規則正しい生活をしようとすると、朝のルーティーンは固定した方が生活が簡単になることがわかった。仕事を休む前は在宅勤務が多く、9時ぐらいに仕事を始められるよう（その時間すらも自分次第）適当な時間に起きて、朝ごはんはその時にあるもので作って食べて、自分の決めた始業時間までテレビを見たりスマホを見たりして過ごしていた。

いまは開館時間に合わせて図書館に行くようにしているので、朝にやることの内容、手順を固定して、それらをするために十分時間が確保できる一定の時間に起きている。今日は雨だから起きれなくても仕方ない、と仕事を休む前はよく思っていたが、最近は天気に揺り動かされない体調を築くことができていて、雨でも風でも雪でも起きられる。規則正しい生活になっている。

7:00　起床

映画『PERFECT DAYS』の主人公、平山の起床風景をイメージすると、時間通りに起きられる。毎朝決まった時間に外を箒で掃く音がしたら、平山は起床する。音がしてから起き上がるまでが、すごく早いのだ。ザッ、ザッ、ザッと聞こえたら、目を開けて身を起こす。

映画を見に行った当時は、医者に毎日決まった時間に起きるように指導を受けていたが、あたたかい布団から出たくない、昨日の疲れがちょっと残っている気がするからもう少し身体を休めた方がいい、この時間に起きなくても準備は間に合う、などと布団の中で考えて、目覚ましのアラームが鳴ってから30分は布団の中にいた。

でも映画の中で繰り返される平山の起床を見たら、それが気持ちよさそうに見えた。起床はリズムなのかもしれないと思った。それからは自分の決めた時間通りに起きている。もう少し布団の中にいたい、と思ってしまった時は、平山を思い出すと身体を起こすことができる。

体を起こしたらその流れで掛け布団を畳んで、重ねておく。これも平山が起きた後すぐにやっていたから真似をして。あとで畳もうと思うと面倒になることがあるので、ここで片付けてしまう。

朝日を浴びるのは大事ですとよく聞くし、改めて医者にも言われたので、遮光カーテンを開けるついでに、少しだけレースカーテンをめくってその日の光を観察するようにしてみた。毎日同じ時間に起きても、光は日ごとに違った。

空のグラデーションがオレンジと青でできていた次の日に、緑と青のグラデーションになった。そこから光を見るのは面白いと思った。くもりの朝はどの日もあまり変わらないように思えたが、雲の向こうにある太陽の透け具合が違っていた。

光を見たら、干していたバスタオルを洗濯カゴに入れ、歯ブラシを口に突っ込んで、トイレへ。歯磨きが終わったら顔を洗い、コンタクトを入れてスキンケアを化粧水まで。

7:20　朝食準備

化粧水を馴染ませている間に、朝食準備をする。以前は目玉焼きなど作っていたが、ミニマリストのブログを見漁っていたときに、朝食は簡単に用意できるように火を使わないようにしています、とあった。時間通りにどこかへ行かなければならないプレッシャーのかかる朝には必要なアイディアだった。真似をして、最近はフルーツヨーグルト、ゆで卵、クッキーを食べている。

火を使わないとはいっても、温かいものは飲みたいのでお湯は沸かしていて、ミルクティーを飲む。朝からクッキーを食べているのは、ミルクティーに合うからなのだ。たまたま最近、イギリスに関連した本を複数読むことがあり、イギリスっぽくティーを楽しみたいと思ったので、本の中で紹介されたミルクティーの作り方を真似している。牛乳は温めてはいけないらしい。

ティーと一緒に楽しむのはクッキーやパン、ケーキのようなので、一番用意が簡単なクッキーにしている。ちょっと高いけど間違いなくおいしい、Walkersのクッキーを缶に収めて保管して、毎朝ひとつずつ食べられるのを日々の楽しみにしている。

紅茶を蒸らしている間、化粧水が馴染んだ肌のうえに、美容液をつけておく。

7:40　朝食

テレビを見ながら食べる。その日の気温と天気に合った服装を丁寧に教えてくれるので、天気予報はテレビでチェックするのが好き。

8:00　朝食の片付け

食洗機に使った食器を並べる。器は好きだけれど、気に入った器が食洗機対応でなければめったに買うことはない。あとで、昼食時に使ったものとまとめて洗う。

8:05　身支度

これができるようになるまで、結構時間がかかった。朝の化粧。どこに行くでもない、誰と会うでもない生活をしていると身が入らなかったが、通勤訓練をしなければならないことについて会社から説明を受けてからは、化粧も訓練しておくか…とやる気になった。毎日化粧をすると、ほとんどストックに変動がなかったクレンジングの消費が進む。服を着替えて、美容液で肌がもっちりしていることを確認して化粧を始める。

化粧は濃いほうではないのだが、かといって薄くてもこだわりがないわけではなく、小田切ヒロの動画を見て知ったテクニックを随所で試している。ベースメイクは輪郭いっぱいまで塗り広げないこと、クマの部分はマットに仕上げること、筆に残ったチークをシェーディングのように輪郭につけること。うっすら上気を帯びた顔になりたい。チークはNARSのブラッシュ4013N、ゴールドの細かいラメが華やいでいる。

8:20　なんでもタイム

少し時間が余るので、ちょこっと気になった家事をする。乾燥にかけたくない服があれば干したり。ラグにコロコロをかけたり。テレビ周りに積もったほこりを拭いたり。特にやることは決めず、その日気になったところを整える。何もしたくなければ、スマホでも良い。

8:40　出発

椅子をテーブルの上にあげてルンバを起動したら、家を出る。

起床から出発まで1時間半ぐらい。本当に会社に行くようになったらこのサイクルを30分前倒しできたらいいと思う。朝を30分早めるのは大変そうだけど、会社に行くぞ！という意気込み（プレッシャーとはあえて言わない）があり、おまじないのように平山の朝のリズムを思い出せたら、あとはなんとかなる気がしている。