうと色々な問題が起こったりすることもあるそうで、傷が治りにくくなるようだ。

そこで、赤ちゃんを出やすくするために、産婦人科医が会陰をハサミで2~3cm切り広げる処置を「会陰切開」と呼ぶそうだ。しかも麻酔なしで。

想像してみて欲しい、会陰を麻酔なしでハサミで切るということを。

今、これを書きながらも気絶しそうだ。そんなの絶対に嫌だ、絶対にだ。もしHUNTER×HUNTERの念能力が使えるなら「纏(テン)」と「錬(レン)」の応用技「堅(ケン)」を使って、会陰を通常よりもはるかに多いオーラで覆い防御したい。

会陰切開のリスクヘッジに努める日々

そんなわけで、私はこの「会陰切開」のリスクを少しでも下げるために「会陰マッサージ」というものを中期頃から念の四大行の修行の如くコツコツと始めることにした。この会陰マッサージそれ自体はなんだかとても恥ずかしい気持ちになるものだが、切開されるくらいなら事前に対処しておきたい。とはいえ、会陰マッサージをしたからと言って会陰切開を防げるとも言い切れない。というか、防げない可能性の方が高いらしい。辛い。

私は会陰切開となった場合に備え、少しでも痛みを和らげるために円座クッションも購入することにした。円座クッションも種類がいくつかあるが、口コミなどを参考にしてU字型のクッションを買った

よし、これで準備は整った。最強装備でラスボス戦に挑む前夜の気持ちだ。

まとめ

以上、「出産前の準備編」をまとめてみた。つわりが落ち着いてきて、これから出産日に向けて色々と準備を進めている方や、聖母病院で出産を検討している方にとって少しでも参考になれば嬉しい。

次回は、いよいよ「出産編」

次回は、いよいよ「出産編」を綴りたいと思う。タイトルにも記載の通り、痛みに弱い私が無痛分娩から緊急帝王切開で出産するまで、実際にどのような流れだったのか詳細をレポートしたいと思う。

つづく

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